全国ぜんこく一斉いっせい休校きゅうこうから３さん週間しゅうかん 見みえてきた学童がくどう保育ほいくの課題かだい

通常つうじょうは職員しょくいん５ご人にんで子こどもたちの面倒めんどうを見みていますが、通常つうじょうの放課ほうか後ごに加くわえて午前ごぜん中ちゅうから開所かいしょするには人手ひとでが足たりず、地域ちいきで子こどもの見守みまもり活動かつどうをしている人ひとたち８はち人にんにも加くわわってもらいました。

それでも、登録とうろくしている27人にんの子こどもたちを全員ぜんいん朝あさから受け入うけいれることはできず、自宅じたくで保護ほご者しゃなどが面倒めんどうを見みられる子こどもは利用りようの自粛じしゅくを呼よびかけていて、19日にちは10人にんほどの子こどもたちが過すごしていました。

さらに現場げんばの負担ふたんを増ましているのが感染かんせん症しょう対策たいさくです。

所沢ところざわ市しからは１いち日にち１いち回かい、ドアノブやおもちゃなどを消毒しょうどくするよう求もとめられていますが、追おいつかないのが現状げんじょうだということで、この日ひも２に人にんがかりで作業さぎょうにあたっていました。

消毒しょうどく作業さぎょうにあたっていた女性じょせいは「消毒しょうどく用ようのアルコールは１いちか月かげつ分ぶんほどしかストックが無なく、それも半分はんぶんほど使つかってしまいました。業者ぎょうしゃに発注はっちゅうはしていますが、入荷にゅうかのめどがたたず不安ふあんです」と話はなしていました。

政府せいふは全国ぜんこく一律いちりつの休校きゅうこう要請ようせいは延長えんちょうしない方針ほうしんですが、具体ぐたい的てきに学校がっこうを再開さいかいするかどうかの判断はんだんについては、来週らいしゅうにもガイドラインを公表こうひょうするとしてまだわかっていません。

中富なかとみほうかご広場ひろばのリーダー壹岐いき真しん裕ひろしさん「どこまで対策たいさくすれば安全あんぜんなのかがわからず、手探てさぐりでの対応たいおうが続つづいている。職員しょくいんも子こどもたちも少すこしずつストレスがたまって来きているので、今後こんごの見通みとおしが知しりたいです」と話はなしていました。

また、学童がくどう保育ほいくを利用りようする１いち年生ねんせいの女子じょし児童じどうの母親ははおやは、「学童がくどうでは、午前ごぜん中ちゅうに30分ぶんの自習じしゅう時間じかんがあるだけなので、学習がくしゅう面めんの遅おくれが不安ふあんです。また、５ご年生ねんせいの長女ちょうじょは自宅じたくで留守番るすばんをしていますが、安全あんぜんに出でかけられる場所ばしょがわからないため、携帯けいたい電話でんわで動画どうがを一いち日にち中ちゅう見みてしまうなど生活せいかつの乱みだれも心配しんぱいしています。いつ元げんの生活せいかつに戻もどれるのか不安ふあんです」と話はなしていました。

学童がくどういきさつと現状げんじょうまとめ

政府せいふが臨時りんじ休校きゅうこうの方針ほうしんを打ち出うちだしたのは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけた先月せんげつ27日にち、翌週よくしゅうの今月こんげつ２に日にちから全国ぜんこくの小中しょうちゅう学校がっこう、それに高校こうこうなどを春休はるやすみに入はいるまで休やすみにするよう関係かんけい機関きかんに要請ようせいしました。

一方いっぽう、学童がくどう保育ほいくについては留守番るすばんが困難こんなんな低てい学年がくねんの児童じどうを受け入うけいれているため、学校がっこうとは違ちがった対応たいおうが必要ひつようだとして、原則げんそく、開所かいしょするよう求もとめました。

これを受うけ全国ぜんこくの学童がくどう保育ほいくでは、平日へいじつの午前ごぜん中ちゅうから子こどもたちの受け入うけいれを迫せまられることになり、急きゅうきょ人員じんいんの確保かくほなど態勢たいせいづくりに追おわれました。

