特別背任の
疑いで
再逮捕された
日産自動車のゴーン
前会長がみずからに
資金を
還流させる
際に
使ったとみられるペーパーカンパニーは、
前会長と
親しいレバノン
人の
弁護士が
設立に
関わっていたことが
関係者への
取材で
分かりました。
この弁護士の
事務所の
パソコンにはゴーン
前会長が
送金を
指示するメールが
残されていたということで、
東京地検特捜部が
不透明な
資金の
流れの
解明を
進めています。
日産自動車の
前会長カルロス・ゴーン
容疑者(65)は、オマーンの
販売代理店に
日産から
支出させた
資金の
一部を
私的に
流用したとして、
特別背任の
疑いで
東京地検特捜部に
再逮捕されました。
関係者によりますと、前会長は10社以上のペーパーカンパニーを実質的に保有し、この一部を使って日産の資金をみずからに還流させていた疑いがあるということですが、こうしたペーパーカンパニーの設立に前会長と親しいレバノン人の弁護士が関わっていたことが分かりました。
弁護士はゴーン前会長と同じ学校の出身でおととし亡くなりましたが、ペーパーカンパニーの多くはこの弁護士のレバノンの事務所に登記され、事務所のパソコンにはゴーン前会長が送金を指示したり、弁護士の後任の担当者から資金移動の報告を受けたりするメールが残されていたということです。
特捜部は、ゴーン前会長が親しい弁護士らの協力を得て、日産の資金を不正に還流させていたとみて実態解明を進めています。
フランスでも検察が捜査
ゴーン前会長をめぐっては、経営トップを務めていたフランスのルノーも内部調査の結果を受けて、検察に通報しています。
ルノーは、今月3日、ゴーン前会長をめぐって、社内で不正がなかったか内部調査を進めた結果、ルノーの取引先であるオマーンの販売代理店への支払いに不審な点が見つかり、フランスの検察当局に通報したと発表しました。
フランスのメディアは、代理店への支払いの一部がレバノンにあるゴーン前会長の知人が関わる会社に流れていたと伝えています。
ルノーは、ゴーン前会長がフランスのベルサイユ宮殿で開いた自身の結婚披露宴に会社の資金が流用された疑いについても検察に通報していて、検察当局は、ことし2月、背任などの疑いで予備的な捜査を始めています。