米べい 温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつ量りょう“2030年ねんまでに半減はんげん” 新あらたな目標もくひょう表明ひょうめいへ

サミットは2日間にちかんの日程にっていで40の国くにと機関きかんなどの代表だいひょうが温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげんに向むけた対応たいおうを協議きょうぎし、最初さいしょのセッションには菅かん総理そうり大臣だいじんや中国ちゅうごくの習近平ちから国家こっか主席しゅせき、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうをはじめヨーロッパ各国かっこくなど26の国くにと地域ちいきの首脳しゅのうと国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうが出席しゅっせきします。

アメリカ政府せいふ高官こうかんによりますとバイデン大統領だいとうりょうはこの場ばで自国じこくの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうを2030年ねんまでに2005年ねんと比くらべて50％から52％削減さくげんする新あらたな目標もくひょうを表明ひょうめいする方針ほうしんです。

アメリカの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうについては2015年ねん、当時とうじのオバマ政権せいけんが2025年ねんまでに2005年ねんと比くらべて26％から28％削減さくげんする目標もくひょうを国連こくれんに提出ていしゅつしていて、新あらたな目標もくひょうはこれを大幅おおはばに引き上ひきあげています。

バイデン大統領だいとうりょうは気候きこう変動へんどうを地球ちきゅう規模きぼの重大じゅうだいな危機ききだとしてその対応たいおうを最さい重要じゅうよう課題かだいの1つに位置いちづけていて、温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげん目標もくひょうを大幅おおはばに引き上ひきあげることで、国内こくないの機運きうんを高たかめるとともに各国かっこくのさらなる取り組とりくみを促うながしたい考かんがえです。

またバイデン政権せいけんは「パリ協定きょうてい」で示しめされた世界せかい全体ぜんたいの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうを今世紀こんせいき後半こうはんに実質じっしつ的てきにゼロにするという目標もくひょうの達成たっせいには、世界せかい最大さいだいの排出はいしゅつ国こくである中国ちゅうごくの協力きょうりょくが不可欠ふかけつだという立場たちばで、今回こんかいのサミットの開催かいさいを通をつうじて国際こくさい的てきな指導しどう力りょくを示しめし、中国ちゅうごくにも対応たいおうを求もとめるねらいもあるとみられます。

柱はしらとしているのが風力ふうりょくや太陽光たいようこうといった再生さいせい可能かのうエネルギーの普及ふきゅうや次世代じせだいのエネルギーとして期待きたいされている水素すいその技術ぎじゅつ開発かいはつなどです。

このうち再生さいせい可能かのうエネルギーは、EU全体ぜんたいで電力でんりょくに占しめる割合わりあいが2018年ねんの時点じてんで30％を超こえていますが、洋上ようじょうでの大だい規模きぼな風力ふうりょく発電はつでん所しょの設置せっちなどを進すすめ、2030年ねんには65％以上いじょうになるのを目指めざしています。

水素すいそについてはフランスとドイツが2020年ねん、それぞれ戦略せんりゃくを発表はっぴょうし、両国りょうこくで合あわせて160億おくユーロ、日本にっぽん円えんで2兆ちょう円えん余あまりを投資とうしして、水素すいそを燃料ねんりょうとする飛行機ひこうきやトラックなどの開発かいはつや、製造せいぞう時じに温室おんしつ効果こうかガスを排出はいしゅつしない「グリーン水素すいそ」の生産せいさん拠点きょてんの建設けんせつなどを通をつうじて、技術ぎじゅつ開発かいはつを加速かそくさせようとしています。

さらに、EUでは温暖おんだん化か対策たいさくを進すすめることで域内いきないの産業さんぎょうの国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくが失うしなわれないように、対策たいさくが不十分ふじゅうぶんな国くにからの輸入ゆにゅう品ひんに関税かんぜいなどをかけるしくみ「炭素たんそ国境こっきょう調整ちょうせい措置そち」の導入どうにゅうも検討けんとうされています。

EUでは、天候てんこうなどに左右さゆうされる再生さいせい可能かのうエネルギーの安定あんてい的てきな供給きょうきゅうを実現じつげんしていくことやドイツやポーランドなど石炭せきたん火力かりょく発電はつでんに電力でんりょくを依存いぞんしている国くにが国内こくない外がいで求もとめられている「脱だつ石炭せきたん」をすみやかに進すすめられるかが大おおきな課題かだいとなっています。

また「炭素たんそ国境こっきょう調整ちょうせい措置そち」をめぐっても保護ほご主義しゅぎにつながり国際こくさい的てきな対立たいりつを招まねきかねないといった懸念けねんも出でています。

国連こくれんは、世界せかいの平均へいきん気温きおんの上昇じょうしょうを産業さんぎょう革命かくめい前まえに比くらべて1.5度どに抑おさえるためには2030年ねんまでに排出はいしゅつ量りょうを45％削減さくげんする必要ひつようがあるとしています。

各国かっこくの間までは、2050年ねんまでに排出はいしゅつ量りょうの「実質じっしつゼロ」を目指めざすことを表明ひょうめいするとともに、中間ちゅうかん的てきな位置いちづけとなる2030年ねんまでの目標もくひょうを引き上ひきあげる動うごきも相次あいついでいます。

去年きょねん、▼EU＝ヨーロッパ連合れんごうは2030年ねんまでに排出はいしゅつ量りょうを1990年ねんに比くらべて少すくなくとも55％削減さくげん、▼イギリスは少すくなくとも68％削減さくげんするといずれも目標もくひょうを引き上ひきあげ、さらにイギリスは今月こんげつ、2035年ねんまでに78％削減さくげんするとの新あらたな目標もくひょうを発表はっぴょうしました。

▼また最大さいだいの排出はいしゅつ国こくである中国ちゅうごくも去年きょねん、二に酸化さんか炭素たんその排出はいしゅつ量りょうが2030年ねんまでにピークに達たっするようにすることを掲かかげ、GDP＝国内こくない総そう生産せいさんあたりの排出はいしゅつ量りょうも2030年ねんまでに2005年ねんに比くらべて65％以上いじょう削減さくげんすると表明ひょうめいしました。

▼ロシアは「2030年ねんまでに1990年ねんに比くらべて70％削減さくげんする」とする目標もくひょうを去年きょねん国連こくれんに提出ていしゅつしたほか、▼インドは「2030年ねんまでにGDPあたりの排出はいしゅつ量りょうを2005年ねんに比くらべて33％から35％削減さくげんする」という目標もくひょうを掲かかげています。

国連こくれんは、各国かっこくが去年きょねん末まつまでに提出ていしゅつした削減さくげん目標もくひょうを積み上つみあげても、現状げんじょうでは気温きおんの上昇じょうしょうを1.5度どに抑おさえることは困難こんなんだとしてことし2月つき、さらなる目標もくひょうの引き上ひきあげを呼よびかけていました。