Japanese News: 130年ぶりにキログラムの定義変更へ

130年ねんぶりにキログラムの定義ていぎ変更へんこうへ

Nov 17, 2018 07:11

Furigana

重おもさを量はかるときなどに使つかわれる質量しつりょうの単位たんい「キログラム」の定義ていぎが130年ねんぶりに変かわることが、フランスで開ひらかれた国際こくさい会議かいぎで決きまりました。私わたしたちのふだんの生活せいかつに影響えいきょうはありませんが、科学かがく的てきな分析ぶんせきなどをより正確せいかくに行おこなうことができるようになると期待きたいされています。質量しつりょうの単位たんい「キログラム」の定義ていぎは、1889年ねん以降いこう、フランスのパリ近郊きんこうに保管ほかんされている、「国際こくさいキログラム原器げんき」と呼よばれるプラチナとイリジウムを混まぜた合金ごうきんが基準きじゅんになってきました。

しかし、汚よごれや傷きずなどでごくわずかながら変化へんかすることがわかり、定義ていぎの見直みなおしが検討けんとうされてきました。

こうした中なか、パリ近郊きんこうのベルサイユで16日にち、長ながさなどの単位たんいの国際こくさい的てきな定義ていぎを決きめている国際こくさい度量衡どりょうこう局きょくが総会そうかいを開ひらき、「キログラム」や電流でんりゅうの単位たんいの「アンペア」など４よっつの単位たんいの定義ていぎを変かえることを決きめました。

このうち「キログラム」は、原子げんしの重おもさを基準きじゅんとするものになります。

新あたらしい定義ていぎは、世界せかい計量けいりょう記念きねん日びに合あわせて来年らいねん５月ごがつ20日にちから適用てきようされ、この結果けっか、「メートル」や時間じかんの「秒びょう」といった、基本きほん的てきな７ななつの単位たんいの定義ていぎはすべて、理論りろん上じょう変化へんかしないものになります。

今回こんかいの決定けっていは、私わたしたちのふだんの生活せいかつには直接ちょくせつ影響えいきょうしませんが、科学かがく的てきな分析ぶんせきなどをより正確せいかくに行おこなうことができるようになると期待きたいされています。

国際こくさい度量衡どりょうこう局きょく新あたらしい定義ていぎに備そなえた準備じゅんび

世界せかいの１いちキログラムの基準きじゅんになっている「国際こくさいキログラム原器げんき」は、パリ近郊きんこうにある国際こくさい度量衡どりょうこう局きょくにあります。

基準きじゅんとなった1889年ねん以降いこう、公開こうかいされるのは年としに１いち度どだけで警備けいび上じょうの理由りゆうで保管ほかん場所ばしょは明あきらかにされず、厳重げんじゅうに保管ほかんされてきました。

こうした中なか、国際こくさい度量衡どりょうこう局きょくは新あたらしい定義ていぎに備そなえた準備じゅんびを進すすめています。

「国際こくさいキログラム原器げんき」に代かわるものとして、電磁でんじ力りょくを利用りようして新あたらしい定義ていぎに基もとづく１いちキログラムを正確せいかくに量はかることができる機械きかいの開発かいはつを進すすめています。

研究けんきゅう者しゃは「こうした機械きかいを使つかうことで、国際こくさいキログラム原器げんきに頼たよらなくても質量しつりょうを正確せいかくに量はかることができる」と話はなしています。

国際こくさい度量衡どりょうこう局きょくは、130年ねんをへて質量しつりょうがどれくらい変化へんかしたか、来年らいねん５月ごがつの定義ていぎの変更へんこう後ご、「国際こくさいキログラム原器げんき」を詳くわしく調しらべる方向ほうこうで検討けんとうしています。

「日本にっぽんが決定けってい的てきな役割やくわり」

総会そうかいでは、出席しゅっせきした54か国かこくの代表だいひょうが順じゅんに定義ていぎの見直みなおしへの賛否さんぴを表明ひょうめいし、全会ぜんかい一致いっちで見直みなおしが決きまると、会場かいじょうからは歓声かんせいがあがりました。

日本にっぽんの代表だいひょうとして出席しゅっせきした産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンターの臼田うすだ孝たかしセンター長ちょうは「定義ていぎの変更へんこうに貢献こうけんしてきた過去かこと現在げんざいの研究けんきゅう者しゃたちに感謝かんしゃしながら『イエス』と表明ひょうめいした。日本にっぽんがこの見直みなおしに決定けってい的てきな役割やくわりを果はたしたことは、日本にっぽんの産業さんぎょう界かいの総合そうごう力りょくが非常ひじょうに優すぐれていることの証あかしだと思おもう」と、喜よろこびを語かたりました。

そのうえで「大気たいき汚染おせん物質ぶっしつＰＭぴ-えむ2.5のような、非常ひじょうに小ちいさな物ものの質量しつりょうを量はかって正体しょうたいを突き止つきとめることは今いまの技術ぎじゅつでは難むずかしいが、今回こんかいの定義ていぎの改定かいていによって将来しょうらい的てきにそうしたことも可能かのうになる」と述のべ、計量けいりょうがより厳密げんみつになることは、環境かんきょうなど、身近みぢかな分野ぶんやの対策たいさくにもつながると指摘してきしました。