こうした
中、カリコ
博士は
当時同じペンシルベニア
大学にいたドリュー・ワイスマン
教授との
共同研究で、
細胞の
中にある「tRNA」と
呼ばれる
別のRNAは
炎症反応を
起こさないことに
注目。
mRNAを構成する物質の1つ「ウリジン」を、tRNAでは一般的な「シュードウリジン」に置き換えると炎症反応が抑えられるとする論文を2005年に発表しました。
さらに2008年には、特定のシュードウリジンに置き換えることで、目的とするたんぱく質が作られる効率が劇的に上がることも明らかにしました。
カリコ博士らは、基礎医学の発展に寄与した功績が認められ、ノーベル賞受賞者も多く受賞しているアメリカの医学賞、ローゼンスティール賞を去年受賞しました。
この賞の選考委員会で議長を務めるジェームズ・ヘイバー氏は「カリコ博士らの研究はmRNAワクチンの開発にとって、最も重要なものだった。ウイルスとの闘いを根本から変える驚異的な成果で、今後はこの技術を使って多くのワクチンが迅速に作り出されるだろう」と評価しています。
苦節40年 母国を離れて
ハンガリー
生まれのカリコ
博士は
首都ブダペストから
東に
およそ150
キロ離れた
地方都市で
育ちました。
親は
精肉店を
営んでいました。
大学で生化学の博士号を取得したあと、地元の研究機関で研究員として働きましたが、研究資金が打ち切られたことから1985年、夫と娘の3人でアメリカに渡りました。
当時ハンガリーは
社会主義体制で、
外国の
通貨を
自由に
持ち出すことができなかったため、
出国の
際、カリコ
博士は2
歳の
娘が
持っていたクマのぬいぐるみの
中に
全財産の900ポンドをしのばせて
アメリカに
持ち込んだということです。
アメリカでは、ペンシルベニア
州のテンプル
大学やペンシルベニア
大学で
研究員や
助教として
働き、mRNA
などの
研究に
没頭。
しかし、研究成果はなかなか評価されず、助成金の申請を企業から断られたり、所属していた大学の役職が降格になったりするなど苦難の連続だったといいます。
そうした中、ペンシルベニア大学の中でコピー機を使う際に言葉を交わしたことがきっかけでHIVのワクチン開発の研究をしていたドリュー・ワイスマン教授と知り合い、2005年、今回のワクチン開発に道をひらく研究成果を共同で発表しました。
しかし、この論文も当時は注目されず、2010年には関連する特許を大学が企業に売却してしまいました。
多くの
研究者がその
可能性に
気付かない
中、ドイツの
企業ビオンテックは
この研究成果に
注目。
企業に
招かれたカリコ
博士は2013
年に
副社長に
就任、
おととしからは
上級副社長を
務めています。
去年3月、ビオンテックは以前から共同で研究していたアメリカの製薬大手ファイザーとmRNAを用いた新型コロナウイルスワクチンの開発を開始すると発表。臨床試験で95%という高い有効性を確認したとして世界を驚かせたあと、共同開発の発表からわずか9か月後の去年12月に一般の人へのワクチンの接種が開始。カリコ博士らの功績が世界に認められることになりました。
「パンデミック収束への希望を与えた」
アメリカ政府の
首席医療顧問をつとめるアンソニー・ファウチ
博士は、ことし2
月「1
年を
待たずに2
種類のワクチンができた。
この2つはともにmRNAワクチンで、90%
以上の
高い有効性を
示している。
そして、
いずれもカリコ
博士らが2005
年に
発表した
研究成果が
土台となっている。
世界にパンデミック
収束への
希望を
与え、ワクチンのさらなる
可能性を
開いた」と
述べ、カリコ
博士らの
研究成果を
評価しました。
またイギリスの新聞、ガーディアンは「カリコ博士は新型コロナワクチンの技術のパイオニアだ。研究者としての環境を求めてクマのぬいぐるみにわずかなお金を隠してアメリカに渡った研究者が、今ではノーベル賞の有力候補といわれている」と報じています。
また、フランスのニュース専門チャンネル「フランス24」は「カリコ博士は研究者の中心から外れたところで何年も過ごした。カリコ博士と、共同研究者のワイスマン教授は今ではノーベル医学・生理学賞の本命候補となっている」と伝えています。
ペンシルベニア
大学の
上級研究員、
村松浩美さんは、10
年以上にわたってペンシルベニア
大学やドイツの
企業でカリコ
博士とともに
研究してきました。
村松さんは「研究が趣味のような人で、『土日は家で論文が読める』などと言ってとにかく毎日、論文を読んでいた」と研究に没頭するカリコ博士の様子を振り返りました。
さらに「予想とは違っても実験で出た結果を大事にする人だった。結果のよしあしに引きずられず、データを受け止めて研究を進めた。これが本当の科学だと思った」と述べました。
また「彼女のような革新的な研究であっても助成金がもらえないケースがあるのだから、ノーベル賞級の成果だったとしても、人目につかないまま消えていったものがたくさんあると思う」と述べました。
ロシア カムチャッカ半島の一部で3~4mの津波観測 怪我人も
ロイター通信は、ロシア極東のカムチャツカ半島の一部で3メートルから4メートルの津波が観測されたと、地元の災害担当の当局者が明らかにしたと伝えています。また、ロシア国営のタス通信が伝えた内容として、この地震により地元の空港などで数人が軽いけがをしたと報じています。
N2
Source: NHK
372
Jul 30, 2025 11:07
専門家 “今回の津波は後から来る津波が大きく 注意が必要”
今回の津波の特徴について、津波のメカニズムに詳しい東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は「カムチャツカ半島では過去も大きな地震があり、最も大きなのものが1952年で、同じような規模で起きている。その時には日本にも3メートルの津波が押し寄せた。今回も同じような規模になるおそれがある」と指摘しました。
N1
Source: NHK
94
Jul 30, 2025 15:07
【津波警報石破首相「高台や避難ビル 安全な場所に避難を」
石破総理大臣は午前10時20分ごろ総理大臣官邸で記者団に対し「きょう午前8時25分ごろ、カムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震が発生し、この地震に伴い北海道から和歌山県の太平洋側沿岸に津波警報が発表され、高いところで3メートル程度の津波が予測されている」と述べました。
N2
Source: NHK
73
Jul 30, 2025 11:07
参議院選挙 自民・公明 過半数割れ【各党の獲得議席 全確定】
20日に投票が行われた第27回参議院選挙。125の議席をめぐって争われ、各党の獲得議席が決まりました。自民・公明両党は過半数の議席を維持できず衆議院に続き参議院でも少数与党となりました。石破総理大臣は比較第1党としての責任は重いとして総理大臣を続投する意向で21日に正式に表明する見通しです。
N2
Source: NHK
1
Jul 21, 2025 09:07
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