ＩＯＣあいお-し-調整ちょうせい委い始はじまる マラソン・競歩きょうほの札幌さっぽろ開催かいさい案あんを議論ぎろん

東京とうきょうオリンピックの準備じゅんび状況じょうきょうなどを話し合はなしあうＩＯＣあいお-し-の調整ちょうせい委員いいん会かいには、ＩＯＣあいお-し-のコーツ調整ちょうせい委員いいん長ちょう、東京とうきょう都との小池こいけ知事ちじ、大会たいかい組織そしき委員いいん会かいの森もり会長かいちょう、それに橋本はしもとオリンピック・パラリンピック担当たんとう大臣だいじんらが出席しゅっせきしました。

会議かいぎでは、東京とうきょうオリンピックの猛暑もうしょ対策たいさくとして、ＩＯＣあいお-し-がマラソンと競歩きょうほの会場かいじょうを札幌さっぽろに移うつす案あんを提案ていあんしている中なか、まず冒頭ぼうとうのあいさつでＩＯＣあいお-し-の東京とうきょう大会たいかいの責任せきにん者しゃであるコーツ調整ちょうせい委員いいん長ちょうが「札幌さっぽろでの実施じっしは10月つき16日にちのＩＯＣあいお-し-理事りじ会かいで決定けっていしている。すでに説明せつめいしているがさらに説明せつめいが必要ひつようであれば数すう日にちかけて応おうじていく。ＩＯＣあいお-し-が、なぜ、このような決定けっていをしたのか東京とうきょうの人ひとたちに理解りかいを得えずに帰かえりたくはない」などと述のべ、ＩＯＣあいお-し-としては札幌さっぽろでの実施じっしは決定けってい事項じこうであることを強調きょうちょうしました。

これに対にたいし、東京とうきょう都との小池こいけ知事ちじは「アスリートファーストという観点かんてんは言いうまでもなく、非常ひじょうに重要じゅうようだ。だからこそ、東京とうきょうの気候きこう・ルートに合あわせてコンディションを整ととのえてきた選手せんしゅや準備じゅんびを進すすめてきた地元じもと・地域ちいきの気持きもちをないがしろにすることはできない。ＩＯＣあいお-し-には、都民とみんが納得なっとくできるよう、経緯けいいや理由りゆうについて丁寧ていねいな説明せつめいをしてもらい十分じゅうぶんな議論ぎろんを行おこないたい。改あらためて開催かいさい都市としとして、東京とうきょうでの開催かいさいを望のぞみたい。お互おたがいの信頼しんらいなしには大会たいかいの成功せいこうはない」などと述のべ、改あらためて東京とうきょうでの実施じっしを主張しゅちょうしました。

調整ちょうせい委員いいん会かいは11月つき１いち日にちまで３さん日間にちかんの日程にっていで行おこなわれ、札幌さっぽろに移うつす場合ばあい、費用ひようをどこがどれだけ負担ふたんするかなどの課題かだいも議論ぎろんされる見通みとおしで、大会たいかいの開幕かいまくまで９きゅうか月かげつを切きる中なか、ＩＯＣあいお-し-から行おこなわれた会場かいじょう変更へんこうという異例いれいの提案ていあんが、どのように決着けっちゃくが図はかられるのか、注目ちゅうもくされます。

東京とうきょう都とへの意見いけん ９きゅう割わりが会場かいじょう変更へんこうに反対はんたい

ＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいが、東京とうきょうオリンピックのマラソンと競歩きょうほの会場かいじょうを札幌さっぽろに移うつす案あんを発表はっぴょうしたことについて、東京とうきょう都とには、発表はっぴょうの翌日よくじつ、今月こんげつ17日にちから29日にちまでに電話でんわやメールなどで1425件けんの意見いけんが寄よせられたということです。

このうち、会場かいじょうを東京とうきょうから札幌さっぽろに移うつす案あんについて、賛否さんぴの意向いこうを示しめす意見いけんは、909件けんあったということです。

