「ツチガエル」は「イボガエル」とも
呼ばれて
国内に
広く
分布していて、
梅雨の
時期に、オスがメスを
求めて、
陸の
上や
浅い水たまりから
顔を
出して、のどに
ある「
鳴き袋」を
膨らませて
鳴くことが
知られています。
国内のカエルでは、一生をほぼ水中で過ごす一部の種類を除いて、カエルは、水中に潜ったまま鳴くことはないとされていたということですが、九州大学の鹿野雄一准教授は、ことし6月に、山形市の川で生物調査をした際に「ツチガエル」が、水中に完全に潜った状態で鳴いているのを発見し、撮影することにも成功しました。
映像では「ツチガエル」が、水中で「鳴き袋」を使わずに腹を震わせながら鳴いていて、詳しく解析した結果、陸上で鳴く時に比べて、鳴き声の間隔が短く、音も低くなっているということです。
鹿野准教授は、
水中で
鳴くことで、
天敵に
見つかりにくくしている
可能性があり、
これまで
詳しい生態の
調査が
多くなかったため、
気付かれなかったのはないかとしています。
鹿野准教授は「いろいろな専門家に見せると、驚いてくれます。身近な生き物にも、わからないことが多いことがおもしろいと感じていて、水中で鳴く意味をさらに調べていきたい」と話していました。