昭和を
代表する
音楽家 服部良一さんが
戦時中に
作詞・
作曲し、ブギの
女王と
呼ばれた
笠置シヅ子さんが
歌った「
幻の
作品」とされる
曲の
楽譜や
歌詞などの
資料が
初めて見つかりました。
専門家は「
戦時中、
慰問などで
歌われたとみられるが、
2人のほかの
歌と
比べて
明らかに
異色で
興味深い」と
話しています。
今回、
見つかったのは
服部良一さんが
戦時中の
昭和15
年ごろに
歌手の
笠置シヅ子さんのために
書いた
曲の
楽譜や
歌詞などの
資料です。
東京都内の倉庫で古い封筒に入れられて保管されていたということで、歌詞などは服部さんの直筆で書かれています。
タイトルは「大空の弟」。戦後大ヒットした「東京ブギウギ」などでコンビを組んだ笠置さんが戦地に赴いて亡くなった弟を思う心情がつづられていて、歌詞には「まぶたに浮かぶ弟よ」などと書かれています。
戦時中、2人によるジャズなどを取り入れた歌は「敵国アメリカのものだ」として規制されたためか、曲には軍歌のような部分もあり2人のほかの歌とは大きく異なっています。
音源が全く残されておらず、これまで「幻の作品」とされてきました。
昭和の大衆音楽に詳しい大阪大学文学部の輪島裕介准教授は、「戦時中、笠置シヅ子が慰問などで歌えるように服部良一が曲を書いて贈ったのではないか。とても興味深い発見だ」と話しています。