8月22日の甲子園の決勝以来2週間ぶりの実戦マウンドについて奥川投手はこう振り返りました。
立ち上がりは「まっすぐは一つのバロメーター。どこまで押せるか試したかった」とストレート中心の配球。
151キロのストレートで空振りを取るなど3回までに8個の三振を奪いました。
4回にカナダの4番バッターに146キロのストレートを捉えられホームランを打たれましたが、「集中を切らさないよう心がけた」と、中盤以降もキレのあるスライダーを効果的に使って、6回までヒット2本、1点に抑え、16個の三振を奪いました。
ここで奥川投手の投球数は90球に達していました。
この大会は1人のピッチャーが1試合で投げられるのは105球までで、この球数に達した場合、次の登板まで中4日の休養が必要となります。
逆に104球以内で抑えれば中1日で登板できるため、永田裕治監督からは試合前、「104球以内で抑えてくれ。7回まで行ってほしい」と伝えられていました。
7回は10球で2アウトを取りましたが、あと4球しか投げられない状況に。
「中途半端な形で次のピッチャーにマウンドを渡したくない」と、奥川投手は最後となったバッターを3球三振。
18個目となる三振でしとめるとグラブをたたいて喜びました。
永田監督は「奥川は試合で1回も使っていなかったが、去年のアジア選手権も経験している精神的支柱だ。必ずやってくれると思ってマウンドに送り出したがすばらしかった」とたたえました。
奥川投手「まだ満足したくない」
試合後、奥川投手は「ここまで皆がつないでくれたので、絶対に抑えないといけないというプレッシャーがあった。なんとか勝ててよかった」と安どの表情を浮かべました。
それでも「まだ満足したくない。変化球を投げるときに腕が緩んでいる。腕をしっかり振ってコントロールできないと、強い相手を抑えられない。世界一になったときに喜べるようにしたい」と課題をあげ、前を見据えました。
まだ成し遂げていない悲願の初優勝へ。
日本に頼もしい「精神的支柱」がマウンドに帰ってきました。