鉄鋼てっこう輸入ゆにゅう制限せいげん ＥＵい-ゆ-・カナダ・メキシコにも高こう関税かんぜい トランプ政権せいけん

トランプ政権せいけんは、一時いちじ的てきに対象たいしょうから外はずしていたＥＵい-ゆ-やカナダ、メキシコに対にたいしても、１いち日にちから新あらたに高たかい関税かんぜいを課かすことを決きめました。

トランプ大統領だいとうりょうは、ＥＵい-ゆ-に対にたいする貿易ぼうえき赤字あかじが年間ねんかん１いち６ろく兆ちょう円えんを超こえていることなどに強つよい不満ふまんを示しめしてきました。

この決定けっていに対抗たいこうしＥＵい-ゆ-は、アメリカへ報復ほうふく関税かんぜいを課かす構かまえです。

また、アメリカは、ＮＡＦＴＡなふた＝北米ほくべい自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていの再さい交渉こうしょうで合意ごういの見通みとおしが不透明ふとうめいなカナダとメキシコにも高たかい関税かんぜいを課かすことを決きめましたが、協議きょうぎが続つづいている中なかでの決定けっていは強つよい反発はんぱつを招まねいています。

アメリカは、ＥＵい-ゆ-やカナダ、メキシコと協議きょうぎを続つづけるとしていますが、ともに自由じゆう貿易ぼうえきを推進すいしんしてきた国くにや地域ちいきへの一方いっぽう的てきな措置そちの発動はつどうで、貿易ぼうえき摩擦まさつの広ひろがりが懸念けねんされます。

一方いっぽう、当初とうしょから対象たいしょうにされてきた日本にっぽんについて、トランプ大統領だいとうりょうは、貿易ぼうえき赤字あかじの削減さくげんに向むけた具体ぐたい的てきな成果せいかが得えられれば除外じょがいを検討けんとうするとしており、当面とうめん、鉄鋼てっこう製品せいひんなどへの高たかい関税かんぜいが続つづく見通みとおしです。

米べいのロス商務しょうむ長官ちょうかん「幅広はばひろい国くに対象たいしょうに高こう関税かんぜいを課かす必要ひつよう」

今回こんかいの決定けっていについて、アメリカのロス商務しょうむ長官ちょうかんは、３さん１いち日にち、ＣＮＢＣテレビのインタビューで「鉄鋼てっこうの過剰かじょう生産せいさんは世界中せかいじゅうで見みられることだ。1つの国くにを対象たいしょうとするだけでは過剰かじょう生産せいさんの問題もんだいに対処たいしょできない」と述のべ、アメリカの産業さんぎょうを保護ほごするには過剰かじょう生産せいさんの原因げんいんとなっている中国ちゅうごくだけでなく幅広はばひろい国くにを対象たいしょうに高たかい関税かんぜいを課かす必要ひつようがあるという考かんがえを示しめしました。

そのうえで、ＥＵい-ゆ-＝ヨーロッパ連合れんごうが報復ほうふく措置そちをとる構かまえを示しめしていることについて、アメリカの経済けいざい規模きぼと比くらべ極きわめて小ちいさなものだとして、国内こくないへの影響えいきょうは小ちいさいと強調きょうちょうしました。

ＥＵい-ゆ-「米べいからの輸入ゆにゅうに関税かんぜいを課かす以外いがいに選択肢せんたくしない」

アメリカが鉄鋼てっこう製品せいひんなどに高たかい関税かんぜいを課かす輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちの対象たいしょうにＥＵい-ゆ-を含ふくめると決きめたことを受うけて、ＥＵい-ゆ-のユンケル委員いいん長ちょうは３さん１いち日にち、声明せいめいを出だし、「アメリカによる一方いっぽう的てきな関税かんぜいは正当せいとう化かできるものでなく、ＷＴＯだぶりゅ-てぃ-お-＝世界せかい貿易ぼうえき機関きかんのルールにも反はんする。純粋じゅんすいな保護ほご主義しゅぎだ」としてアメリカの決定けっていを批判ひはんしました。

そのうえで「ＷＴＯだぶりゅ-てぃ-お-に訴うったえるとともにアメリカからの輸入ゆにゅうに関税かんぜいを課かす以外いがいに選択肢せんたくしはない」として報復ほうふく措置そちを取とる考かんがえを示しめしました。

ＥＵい-ゆ-はすでに、ウイスキーのバーボンやハーレー・ダビッドソンといったアメリカを象徴しょうちょうする製品せいひんなどに報復ほうふく関税かんぜいを課かすとして対象たいしょう品目ひんもくのリストの草案そうあんを公表こうひょうしています。

