そのうえで「今回の大統領選挙は『常識のユン・ソギョル』と『非常識のイ・ジェミョン』の戦いだ」と述べ、与党「共に民主党」の公認候補であるイ氏への対決姿勢を鮮明にしました。
また、外交や安全保障に関連してユン氏は、北朝鮮を念頭に「国際社会との徹底した協力を通じて非核化をより効率的に推進する」と述べました。
そして、具体的な国名は挙げませんでしたが「韓国と民主主義の価値を共有する国々との協力を強化し、国益優先の実用外交を行う」と強調しました。
名門のソウル大学を卒業し、司法試験にたび重なる挑戦のすえ合格して検察官となりました。 保守系のパク・クネ(朴槿恵)前大統領やイ・ミョンバク(李明博)元大統領をめぐる贈収賄事件などを徹底して捜査した手腕が、革新系のムン・ジェイン大統領から高く評価され、おととし、ソウル中央地方検察庁のトップから検事総長に抜てきされました。 するとユン氏は、ムン大統領の側近で法相に起用されたチョ・グク(※チョ国)氏をめぐる疑惑を追及して辞任に追い込むなどした結果、政権との対立が深まりました。 そして、ことし3月、検察に代わって政府高官らの不正を捜査する新たな機関が発足したことなどへの反発から、検事総長を辞任しました。 その後、ことし6月に政界入りする意向を明らかにしたのに続いて、7月には政権交代を目指すとして最大野党「国民の力」に入党しました。 大統領選挙に立候補するにあたってユン氏は、ムン政権を厳しく批判したうえで「古い政治を清算して国民が真の主人となる国をつくることが政治を志した理由だ。崩れた自由民主主義や法治を立て直し、公正さを取り戻す」と強調しました。 また、ムン政権に対する不満の1位に挙げられている不動産価格の高騰への対応を掲げ、任期中に250万戸以上の住宅を供給し若者向けの低価格の住宅も準備すると訴えています。 さらに、外交や安全保障では、日本と韓国の関係について、首脳が相互に相手国を訪問する「シャトル外交」を再開し、慰安婦問題や太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題、軍事情報包括保護協定=GSOMIA(ジーソミア)の継続など、両国間の懸案を包括的に解決することを目指すとしています。 また、北朝鮮との関係については、非核化の進展に伴って経済協力事業を実施するとしているほか、軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)に、韓国と北朝鮮、それにアメリカの連絡事務所を設置すると主張しています。 一方、ユン氏は、労働政策をめぐって「週に120時間働けるようにすべきだ」と述べるなど失言が相次ぎ、政治経験のなさも露呈していて、党内選挙では、ホン・ジュンピョ氏の追い上げを許す形になっていました。 ※「曹」の縦線が1本
次いで、 ▽保守系の最大野党「国民の力」の公認候補に選出されたユン・ソギョル氏が24%。 そして、 ▽党内選挙でユン氏を追い上げたホン・ジュンピョ氏が15%となっています。 このほか、 ▽革新系野党「正義党」のシム・サンジョン氏と、 ▽中道系野党「国民の党」のアン・チョルス氏が、それぞれ2%となっています。 与野党どちらの候補の当選を望むかという質問に対しては、 ▽政権交代のために野党候補の当選を望むと答えた人が57%、 ▽革新政権を維持するために与党候補の当選を望むと答えた人が33%となっています。 また、別の世論調査機関「リアルメーター」が、先週発表した調査結果では、与党のイ氏と、最大野党のユン氏のどちらを支持するか尋ねたところ、 ▽ユン氏が45.3%、 ▽イ氏が40.9%で、 ユン氏が4ポイント余りリードしています。 一方で、この2人に少数野党のシム氏とアン氏を加えた4人の中で誰を支持するか尋ねた結果、 ▽イ氏が34.6%、 ▽ユン氏が34.4%、 ▽シム氏が4.4%、 ▽アン氏が4%となっていて、 イ氏がトップに立っています。
ユン・ソギョル氏とは
主な顔ぶれの支持率