ロサンゼルス近郊のトーランスで15日、日本人が経営する調理器具などを販売する商店の入り口に「ここはアメリカだ。店で売っている物は必要ない」「日本に帰れ。言うことを聞かないと爆破する」などと書かれた紙が貼られているのを、出勤した従業員が見つけました。
これについて、警察は、人種や宗教に対する偏見に基づいた犯罪、「ヘイトクライム」の疑いがあるとして捜査を始めました。
経営者の男性は「こんなことをされたのは初めてです。日本人や日本料理のことをきたないことばで書かれていてショックです」と話していました。
トーランスは、日系企業の駐在員などが多く住み、日本人向けの商店が多い地域で、今回の事件を受けてロサンゼルスにある日本の総領事館は注意を呼びかけました。
アメリカでは、黒人男性の死亡事件を受けて人種差別に抗議する声が高まっていますが、地元メディアは日本人や中国人などを対象にしたとみられる差別的な言動が相次いでいると伝えています。
日本人などへの差別的な言動相次ぐ
アメリカでは、このところ日本人や中国人などを対象にしたとみられる差別的な言動が相次いで確認されています。
アメリカのメディアは先月下旬、東部メリーランド州のベセスダで男性が「日本もお前も滅ぼしてやる」と大声をあげている動画を伝えました。
また、今月に入ってからは西部カリフォルニア州のトーランスで、公園で運動をしていた女性に対し、通りかかった人物が「アジアに帰れ」などと暴言をはく様子が報道され、現地の警察がこの人物から事情を聴くなど捜査を進めています。
さらに、東部ニュージャージー州では、今週、中国料理のレストランの外壁などにスプレーで「コロナウイルス」、「中国に帰れ」と書かれているのが見つかり、現地のメディアは警察が人種や宗教に対する偏見に基づいた犯罪、「ヘイトクライム」の疑いで捜査していると伝えています。