ガザ地区での停戦合意は、来月1日に期限を迎える第1段階でハマス側が人質33人を解放する一方、イスラエル側は刑務所などに収容しているパレスチナ人を順次、釈放することになっていて、双方は27日にかけ、予定されている最後の身柄の解放や釈放を行うものと見られています。
こうした中、イスラエルのメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」は26日、「さらに人質を解放するため、ハマスに来月8日まで時間を与える」とするイスラエル当局者の話を紹介し、第1段階が来月1日以降も延長されるのではないかという見通しを伝えました。
また、イスラエルのテレビ局も仲介国エジプトの当局者の話として、双方が第1段階の延長で大筋合意したほか、恒久的な停戦などを目指す第2段階に向けた協議が来月3日にもカイロで行われると伝えています。
協議にはアメリカのウィトコフ中東担当特使も参加する可能性があると報じられていますが、イスラエル側は軍をガザ地区から完全に撤退させる条件としてハマスに対し幹部の追放や武装解除などを求めていて、協議は難航することが予想されています。
トランプ大統領 SNSに動画投稿 復興後のガザ地区イメージか
アメリカのトランプ大統領は、復興後のガザ地区をイメージしたと見られる動画を25日、SNSに投稿しました。
生成AIによると見られる30秒余りの動画では、冒頭、がれきが散乱する現在のガザ地区を見せたあと、景色は一転して海岸に高層ビルが建ち並ぶリゾート地に変わります。
街にはトランプ氏の巨大な黄金の像が立ち、「トランプ・ガザ」と書かれた豪華な建物も現れます。
さらに、トランプ氏がイスラエルのネタニヤフ首相とともにプールサイドでくつろぐ姿や、実業家のイーロン・マスク氏が踊ったり地元の料理を食べたりする様子のほか、空から降ってくる紙幣に手を伸ばす子どもたちが描かれています。
そして、動画に合わせて流れる歌は「ドナルド・トランプがあなたを自由にする。もうトンネルも恐怖もない。金色の将来、新たな人生。トランプのガザが一番だ」などと歌っています。
ガザ地区について、トランプ大統領はアメリカが長期的に所有して再建すると主張し、住民を別の場所に移住させるべきだという考えを示していますが、中東やヨーロッパの国々からも国際法に違反するなどと批判の声が上がっています。