藤井ふじい聡さとし太たい八はち冠かん 「竜王りゅうおう戦せん」3連覇れんぱ 今年度こんねんど4つ目めのタイトル防衛ぼうえい

「竜王りゅうおう戦せん」七なな番ばん勝負しょうぶは、ここまで藤井ふじい八はち冠かんが3連勝れんしょうとタイトル防衛ぼうえいまであと1勝しょうに迫せまっていました。

第だい4局きょくは10日にちに北海道ほっかいどう小樽おたる市しで始はじまり、2日にち目めの11日にちは後手ごての伊藤いとう七なな段だんが前日ぜんじつの対局たいきょく終了しゅうりょう時じに次つぎの1手てを書かいた「封じ手ふうじて」から再開さいかいし、伊藤いとう七なな段だんが大だい駒こまの「飛車ひしゃ」を取とります。

しかし、その後そのご伊藤いとう七なな段だんはおよそ2時間じかん半はんの長考ちょうこうを挟はさむなど持ち時間もちじかんを減へらす一方いっぽうで、藤井ふじい八はち冠かんは相手あいての攻撃こうげきを的確てきかくに受うけとめて持ち駒もちごまを増ふやし、形勢けいせいを有利ゆうりにします。

粘ねばる伊藤いとう七なな段だんでしたが、藤井ふじい八はち冠かんが「と金ときん」や「馬うま」などで追い詰おいつめると、午後ごご5時じ32分ふん、129手てまでで投了とうりょうしました。

この結果けっか、藤井ふじい八はち冠かんが4勝しょう0敗はいで七なな番ばん勝負しょうぶを制せいして「竜王りゅうおう戦せん」3連覇れんぱを果はたし、保持ほじする8つのタイトルのうち「叡あきら王おう」「棋聖きせい」「王位おうい」に続つづく今年度こんねんど4つ目めのタイトル防衛ぼうえいに成功せいこうしました。

一方いっぽう、伊藤いとう七なな段だんは、同い年おないどしの藤井ふじい八はち冠かんを相手あいてに初はじめてのタイトル獲得かくとくを目指めざしましたが、白星しろぼしをあげることはできませんでした。

藤井ふじい八はち冠かんは先月せんげつ、史上しじょう初はつの八はち大だいタイトル独占どくせんを果はたし、これまでに臨のぞんだタイトル戦せんはいずれも制せいしています。

タイトルの連続れんぞく獲得かくとく期き数すうは「19期き」となり、これは大山おおやま康晴やすはる十じゅう五ご世せい名人めいじんと並ならんで歴代れきだい1位いの記録きろくとなります。

藤井ふじい八はち冠かんは、年内ねんないのタイトル戦せんはすべて終おえ、来年らいねん1月つき以降いこう「王将おうしょう戦せん」などの防衛ぼうえい戦せんに臨のぞみます。

藤井ふじい八はち冠かん「結果けっかを出だせたことはよかった」

対局たいきょくのあと、藤井ふじい八はち冠かんは「中盤ちゅうばんの難むずかしい局面きょくめんで方針ほうしんが分わからなくなり、苦くるしくしてしまったところもありましたが、そのあと受うけに回まわってチャンスの来くる展開てんかいにできたのかなと思おもいます。まだ実感じっかんはないですが『竜王りゅうおう戦せん』3連覇れんぱという結果けっかを出だせたことはよかった」と振り返ふりかえっていました。

また、今回こんかいの七なな番ばん勝負しょうぶの間まに八はち大だいタイトル独占どくせんを果はたし、心境しんきょうの変化へんかがあったか聞きかれると「全まったく意識いしきせずにずっと第だい1局きょくから同おなじ気持きもちで臨のぞめればと思おもっていました」と話はなしていました。

一方いっぽう、敗やぶれた伊藤いとう匠たくみ七なな段だんは「1日にち目めから終盤しゅうばん戦せんになりましたが、相手あいて玉だまへの迫せまり方かたを間違まちがえてしまいました。シリーズを通をとおして自分じぶんの力不足ちからぶそくが顕著けんちょになったと思おもいます。藤井ふじい八はち冠かんの強つよさを感かんじて勉強べんきょうになりました。これを糧かてに今後こんごも精進しょうじんしていきたい」と話はなしていました。

藤井ふじい八はち冠かん 会見かいけんで「純粋じゅんすいに対局たいきょくに集中しゅうちゅうできた」

将棋しょうぎの八はち大だいタイトルの最高さいこう峰ほう「竜王りゅうおう戦せん」3連覇れんぱを果はたした藤井ふじい聡さとし太たい八はち冠かん（21）が記者きしゃ会見かいけんし「大だい舞台ぶたいを意識いしきせずに純粋じゅんすいに対局たいきょくに集中しゅうちゅうできた」と伊藤いとう匠たくみ七なな段だん（21）とのタイトル戦せんを振り返ふりかえりました。

藤井ふじい八はち冠かんは10日にちと11日にちの2日間にちかんにわたり、北海道ほっかいどう小樽おたる市しで行おこなわれた「竜王りゅうおう戦せん」七なな番ばん勝負しょうぶの第だい4局きょくで、挑戦ちょうせん者しゃの伊藤いとう七なな段だんに勝かって4勝しょう0敗はいで防衛ぼうえいを果はたしました。

藤井ふじい八はち冠かんは対局たいきょくを終おえて記者きしゃ会見かいけんし「第だい4局きょくは苦くるしい局面きょくめんもありましたが、シリーズ全体ぜんたいとしては比較的ひかくてきうまく指させた将棋しょうぎが多おおかったと感かんじています」と振り返ふりかえりました。

そのうえで伊藤いとう七なな段だんとの“同どう学年がくねん対決たいけつ”について「伊藤いとう七なな段だんとは子こどものころに大会たいかいで対戦たいせんしたこともあるので『竜王りゅうおう戦せん』という大おおきな舞台ぶたいではありましたが、あまりそういったことを意識いしきせずに、純粋じゅんすいに対局たいきょくに集中しゅうちゅうできたと感かんじています。伊藤いとう七なな段だんの強つよさを感かんじた場面ばめんも多おおく、今後こんごも対戦たいせんすると思おもうのでこれからもしっかり取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

また、タイトルの連続れんぞく獲得かくとく期き数すうが大山おおやま康晴やすはる十じゅう五ご世せい名人めいじんと並ならぶ歴代れきだい1位いの「19期き」となったことについて「全まったく知しりませんでしたが、大山おおやま先生せんせいに並ならぶことができたのは光栄こうえいに思おもいます。ただ、これまでのタイトル戦せんを振り返ふりかえると紙一重かみひとえの中なかで結果けっかが幸さいわいしたものばかりだったと思おもうので、今後こんごも記録きろくは意識いしきせずにタイトル戦せんに臨のぞめればと思おもいます」と話はなしていました。