일본어 뉴스: 死刑確定の袴田巌さんの再審認める決定 57年前の事件東京高裁

死刑しけい確定かくていの袴田はかまだ巌いわおさんの再審さいしん認みとめる決定けってい 57年ねん前まえの事件じけん東京とうきょう高裁こうさい

Mar 13, 2023 17:03

Furigana

57年ねん前まえ、静岡しずおか県けんで一家いっか4人にんが殺害さつがいされた、いわゆる「袴田はかまだ事件じけん」で、無罪むざいを主張しゅちょうしながらも死刑しけいが確定かくていした、袴田はかまだ巌いわおさんについて、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしを認みとめる決定けっていをしました。有罪ゆうざいの根拠こんきょとされた証拠しょうこについて、決定けっていは「捜査そうさ機関きかんが隠かくした可能かのう性せいが極きわめて高たかい」と、“ねつ造ねつぞう”の疑うたがいに言及げんきゅうしました。

【こちらでも詳くわしく】袴田はかまだ事件じけん再審さいしん開始かいし決定けってい東京とうきょう高裁こうさい（随時ずいじ更新こうしん・最新さいしん情報じょうほう）

袴田はかまだ巌いわおさん（87）は、57年ねん前まえの1966年ねんに今いまの静岡しずおか市し清水しみず区くで一家いっか4人にんが殺害さつがいされた事件じけんで、死刑しけいが確定かくていしましたが、無実むじつを訴うったえ、裁判さいばんのやり直やりなおしを求もとめています。

9年ねん前まえ、静岡しずおか地方ちほう裁判所さいばんしょが再審さいしんを認みとめる決定けっていを出だし、袴田はかまださんは死刑しけい囚しゅうとして初はじめて釈放しゃくほうされましたが、その後そのごの東京とうきょう高裁こうさいは一転いってんして再審さいしんを認みとめず、さらに最高裁さいこうさいが審理しんりが尽つくされていないと判断はんだんしたことから、東京とうきょう高裁こうさいで再ふたたび審理しんりが行おこなわれる、異例いれいの展開てんかいをたどっていました。

最大さいだいの争点そうてんは、逮捕たいほから1年ねん以上いじょうあとに現場げんば近ちかくのみそタンクから見みつかった衣類いるいについた血痕けっこんの色いろの変化へんかです。

衣類いるいは有罪ゆうざい判決はんけつの決め手きめてとなった証拠しょうこですが、袴田はかまださんが隠かくしたものかどうかを検証けんしょうするため、1年ねん以上いじょうみそに漬つかった状態じょうたいでも血痕けっこんに赤あかみが残のこるかどうか、弁護べんご側がわと検察けんさつの双方そうほうが主張しゅちょうを繰り広くりひろげました。

13日にちの決定けっていで、東京とうきょう高裁こうさいの大善だいぜん文男ふみお裁判さいばん長ちょうは、弁護べんご側がわが示しめした実験じっけん結果けっかなどについて、「1年ねん以上いじょうみそに漬つけられると血痕けっこんの赤あかみは消きえることが、専門せんもん家かの見解けんかいからも化学かがく的てきに推測すいそくできる。袴田はかまださんが犯行はんこう時じに着きていたという確定かくてい判決はんけつの認定にんていには合理ごうり的てきな疑うたがいが生しょうじる」として、「無罪むざいを言い渡いいわたすべき明あきらかな証拠しょうこ」にあたると判断はんだんし、再審さいしん開始かいしを認みとめました。

さらに、「衣類いるいは事件じけんから相当そうとうな期間きかんが経過けいかしたあとに第だい三さん者しゃがタンクに隠かくした可能かのう性せいが否定ひていできず、事実じじつ上じょう、捜査そうさ機関きかんによる可能かのう性せいが極きわめて高たかい」と厳きびしく批判ひはんしました。

また、袴田はかまださんの釈放しゃくほうについても、「無罪むざいになる可能かのう性せいや再審さいしん開始かいし決定けっていに至いたる経緯けいい、袴田はかまださんの年齢ねんれいや心身しんしんの状況じょうきょうに照てらして相当そうとうだ」として、引き続ひきつづき認みとめました。

決定けっていに不服ふふくがある場合ばあい、5日にち以内いないに検察けんさつは最高さいこう裁判所さいばんしょに特別とくべつ抗告こうこくすることができますが、決定けっていが確定かくていすれば、裁判さいばんがやり直やりなおされることになります。

東京とうきょう高裁こうさいの前まえでは支援しえん者しゃらから喜よろこびの声こえ

東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの前まえでは、再審さいしんを認みとめる決定けっていが出だされた直後ちょくごの午後ごご2時じすぎ、裁判所さいばんしょから出でてきた弁護士べんごしが「再審さいしん開始かいし」や「検察けんさつの抗告こうこく棄却ききゃく」と書かかれた紙かみを掲かかげると、集あつまった支援しえん者しゃらから大おおきなどよめきが起おきました。

