米べいＦＲＢえふあ-るび-金融きんゆう政策せいさく会合かいごう 利下りさげをいったん休止きゅうしか

ＦＲＢえふあ-るび-はことし７月しちがつの会合かいごうで、景気けいきの減速げんそくを防ふせぐ予防よぼう的てきな措置そちとしておよそ10年ねん半はんぶりの利下りさげを決きめたあと、前回ぜんかいの会合かいごうまで３さん回かい連続れんぞくで利下りさげを実施じっししてきました。

今後こんごの金融きんゆう政策せいさくについてパウエル議長ぎちょうは、失業しつぎょう率りつが歴史れきし的てきに低ひくい水準すいじゅんにあるうえ、利下りさげを背景はいけいにした低てい金利きんりで住宅じゅうたく投資とうしも持ち直もちなおしているなどとして「景気けいきが想定そうてい通どおりに推移すいいすれば、今いまの金融きんゆう政策せいさくが適切てきせつだ」と述のべ、いったん利下りさげを休止きゅうしすることを示唆しさしています。

このため市場しじょう関係かんけい者しゃの間までは、今回こんかいの会合かいごうで金利きんりは半年はんとしぶりに据え置すえおかれるという見方みかたが強つよまっています。

一方いっぽう、今回こんかいの会合かいごうでは来年らいねん以降いこうの金融きんゆう政策せいさくの見通みとおしも示しめされます。

中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき摩擦まさつなどアメリカ経済けいざいが減速げんそくするリスクも残のこる中なかで、会合かいごうの参加さんか者しゃが景気けいきや金利きんりの先行さきゆきについてどのような道筋みちすじを示しめすのか注目ちゅうもくされています。

景気けいき順調じゅんちょう 低てい金利きんりのリスクを認識にんしきか

ＦＲＢえふあ-るび-のパウエル議長ぎちょうが、利下りさげをいったん休止きゅうしする方針ほうしんを示唆しさしているのは、景気けいきが緩ゆるやかな拡大かくだいを続つづける中なかで、低てい金利きんりのリスクを認識にんしきしているためとみられます。

ＦＲＢえふあ-るび-は、米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつが長期ちょうき化かして企業きぎょうの設備せつび投資とうしが落ち込おちこんだことなどから、景気けいきの減速げんそくを回避かいひするための予防よぼう的てきな措置そちとしてことし７月しちがつにおよそ10年ねん半はんぶりの利下りさげに踏み切ふみきり、その後そのご、９月くがつ、10月つきと３さん回かい連続れんぞくの利下りさげを実施じっししました。

この結果けっか、最新さいしんの経済けいざい指標しひょうでは失業しつぎょう率りつは3.5％とおよそ50年ねんぶりの低ひくい水準すいじゅんで推移すいいしているほか、伸のびが鈍にぶっていた住宅じゅうたく投資とうしも利下りさげによる低てい金利きんりを背景はいけいに10月つきの住宅じゅうたく着工ちゃっこう件数けんすうがプラス3.8％の上昇じょうしょうに転てんじました。

また、政策せいさく金利きんりはすでに1.5％から1.75％の範囲はんいにまで引き下ひきさげられていて、ＦＲＢえふあ-るび-の会合かいごう参加さんか者しゃからは景気けいきが拡大かくだいしている状況じょうきょうで一段いちだんの金融きんゆう緩和かんわに踏み切ふみきれば、行き過いきすぎた投資とうしを促うながすという意見いけんが出だされています。

ニューヨーク株式かぶしき市場しじょうのダウ平均へいきん株価かぶかは先月せんげつ、２に万まん8000ドルの大台おおだいも超こえましたが、ＩＭＦあいえむえふ＝国際こくさい通貨つうか基金ききんは「アメリカと日本にっぽんの株価かぶかは割高わりだかになっている」と指摘してきしていて、ＦＲＢえふあ-るび-としても低てい金利きんりによる金きん余あまりが生み出うみだすリスクを認識にんしきしているとみられます。

ただ、こうしたＦＲＢえふあ-るび-の方針ほうしんに対にたいしてトランプ大統領だいとうりょうはヨーロッパや日本にっぽんで導入どうにゅうされているマイナス金利きんりを例れいにあげるなどしてＦＲＢえふあ-るび-の政策せいさくへの不満ふまんをあらわにしています。

今月こんげつ２に日にちにもツイッターに「ＦＲＢえふあ-るび-が通貨つうかを切り下きりさげる国くにと同様どうようの行動こうどうをとらないことがアメリカの製造せいぞう業ぎょうや農家のうかの輸出ゆしゅつを困難こんなんにさせている。ＦＲＢえふあ-るび-はもっと利下りさげをしろ」と投稿とうこうし、大統領だいとうりょう選挙せんきょまで１いち年ねんを切きる中なか、景気けいきの拡大かくだいに向むけた圧力あつりょくを一段いちだんと強つよめています。