また厚生こうせい労働ろうどう省しょうは感染かんせん拡大かくだいを防ふせぐ観点かんてんから、できるかぎり子こどもどうしが接触せっしょくしないよう配慮はいりょすることや換気かんきを１いち時間じかんに１いち回かい程度ていど行おこなうこと、それに感染かんせん源げんになりやすいドアノブや手てすり、スイッチなどを１いち日にち１いち回かい以上いじょう消毒しょうどくすることなどを求もとめています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうが臨時りんじ休校きゅうこうに伴ともなって、子こどもたちの日ひ中ちゅう過すごす場ばをどのように確保かくほしているのか、今月こんげつ16日にちの時点じてんで全国ぜんこくの市区しく町村ちょうそんに問い合といあわせたところ、学童がくどう保育ほいくを午前ごぜん中ちゅうから開設かいせつして子こどもを受け入うけいれている自治体じちたいが最もっとも多おおく、1108に上のぼりました。

また、学校がっこうの空あき教室きょうしつなどと学童がくどう保育ほいくを併用へいようしている自治体じちたいが303、放課ほうか後ごに学童がくどう保育ほいくが開所かいしょするまでの時間じかん小学校しょうがっこうの施設しせつで預あずかっている自治体じちたいが98などとなっています。

一方いっぽう、感染かんせん拡大かくだいを防止ぼうしする観点かんてんから学童がくどう保育ほいくを休きゅう所しょしている自治体じちたいは、北海道ほっかいどうや千葉ちば県けん、奈良なら県けんなど13の道みちと県けんに上のぼっています。

提言ていげん「感染かんせん拡大かくだいでは休校きゅうこう選択せんたく肢し」

新型しんがたコロナウイルスの対策たいさくについて話し合はなしあう政府せいふの専門せんもん家か会議かいぎは、19日にち、これまでの臨時りんじ休校きゅうこうの効果こうかについて、北海道ほっかいどうではほかの取り組とりくみと相あいまって一定いっていの効果こうかが現あらわれているとして「感染かんせん状況じょうきょうが拡大かくだい傾向けいこうにある地域ちいき」では、一定いってい期間きかん、休校きゅうこうにすることも選択肢せんたくしと考かんがえられるという分析ぶんせき結果けっかを示しめしました。

そのうえで、春休はるやすみ明あけ以降いこうの学校がっこうについて地域ちいきごとのまん延まんえん状況じょうきょうを踏ふまえることが重要じゅうようだとして、感染かんせんが拡大かくだい傾向けいこうにある地域ちいきは、独自どくじのアラートや、外出がいしゅつなどの一律いちりつの自粛じしゅくの必要ひつよう性せいを検討けんとうし、期間きかんを十分じゅうぶんに見極みきわめて導入どうにゅうするよう求もとめる一方いっぽう、感染かんせんが確認かくにんされていない地域ちいきでは、学校がっこうの活動かつどうなどで、リスクの低ひくい活動かつどうから実施じっししてほしいとしています。政府せいふは臨時りんじ休校きゅうこうについて専門せんもん家か会議かいぎの提言ていげんを基もとに、今後こんごの対応たいおうを検討けんとうすることにしています。

専門せんもん家か「学童がくどう支援しえん策さく見直みなおしを」

日本にっぽん学童がくどう保育ほいく学会がっかいの代表だいひょう理事りじで、明星みょうじょう大学だいがく垣内かきうち国光くにみつ名誉めいよ教授きょうじゅは、「リスクを避さけるために休校きゅうこうになったが、学童がくどうに感染かんせんリスクがないとは言いい切きれず、ちぐはぐな措置そちだったと感かんじている。学童がくどう保育ほいくはもともと支援しえんが手薄てうすなため、今回こんかいの緊急きんきゅう対応たいおうで現場げんばは疲弊ひへいしていて、長期ちょうき化かすると非常ひじょうに厳きびしい状況じょうきょうだ」と指摘してきしました。

そのうえで、「共働ともばたらき家庭かていが増ふえる中なか、今回こんかいのような緊急きんきゅう時じに学童がくどう保育ほいくが機能きのうしないと社会しゃかい全体ぜんたいが困こまり、しわ寄しわよせが子こどもに行いくことになる。まずは、感染かんせん症しょう対策たいさくについて現場げんばまかせにせずに行政ぎょうせいの対応たいおうを強化きょうかするとともにこれを契機けいきに、安心あんしん安全あんぜんな学童がくどう保育ほいくになるよう抜本ばっぽん的てきに支援しえん体制たいせいを見直みなおすべきだ」と求もとめました。