イラン ウラン濃縮のうしゅく度ど「制限せいげん超こえた」

８はち日にち、イラン原子力げんしりょく庁ちょうの報道ほうどう官かんはテレビのインタビューでウランの濃縮のうしゅく度どが合意ごういで決きめられた制限せいげんの3.67％を超こえたと明あきらかにしました。そのうえで、次つぎの措置そちについて「ウランの濃縮のうしゅく度どを20％に引き上ひきあげることが選択肢せんたくしとして挙あがっている」と述のべて、濃縮のうしゅく度どをさらに大幅おおはばに引き上ひきあげることも辞じさない構かまえを示しめしました。

イラン市民しみん 政府せいふ支持しじの声こえ 今後こんごの懸念けねんも

イラン政府せいふがウランの濃縮のうしゅく度どを引き上ひきあげたことについて市民しみんからは、政府せいふの対応たいおうを支持しじする声こえが聞きかれました。

このうち61歳さいの男性だんせいは「イランは核かく合意ごういのすべての義務ぎむを履行りこうしてきたにも関かかわらず、ほかの参加さんか国こくは守まもってきませんでした。両者りょうしゃが合意ごうい事項じこうを守まもる必要ひつようがあり、政府せいふの対応たいおうを支持しじします。ただ、事態じたいを深刻しんこくなものにしないよう注意ちゅういも必要ひつようです」と話はなしていました。

また、50歳さいの女性じょせいは「アメリカが科かしている制裁せいさいは公平こうへいではありません。行動こうどうを起おこすことで、今いまの状況じょうきょうは正ただしくないということを示しめすべきです」と話はなし、政府せいふの判断はんだんを評価ひょうかしていました。

一方いっぽう、19歳さいの男性だんせいは「濃縮のうしゅく度どを上あげたことでさらに制裁せいさいが強化きょうかされ、イランの経済けいざいがより深刻しんこくな状況じょうきょうにならないか心配しんぱいです。経済けいざいの悪化あっかで影響えいきょうを受うけるのは国民こくみんです」と話はなし、アメリカがさらに圧力あつりょくを強化きょうかするのではないかと心配しんぱいしていました。

中国ちゅうごく報道ほうどう官かん「米べいによる極限きょくげんの圧力あつりょくが危機ききの根源こんげんだ」

中国ちゅうごく外務省がいむしょうの耿爽報道ほうどう官かんは８はち日にちの記者きしゃ会見かいけんで、イランがウランの濃縮のうしゅく度どの引き上ひきあげを発表はっぴょうしたことについて遺憾いかんの意いを示しめしたうえで「関係かんけい各国かっこくには大局たいきょくと長期ちょうき的てきな視点してんから抑制よくせいを保たもつよう呼よびかける」と述のべ、核かく合意ごういの参加さんか国こくとして各国かっこくに合意ごういの枠組わくぐみを維持いじするよう求もとめました。そのうえで「アメリカがイランに対にたいし極限きょくげんの圧力あつりょくをかけていることがイランの核かく問題もんだいにおける危機ききの根源こんげんだ」と述のべ、核かく合意ごういを離脱りだつしイランに制裁せいさいを科かしたアメリカを批判ひはんしました。

今後こんご 欧州おうしゅうの出方でかたが焦点しょうてんに

イランが核かく合意ごういの義務ぎむの履行りこうを一部いちぶ停止ていしする形かたちでウランの濃縮のうしゅく度どの引き上ひきあげを発表はっぴょうしたことを受うけて、アメリカはさらに制裁せいさいを科かして圧力あつりょくを強つよめる構かまえで、今後こんごは核かく合意ごういに参加さんかするヨーロッパの国々くにぐにがイランへの有効ゆうこうな経済けいざい支援しえん策さくを打ち出うちだせるかが核かく合意ごういの枠組わくぐみの維持いじに向むけた焦点しょうてんとなります。

イランの核かく合意ごういをめぐり、イランは７なな日にち、約束やくそくされた経済けいざい的てきな利益りえきが得えられていないとして、合意ごういの義務ぎむの履行りこうを停止ていしする形かたちでウランの濃縮のうしゅく度どを引き上ひきあげると発表はっぴょうし、６ろく０ぜろ日にち後ごまでに状況じょうきょうが改善かいぜんされなければ再ふたたび、新あらたな義務ぎむの停止ていしに踏み切ふみきると警告けいこくしました。

イランのムサビ報道ほうどう官かんは８はち日にちの記者きしゃ会見かいけんで次つぎの措置そちについて「さらに強力きょうりょくで断固だんことした措置そちになる」と述のべてヨーロッパ側がわに対にたいし、実効じっこう性せいのあるイラン経済けいざいの支援しえん策さくを急いそぐよう強つよく求もとめました。

イランの措置そちを受うけてアメリカはトランプ大統領だいとうりょうが「よくないことだ。イランは気きをつけた方ほうがいい」と述のべていてイランに対にたいしさらなる制裁せいさいを科かして圧力あつりょくを強つよめる構かまえです。

これに対にたいして核かく合意ごういに参加さんかしているイギリス、フランス、ドイツの３さんか国かこくは非難ひなんや懸念けねんを表明ひょうめいする一方いっぽうで、核かく合意ごういの枠組わくぐみを維持いじするため各国かっこくで連携れんけいして対応たいおうする方針ほうしんを示しめしています。

今後こんごはヨーロッパの参加さんか国こくの対応たいおうが焦点しょうてんとなりますが、これまでもイランが納得なっとくする経済けいざい支援しえん策さくは打ち出うちだせておらず、核かく合意ごういの枠組わくぐみの維持いじに向むけて厳きびしい局面きょくめんが続つづくことになります。