一方いっぽうで、ＥＵい-ゆ-はアメリカが無む条件じょうけんでＥＵい-ゆ-を措置そちの対象たいしょうから除外じょがいするなら、アメリカからの自動車じどうしゃや液化えきか天然てんねんガスの輸入ゆにゅう拡大かくだいなどで、協議きょうぎに応おうじる準備じゅんびがあると呼よびかけてきました。

カナダ ７月しちがつ１いち日にちから報復ほうふく措置そち

カナダのトルドー首相しゅしょうは緊急きんきゅうに記者きしゃ会見かいけんし、「安全あんぜん保障ほしょうを理由りゆうとした今回こんかいのアメリカの措置そちは全まったく受け入うけいれられない。カナダからアメリカに輸出ゆしゅつされた鉄鋼てっこうやアルミニウムが安全あんぜん保障ほしょう上じょうの脅威きょういという主張しゅちょうは理解りかいしがたい」と述のべて、アメリカの対応たいおうを強つよく批判ひはんしました。

そのうえで、カナダは、７月しちがつ１いち日にちから報復ほうふく措置そちに踏み切ふみきることを発表はっぴょうしました。

具体ぐたい的てきには、カナダが被こうむる損失そんしつが１いち年間ねんかんで、日本にっぽん円えんにして１いち兆ちょう３さん０ぜろ０ぜろ０ぜろ億おく円えんあまりに上のぼると指摘してきし、同等どうとう額がくの損失そんしつをアメリカに与あたえるため、アメリカからの鉄鋼てっこうやアルミニウムなどに２に５ご％、オレンジジュースやチョコレートなどに１いち０ぜろ％の関税かんぜいをかけ、アメリカがカナダを対象たいしょうから外はずすまで続つづけるということです。

これらの製品せいひんはＮＡＦＴＡなふた＝北米ほくべい自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうていのもとで現在げんざいは関税かんぜいがかかっていません。

また、８はち日にちからカナダで開ひらかれるＧ７じ-せぶんサミットで議長ぎちょうを務つとめるトルドー首相しゅしょうは、トランプ大統領だいとうりょうも出席しゅっせきする見通みとおしだとしたうえで、「通商つうしょうや気候きこう変動へんどうについてＧ７じ-せぶん各国かっこくの考かんがえが一致いっちしていないことはわかっていた。率直そっちょくで真剣しんけんな話し合はなしあいをしたい」と述のべて、Ｇ７じ-せぶんサミットで通商つうしょう問題もんだいを議題ぎだいに取り上とりあげる考かんがえを示しめしました。

メキシコ外相がいしょう「米べい製品せいひんに報復ほうふく関税かんぜい」

メキシコのビデガライ外相がいしょうは３さん１いち日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし「アメリカ政府せいふによる鉄鋼てっこうとアルミニウムに対にたいする新あらたな関税かんぜいに断固だんことして反対はんたいする。アメリカからの輸入ゆにゅう品ひんに対にたいして同等どうとうの関税かんぜいを直ただちに採用さいようする」として、アメリカの決定けっていを批判ひはんしました。

そのうえで、アメリカがメキシコを措置そちの対象たいしょうから除外じょがいするまで、アメリカからの鉄鋼てっこう製品せいひんの一部いちぶ、リンゴ、ブドウ、チーズなどに対にたいし報復ほうふく措置そちとして関税かんぜいをかけることを明あきらかにしました。

全米ぜんべい商工しょうこう会議かいぎ所しょ「米国べいこく内ないの産業さんぎょうや雇用こように悪影響あくえいきょう」

今回こんかいの決定けっていについてアメリカの主要しゅような経済けいざい団体だんたい、全米ぜんべい商工しょうこう会議かいぎ所しょは、３さん１いち日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし、「このような措置そちは、アメリカの製造せいぞう業ぎょうの製造せいぞうコストを上昇じょうしょうさせる。アメリカの鉄鋼てっこう価格かかくは、すでにヨーロッパや中国ちゅうごくと比くらべ５ご０ぜろ％近ちかく高たかくなっている」と述のべ、鉄鋼てっこうの輸入ゆにゅう制限せいげん措置そちの拡大かくだいは、アメリカ国内こくないの産業さんぎょうや雇用こように悪あく影響えいきょうを与あたえると訴うったえました。

そのうえで、「今回こんかいの対象たいしょうの拡大かくだいによって幅広はばひろい報復ほうふく措置そちを招まねくことは確実かくじつで、税制ぜいせい改革かいかくや規制きせい改革かいかくによって拡大かくだいしてきた経済けいざいはリスクにさらされる。このリスクを真剣しんけんに受け止うけとめるようトランプ政権せいけんに要請ようせいする」と述のべ、決定けっていの見直みなおしを強つよく求もとめました。