この中なかでは、

▽札幌さっぽろへの変更へんこうに賛成さんせいの意向いこうを示しめす意見いけんは89件けん、

▽札幌さっぽろへの変更へんこうに反対はんたいの意向いこうを示しめす意見いけんは820件けんと、反対はんたいが90％にのぼったということです。

反対はんたいの意向いこうを示しめす人ひとからは、東京とうきょうでマラソンを見みたいという意見いけんや、札幌さっぽろに変更へんこうすると都との税金ぜいきんやテスト大会たいかいがむだになるといった意見いけんなどが寄よせられたということです。

一方いっぽう、都とは、今月こんげつ22日にちと23日にちに、都民とみん2060人にんを対象たいしょうにインターネットで緊急きんきゅうのアンケート調査ちょうさも行おこないました。

マラソンと競歩きょうほの会場かいじょうを東京とうきょうから札幌さっぽろに変更へんこうすることを、どう思おもうか尋たずねたところ、

▽「賛成さんせい」が732人にん、

▽「どちらでもない」が670人にん、

▽「反対はんたい」が658人にんで、

「賛成さんせい」が35.5％と「反対はんたい」を上回うわまわりました。

ただ、都となどに知しらされないまま進すすめられた会場かいじょう変更へんこうに関にかんするプロセスについては「妥当だとうではない」という回答かいとうが1566人にんと、全体ぜんたいの76％にのぼりました。

さらに、会場かいじょうが札幌さっぽろに変更へんこうになった場合ばあい、開催かいさい費用ひようは誰だれが負担ふたんすべきだと思おもうか尋たずねたところ、全体ぜんたいの50.3％が「ＩＯＣあいお-し-」と回答かいとうしました。

都とが進すすめてきた暑あつさ対策たいさく

東京とうきょう都とは、東京とうきょうオリンピックのマラソンと競歩きょうほの競技きょうぎで猛烈もうれつな暑あつさが懸念けねんされるため、選手せんしゅや観客かんきゃく向むけの暑あつさ対策たいさくに取り組とりくんできました。

このうち選手せんしゅ向むけの対策たいさくとしては、マラソンと競歩きょうほのコースに、道路どうろの表面ひょうめん温度おんどを下さげるとされている「遮さえぎ熱性ねっせい舗装ほそう」の整備せいびを進すすめていました。

この舗装ほそうは、来年らいねんの大会たいかいまでに完了かんりょうする予定よていで、ことし７月しちがつ末まつの時点じてんでマラソンのコースとして使つかう東京とうきょう都道とどうのうち、およそ８はち割わりで整備せいびが終おわっているということです。

また、マラソンのコースに日陰ひかげを増ふやすため、沿道えんどうの街路がいろ樹じゅのせんていを工夫くふうして、枝えだや葉はの部分ぶぶんを大おおきく育そだてる取り組とりくみも進すすめていました。

一方いっぽう、観客かんきゃく向むけの対策たいさくとしては、コースの沿道えんどうに、クーラーのある休憩きゅうけい所しょや霧きり状じょうのミストを噴射ふんしゃする装置そうちを設もうけるほか、首くびを保冷ほれい剤ざいを使つかって冷ひやすことができるグッズを配くばるなど、ハードとソフトの両面りょうめんで対策たいさくを検討けんとうしていました。

都とによりますと、こうした暑あつさ対策たいさくは、医療いりょうなどの面めんでＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいの専門せんもん家かのアドバイスを受うけながら、組織そしき委員いいん会かいとも連携れんけいして進すすめてきたということです。

また、ＩＯＣあいお-し-のバッハ会長かいちょうは、今月こんげつ３さん日にちの時点じてんで、こうした東京とうきょうで行おこなわれてきた暑あつさ対策たいさくの取り組とりくみを評価ひょうかしていました。