そして、「よくやった」とか「よかった」といった喜よろこびの声こえがあがっていました。

その後そのご、袴田はかまださんの姉あねのひで子ひでこさんが、裁判所さいばんしょから笑顔えがおで出でてきて、「再審さいしんが認みとめられ本当ほんとうにうれしいです。56年間ねんかん闘たたかってきて、この日ひがくるのを心待こころまちにしていました。これでやっと肩かたの荷にが下おりた感かんじがします」と話はなしていました。

また、弁護べんご団だんの小川おがわ秀世ひでよ弁護士べんごしは「当然とうぜんの決定けっていだと思おもいますが、本当ほんとうにうれしいです。検察けんさつに対にたいしては特別とくべつ抗告こうこくをしないよう要請ようせいします」と涙なみだを流ながしながら話はなしていました。

そして、ひで子ひでこさんと小川おがわ弁護士べんごしが抱き合だきあって喜よろこびを分わかち合あうと、支援しえん者しゃから大おおきな拍手はくしゅが送おくられていました。

このあと、袴田はかまださんの支援しえん者しゃ20人にん余あまりは午後ごご3時じ前まえに東京とうきょう高等こうとう検察庁けんさつちょうの前まえに集あつまり、プラカードを掲かかげながら「検察けんさつは再審さいしん開始かいし決定けっていに従したがえ」とか「袴田はかまださんに真しんの自由じゆうを」などとシュプレヒコールをあげていました。

東京とうきょう高検こうけん「主張しゅちょう認みとめられず遺憾いかん適切てきせつに対処たいしょしたい」

再審さいしんの開始かいしを認みとめる決定けっていを受うけ、東京とうきょう高等こうとう検察庁けんさつちょうの山元やまもと裕史ゆうじ次席じせき検事けんじは「検察官けんさつかんの主張しゅちょうが認みとめられなかったことは遺憾いかんである。決定けっていの内容ないようを精査せいさし、適切てきせつに対処たいしょしたい」というコメントを出だしました。

きょうの袴田はかまださんの様子ようすは

支援しえん者しゃによりますと、袴田はかまだ巌いわおさんは、13日にちは午前ごぜん9時半じはんごろに起床きしょうし、朝食ちょうしょくにみかんやりんごなどの果物くだものを食たべたということです。

ひで子ひでこさんが袴田はかまださんのひげをそったり、髪かみを整ととのえたりしていました。

ひで子ひでこさんは決定けってい文ぶんを受け取うけとるため東京とうきょう高裁こうさいに向むかい、袴田はかまださんは同行どうこうしません。

ひで子ひでこさんが「きょうは東京とうきょうへ行いってくるから。一いち晩ばん、泊とまってくるからね」と伝つたえると、袴田はかまださんは「あ、そう」と応おうじていました。

午後ごごは、支援しえん者しゃの運転うんてんする車くるまで、幼少ようしょう期きに足あしを運はこんでいた浜松はままつ市し浜北はまきた区くの「岩水寺がんすいじ」を訪おとずれました。

袴田はかまださんは寺てらの本堂ほんどうの前まえでさい銭さいせん箱ばこにお金おかねを投げ入なげいれると、静しずかに手てを合あわせ、線香せんこうをあげていました。

また、寺てらの近ちかくにある大おおきな仏像ぶつぞうの前まえでも手てを合あわせていました。

そして記者きしゃから「きょうはどんな日ひですか」と声こえをかけられると、「勝かつことだね。勝かつ日ひだと思おもうがね」などと話はなしていました。

ボクシング界かいの支援しえん団体だんたい「感無量かんむりょうのひと言ひとこと」

元もとプロボクサーの袴田はかまだ巌いわおさんに対にたいして、ボクシング界かいは支援しえん団体だんたいを設立せつりつして拘置こうち所しょで袴田はかまださんに面会めんかいしたり、再審さいしんを求もとめるデモを行おこなったりするなど、長年ながねんにわたって活動かつどうしてきました。

再審さいしんを認みとめる決定けっていについて、支援しえん団体だんたいの中心ちゅうしんメンバーで元もと東洋とうよう太平洋たいへいようバンタム級きゅうチャンピオンの新田にった渉わたる世よさんは、「感無量かんむりょうのひと言ひとことだ。ほかの支援しえん者しゃや弁護べんご団だんの活動かつどうのたまものだが、ボクシング界かいでも精せいいっぱい支援しえんしてきたのでうれしい。まだ確定かくていではないが、ボクシング界かいの大だい先輩せんぱいである袴田はかまださんに勝利しょうりの見込みこみが出でてきたので、おめでとうと伝つたえたい」と喜よろこびを話はなしました。