避難指示が解除されたのは、赤崎町
▽宿地区
▽後ノ入地区
▽森っこ地区
▽大洞地区
▽生形地区
▽山口地区の合わせて415世帯957人です。
一方、引き続き
赤崎町の
▽長崎地区
▽外口地区
▽蛸ノ浦地区
▽清水地区
▽永浜地区
▽大立地区
▽合足地区の7つの地区のほか
三陸町綾里全域
三陸町越喜来の
▽甫嶺東地区
▽甫嶺西地区
▽上甫嶺地区の3つの地区の合わせて1481世帯3639人に避難指示が出されています。
7日午前10時 道路の通行止めも一部解除
7日午前10時に防災行政無線で避難指示の一部解除が伝えられると、避難指示が解除された赤崎町につながる道路の通行止めが解除され、交通規制をしていた警察官が、通行止めを示す看板を撤去していました。
そして、車に乗った人たちが、避難指示が解除された地区に入っていきました。
避難していた男性“ふだんの生活に戻れるのが一番”
岩手県大船渡市で続く山林火災で、避難指示が解除された赤崎町後ノ入地区では、避難所や親戚の家などに避難していた人たちが次々と自宅に戻っています。
NHKの取材班が地区内を取材したところ、いまのところ、住宅などの建物への被害は確認されませんでした。
また、地区から見える範囲の山肌にも燃えたようなあとは見られませんでした。
親戚の家に避難していた60代の男性は「火の手が自宅まで及ぶのではないかとずっと不安でした。避難指示の解除はもう少し時間がかかるのではないかと思っていたので、びっくりしましたが安心しました。通常の生活に戻れるのが何より一番です」と話していました。
避難している男性“避難指示に解除 心待ちにしている”
岩手県大船渡市で続く山林火災で、避難所となっている三陸町の越喜来小学校では、7日午前10時に防災行政無線で赤崎町の6つの地区の避難指示解除が伝えられました。
三陸町越喜来の甫嶺地区から避難している70代の男性は「煙も見えなくなったので、自分の家がある地区も避難指示が解除されることを心待ちにしている。避難所の設備もいいが、家の布団で寝るのが一番」と話していました。
岩手 大船渡市長“避難所 きめ細かく支える”
岩手県大船渡市の渕上清 市長は、7日午前赤崎町の6つの地区の避難指示を解除したことについて、記者会見で「火災予防に十分注意して、生活を再開してほしい」とした上で、「家に戻った方と避難所生活が長引かざるを得ない方で、生活環境が違ってくる。その違いを埋めていくのが我々の仕事で、避難所で避難されている方をきめ細かく支えていきたい」と述べました。
また「市民の生活をいち早く戻したいというのが、一番の願いだ。これから家に帰って、なりわいの再生も含めてスタートとなる。これからも解除地域が広がっていくことを切に願っている」と述べました。
このほか、火災が激しかったことなどから、2月27日以降直接の消火活動に当たっていない地元の消防団について、「避難解除地域では、火災予防に徹した広報や警戒という本来の活動の軸に戻るので、さらなる活動に期待したい」と述べました。
避難所で車中泊に疲労の声 市が注意呼びかけ
岩手県大船渡市で続く山林火災で避難生活が長引く中、ペットがいることなどから避難所には車中泊を続ける人がいて、疲労の声が聞かれました。
大船渡市で続く山林火災では、6日夜の時点で1240人余りが、福祉避難所を含む市内12か所の避難所で生活しています。
このうち三陸町の「三陸公民館」にはおよそ240人が避難していて、7日午前7時の時点で、少なくとも15人ほどが駐車場の車の中で過ごしていました。
70代の男性は、火災発生直後から犬を連れて妻とともに車で寝泊まりしていて、「寒い日があり、車では寝返りが打てずしんどい。睡眠不足でつらい」と話していました。
また、同じく犬を連れた女性は、「犬と過ごせる場所が避難所になく、負担を考えると車中泊がベストだ。ただ、動き回れないのでストレスがあり、疲れているようだ」と犬の体調を心配していました。
その上で、「東日本大震災の時に、車中泊の人が亡くなった話を聞いたので、日中は散歩などで体を動かすようにしている。車中泊にも慣れてきたが、早く自宅に帰りたい」と話していました。
大船渡市は、同じ姿勢を続けると血流が悪くなり「エコノミークラス症候群」の危険性が高まるとして
▽保健師などが避難所を巡回して健康確認を行っているほか
▽適切な水分補給や運動をするように呼びかけています。
避難指示解除の地区に車が入る
7日午前10時半から11時ごろにかけて、NHKのヘリコプターが岩手県大船渡市赤崎町を上空から撮影した映像では、避難指示が解除された地区に車が入っていく様子が確認できました。
一方、避難指示が続いている三陸町綾里では、山肌に沿って多くの建物が焼け落ちている様子が見られました。
東京 岩手のアンテナショップで特産わかめ販売
山林火災が続く岩手県大船渡市の特産のわかめが都内で販売され、訪れた人たちが現地の生産者などに対し応援の声を寄せていました。
東京 銀座にある岩手県のアンテナショップでは、6日と7日の2日間、山林火災が続く大船渡市で火災前に収穫された特産のわかめを現地の生産者などが販売しています。
7日午前10時半に店がオープンすると、多くの人がわかめを買い求めていました。
訪れた人からは、「頑張って」という声かけが相次ぎ、これに対し、現地の生産者などは「ありがとうございます。頑張ります」などと笑顔で応えていました。
千葉県から訪れたという60代の女性は「少しでもできることがあったらと思って買いにきました。三陸のわかめはすごくおいしいので心から応援しています。地元の方にはどうか頑張ってほしい」と話していました。
大船渡市で水産会社を経営する佐々木晶生さんは「みなさんから励ましや応援のメッセージをたくさんいただき、これから頑張ろうという気持ちになりました」と話していました。
売り上げの一部は大船渡市に寄付されるということです。