避難ひなん所しょで想定そうてい外がいの事態じたい そのとき住民じゅうみんたちは…

避難ひなん所しょが雨漏あまもり 浸水しんすいも 宮城みやぎ 丸森まるもり町まち

広ひろ範囲はんいが浸水しんすいした宮城みやぎ県けん丸森まるもり町まちは気象庁きしょうちょうが土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい情報じょうほうを発表はっぴょうした今月こんげつ12日にちの午後ごご３さん時じ20分ふんに全域ぜんいきで避難ひなん勧告かんこくを出だしました。

役場やくば近ちかくに住すむ71歳さいの女性じょせいは地区ちくの民生みんせい委員いいんに促うながされ、午後ごご３さん時じすぎに水害すいがいの際さいの避難ひなん所しょに指定していされている役場やくばの隣となりの「丸森まるもりまちづくりセンター」に避難ひなんしました。

女性じょせいが避難ひなん所しょに着ついたときにはすでに50人にんほどが避難ひなんしていたということです。避難ひなんした人ひとたちは建物たてものの２に階かいにいましたが、夜よる９きゅう時じごろになるとバケツをひっくり返ひっくりかえしたかと思おもうほどの激はげしい雨漏あまもりがするようになったといいます。

同おなじころ、周辺しゅうへんで浸水しんすいが始はじまり、町まちはまちづくりセンターにいた避難ひなん者しゃを隣となりの役場やくばに移動いどうさせることを決きめました。

その時点じてんで70人にん余あまりが避難ひなんしていました。高齢こうれい者しゃが多おおかったため、短みじかい距離きょりでしたがバスを何なん度ども往復おうふくさせ２に時間じかん以上いじょうかけて避難ひなん者しゃを移動いどうさせました。

71歳さいの女性じょせいは「私わたしが役場やくばに移動いどうできたのは12日にちの夜よる11時じごろで、外そとは真っ暗まっくらで雨あめが非常ひじょうに激はげしく、少すこし出でただけでもびしょぬれになるほどでした」と話はなしていました。

町まちでは阿武隈あぶくま川がわが氾濫はんらんするおそれがある場合ばあい、川かわの水位すいいを見みながらまちづくりセンターから高台たかだいの小学校しょうがっこうなどに避難ひなん者しゃを移動いどうさせることにしていましたが、今回こんかいは判断はんだんする前まえに周辺しゅうへんが浸水しんすいしてしまい、高台たかだいへの避難ひなんが間に合まにあわなかったということです。

役場やくばに避難ひなんした80歳さいの女性じょせいは、避難ひなん所しょが浸水しんすいするおそれのある場所ばしょにあることについて、「ここまでの浸水しんすい被害ひがいはこれまでなかったので、行政ぎょうせいに大丈夫だいじょうぶだという意識いしきがあったのではないか」と話はなしていました。

想定そうていを超こえる避難ひなん者しゃが… 東京とうきょう 狛江こまえ

多摩川たまがわ沿ぞいに位置いちする東京とうきょう 狛江こまえ市しでは想定そうていを超こえる住民じゅうみんが避難ひなんしたため、市しが急きゅうきょ、臨時りんじの避難ひなん所しょを開設かいせつしたほか、避難ひなん所しょが満員まんいんになり、避難ひなんしてきた住民じゅうみんに別べつの避難ひなん所しょに移うつってもらう事態じたいも起おきました。

狛江こまえ市しでは台風たいふう19号ごうの接近せっきんに伴ともない、住民じゅうみんに早はやめに避難ひなんしてもらおうと、今月こんげつ12日にちの午前ごぜん８はち時じすぎに自主じしゅ的てきに避難ひなんする人ひとたちに向むけた避難ひなん所しょを市しの中央ちゅうおう公民館こうみんかんに開設かいせつしました。

ところが、市しの想定そうていを超こえる200人にん以上いじょうが避難ひなんしたため、この施設しせつに収容しゅうようできなくなり、本来ほんらいは避難ひなん所しょとして使つかう予定よていのない、市役所しやくしょのロビーや議会ぎかい棟とうなどを追加ついかで開放かいほうしたということです。

その後そのご、台風たいふうが近ちかづいてきたため、この日ひの午後ごご４よん時半じはんに多摩川たまがわ沿ぞいの地区ちくのおよそ9000世帯せたいに避難ひなん勧告かんこくを出だしました。

この結果けっか、狛江こまえ市しでは開設かいせつした11の避難ひなん所しょにおよそ4000人にんが避難ひなんすることになりましたが、４よっつの避難ひなん所しょで施設しせつが満員まんいんになったということです。

このうち、およそ1000人にんが避難ひなんした狛江こまえ第だい二に中学校ちゅうがっこうでは施設しせつが満員まんいんになったため、避難ひなんした住民じゅうみんに別べつの避難ひなん所しょに移うつってもらう事態じたいも起おきたということです。

市しは、今回こんかいの台風たいふう19号ごうでは自主じしゅ的てきに避難ひなんした人ひとも含ふくめ、想定そうていを超こえる避難ひなん者しゃが出でたことから民間みんかんの施設しせつを避難ひなん先さきとして活用かつようすることなどを含ふくめ、災害さいがい時じの避難ひなん所しょを増ふやすことを検討けんとうしていきたいとしています。

狛江こまえ市しの総務そうむ部ぶ安心あんしん安全あんぜん課かの杉田すぎた篤あつし哉課長かちょう補佐ほさは「多おおくの人ひとが避難ひなんしたのはよいことだと思おもうが、市しの施設しせつには限かぎりがあるので、すべての人ひとを受け入うけいれられないのは大おおきな課題かだいと認識にんしきしている。少すこしでも多おおくの人ひとが避難ひなんできる態勢たいせいをつくるため、商業しょうぎょう施設しせつを活用かつようするなどの対策たいさくが必要ひつようになってくると思おもう」と話はなしていました。

神奈川かながわ 葉山はやま町まちでも

避難ひなん所しょがいっぱいになり新あらたな受け入うけいれができなくなる事態じたいは神奈川かながわ県けん葉山はやま町まちでも起おきました。

町まちによりますと避難ひなん所しょの一ひとつ「葉山はやま町まち福祉ふくし文化ぶんか会館かいかん」では80畳じょうの和室わしつを避難ひなんスペースとして確保かくほしていました。しかし、12日にち午前ごぜん８はち時半じはんの開設かいせつ以降いこうおよそ２に時間じかんの間まに60人にん以上いじょうが避難ひなんしてスペースがなくなったため、新あらたに避難ひなん者しゃを受け入うけいれることができなくなったということです。

町まちでは、会館かいかんの入り口いりくちに避難ひなん者しゃを受け入うけいれられない旨むねを書かいた紙かみを貼はるとともに、近ちかくの中学校ちゅうがっこうなど別べつの避難ひなん所しょを利用りようするよう防災ぼうさい無線むせんやホームページなどで呼よびかけました。

深刻しんこくな課題かだい明あきらかに

これまで、災害さいがいの危険きけんがあるとして自治体じちたいが避難ひなん勧告かんこくや避難ひなん指示しじを出だして避難ひなんを呼よびかけても、実際じっさいに避難ひなんする人ひとは多おおくはなく、逃にげ遅おくれてしまうこともありました。一方いっぽうで、今回こんかいは多おおくの人ひとが避難ひなんしても避難ひなん所しょが安全あんぜんでなかったり、入はいりきれなかったりする深刻しんこくな課題かだいも明あきらかになりました。