逮捕されたのは、いずれも札幌市白石区に住むトレーダー、竹内光昭容疑者(49)と、自動車販売業、長谷将昭容疑者(58)です。
警察によりますと、去年5月に札幌市内で行われたアイドルグループ「WEST.」のコンサートをめぐって、ファンクラブのサイトにうその情報で会員登録し、チケットを不正に購入したとして、電子計算機使用詐欺の疑いが持たれています。
また、グループのファンの20代の女の容疑者2人も、不正に購入したチケットを、ファンなどに正規の2倍以上の価格で転売したなどとして、チケット不正転売禁止法違反などの疑いで逮捕されました。
4人は調べに対し、いずれもおおむね容疑を認めているということです。
警察によりますと、竹内容疑者と長谷容疑者は、チケットの抽選に当たる確率を上げるため、複数のアイドルグループのファンクラブに、およそ8000人分のうその会員登録をして、去年までの2年間に、およそ2億円を売り上げていたということです。
警察は、4人が不正な転売を繰り返していたとみて、詳しく調べています。
ネット上ではチケットの高額売買も
インターネット上には、チケットの売買が行われるサイトが多くあり、アイドルグループなどのコンサートチケットが多数、売りに出されています。
中には、定価が9000円程度のチケットを7万5000円と、倍以上で売り出しているものもありました。
また、SNSの「X」には、「譲ってほしい」や「譲ります」などとチケットのやり取りに関する投稿が多数、確認できます。
投稿には、アーティストやコンサートの名前のほか、定価の何倍までならすぐに売る意思があるかを示しているとみられる「即7」とか「即3.5」などといった内容が書かれています。
◇不正転売の手口は
転売の仕組みです。
容疑者らは、まず複数のアイドルグループのファンクラブに他人の名前でうその会員登録をしていました。
その数は少なくとも8000人分に上り、この会員のアカウントを使ってコンサートの抽選に応募し、当選したチケットをSNSや転売サイトを介して正規の値段の2倍から3倍で販売していました。
人気アイドルグループの多くは転売防止のため、当選者本人の会員IDとパスワードを使わないとチケットが表示されず、複写もできない特殊なQRコードが使われ、会場の入り口でチケットに交換する仕組みになっていましたが、容疑者らは、自分たちが会場に出向いてチケットを手渡すほか、会員IDやパスワードを伝えるなどしていました。
“純粋に応援している人や アイドル側にも失礼”
別のアイドルグループのコンサートによく参加するという女子大学生は、NHKの取材に対し、転売サイトで購入したことはないものの、サイトを見て購入を検討したことはあるといいます。
そのうえで「友人などは転売サイトを利用しているし、実際に会場にいくと、ある場所で集まってスマートフォンを操作している人が一定数いて、高額で席を転売しているのを見たことがある」と話していました。
また「私も3つのアイドルグループのファンクラブに加入しているが、抽選に当たらないことのほうが多い。自分の『推し』を見るために、ふだんの生活を頑張れているのに、転売目的で大量に購入するのはよくない行為だと思うし、純粋に応援している人やアイドル側にも失礼だ」と話していました。
専門家 “定価の5倍10倍で出品 日常茶飯事に”
ネット上の法律問題に詳しい福井健策弁護士は、不正転売は新型コロナの影響が少なくなった去年、2023年ごろから、目立つようになったと話します。
福井弁護士はと話していました。
そのうえでと話していました。