また、今後の感染対策について、「新規感染者数の水準がまだ高いところではもう少し下げることが求められ、市民の皆さんの協力が必要だ。感染状況が改善して緊急事態宣言などの解除がニュースになると、安心感が広がって活動が活発化し、人流や接触が増えて感染が広がることになる。海外の事例を見るとワクチン接種が進んでいても、緩和が進んで行動が自由化されると感染状況が悪くなっている。日本ではマスクの着用、手洗い、換気、密を避けるといった基本的な感染対策をした上で外出することをお願いしたい」と話していました。
緊急事態宣言が出されている地域のうち、首都圏の1都3県では ▼東京都と神奈川県で0.44倍、 ▼埼玉県で0.48倍、 ▼千葉県で0.47倍、 関西では ▼大阪府で0.51倍、 ▼京都府で0.46倍、 ▼兵庫県で0.57倍、 ▼滋賀県で0.52倍、 中京圏では ▼愛知県で0.42倍、 ▼岐阜県で0.60倍、 ▼三重県で0.44倍と前の週の半数前後と減少傾向が続いています。 また、 ▼北海道で0.68倍、 ▼茨城県で0.42倍、 ▼栃木県で0.56倍、 ▼群馬県で0.76倍、 ▼静岡県で0.38倍、 ▼広島県で0.54倍、 ▼福岡県で0.51倍、 ▼沖縄県で0.50倍と 緊急事態宣言が出ているすべての地域で減少傾向となっています。 現在の感染状況を人口10万人あたりの直近1週間の感染者数でみると、 ▼沖縄県が47.14人、 ▼大阪府が30.59人と、感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えているのは2つの府県で、およそ1か月前の先月24日までの1週間の43都道府県から大きく減りました。 このほか、 ▼兵庫県が21.39人、 ▼愛知県が20.03人、 ▼東京都が18.24人、などとなっているほか、 ▼全国では14.01人で、 およそ1か月前の127.65人から大きく減っています。
一方で「欧米諸国では、ワクチン接種が進んだあともリバウンドが起きているところもあり、ワクチンを接種したあともマスクをしっかりして、リスクの高い行動を避けるよう、徹底してお願いしなければならない」と指摘しました。 さらに、田村大臣は「感染者数がなぜ急激に下がっているのか、まだ理解が進んでいないところもある。よくわからずに減っているということは、また増えてくる可能性が十分にあるので、何かあった時にすぐに対策を組めるよう検討しなければならない」と述べました。
新規感染者数 前週比 全国で0.49倍
田村厚生労働相「医療提供体制も改善傾向」
一方で、安心感が広がり、人との接触の機会が増えれば感染の再拡大につながる懸念もあるとして、基本的な感染対策は引き続き、徹底するよう呼びかけました。
専門家会合は、全国の感染状況について「急速な減少が続いている」とした上で、療養者数や重症者数の減少が続いているほか、亡くなる人の数も緩やかな減少傾向に転じ、医療や公衆衛生の体制も改善傾向にあると指摘しました。
地域別に見ると、東京都では入院者数や重症者数も減少し病床使用率も3割を切った一方で入院患者や重症者に占める60代以上の人の割合が増加傾向にあることに注意が必要だとしています。
沖縄県は、人口あたりの感染者数は全国で最も高い水準であるものの減少傾向で、自宅療養者の数も減少してきているとしています。
さらに、関西や中京圏などでも感染者数や入院者数の減少が続いているとしています。
専門家会合は、感染者が急速に減少した背景には
▼市民や事業者が感染対策に協力したこと、
▼夜間の繁華街などの人出の減少
▼ワクチン接種率の向上、
▼医療機関や高齢者施設でのクラスターの減少などがあると分析しています。
一方で、今月の連休で移動が増えたことや、感染者が減って安心感が広がったことなどで、ふだん会わない人などとの接触の機会が増え、感染の再拡大につながる懸念もあるとしています。
専門家会合は、まだ重症者が多い地域もあり、一般の医療が制限されていることを踏まえ、できるだけ感染者数を減らすことが必要だとして、▼ワクチンを接種した人を含めて外出せざるを得ない場合でも遠出や大勢で集まることや、混雑した場所などの感染リスクの高い場面を避けること、▼不織布マスクの着用や手洗い、1つでも「密」を避けることや換気など基本的な感染対策を徹底するよう求めました。
また、冬に向けてさらに厳しい感染状況になるという前提で、▼医療や自宅療養の体制を整えることや▼症状を見分けるのが難しい、インフルエンザの流行を見据えた準備が必要だと指摘しました。