熊本くまもと県けんと鹿児島かごしま県けんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほう 最大さいだい級きゅうの警戒けいかいを

熊本くまもと県けんの芦北あしきた町まち付近ふきんや球磨くま村むら付近ふきんなどの各地かくちで、4日にち明け方あけがたから朝あさにかけて110ミリから120ミリ以上いじょうの猛烈もうれつな雨あめが降ふったとみられ、気象庁きしょうちょうは6回かいにわたって「記録きろく的てき短たん時間じかん大雨おおあめ情報じょうほう」を発表はっぴょうしました。

熊本くまもと県けんの各地かくちの3時間じかんの雨量うりょうは、

▽天草あまくさ市し牛深うしぶかで午前ごぜん4時じすぎまでに205.5ミリ、

▽芦北あしきた町まち田浦たのうらで午前ごぜん6時じまでに190.5ミリに達たっし、

いずれも観測かんそく史上しじょう1位いの記録きろくを更新こうしんする大雨おおあめとなっています。

また、午前ごぜん9時じまでの24時間じかんの雨量うりょうが、

熊本くまもと県けんの▽湯前ゆのまえ町まちの横谷よこたにで479.5ミリ

▽水俣みなまた市しで474.5ミリ、

▽球磨くま村むらで450.5ミリ、

▽芦北あしきた町まち田浦たのうらで425ミリに達たっし

観測かんそく史上しじょう1位いの記録きろくとなっているところがあります。

気象庁きしょうちょうは、熊本くまもと県けんや鹿児島かごしま県けんでは数すう十じゅう年ねんに一いち度どのこれまで経験けいけんしたことのないような大雨おおあめとなっていて、土砂崩どしゃくずれや浸水しんすいなどによる重大じゅうだいな災害さいがいがすでに発生はっせいしている可能かのう性せいが極きわめて高たかい状況じょうきょうだとして午前ごぜん4時じ50分ふん、熊本くまもと県けんと鹿児島かごしま県けんに大雨おおあめの特別とくべつ警報けいほうを発表はっぴょうしました。

5段階だんかいの警戒けいかいレベルのうち、最もっとも高たかいレベル5にあたる情報じょうほうで最大さいだい級きゅうの警戒けいかいが必要ひつようです。

気象庁きしょうちょうは、周囲しゅういの状況じょうきょうを確認かくにんし、避難ひなん場所ばしょまでの移動いどうが危険きけんな場合ばあいには近ちかくの頑丈がんじょうな建物たてものに移動いどうしたり、外そとに出でるのがすでに危険きけんな場合ばあいは建物たてものの2階かい以上いじょうで崖がけや斜面しゃめんと反対はんたい側がわの部屋へやに移動いどうしたりするなど、少すこしでも命いのちが助たすかる可能かのう性せいが高たかい行動こうどうを取とるよう呼よびかけています。

また、西日本にしにほんと東日本ひがしにっぽんの太平洋たいへいよう側がわを中心ちゅうしんに各地かくちで断続だんぞく的てきに激はげしい雨あめが降ふっていて、熊本くまもと県けんと鹿児島かごしま県けん、宮崎みやざき県けん、愛媛えひめ県けん、徳島とくしま県けん、高知こうち県けん、静岡しずおか県けん、長野ながの県けんでは、土砂どしゃ災害さいがいの危険きけん性せいが高たかまり土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい情報じょうほうが発表はっぴょうされている地域ちいきがあるほか、熊本くまもと県けんや宮崎みやざき県けん、鹿児島かごしま県けんでは、氾濫はんらんの危険きけん性せいが非常ひじょうに高たかい「氾濫はんらん危険きけん水位すいい」を超こえている川かわがあります。

前線ぜんせんが停滞ていたいするため、九州きゅうしゅうではこのあとしばらく局地きょくち的てきに猛烈もうれつな雨あめが降ふるおそれがあるほか、西日本にしにほんでは4日にち夕方ゆうがたにかけて、東日本ひがしにっぽんでは5日にち明け方あけがたにかけて激はげしい雨あめが降ふり、局地きょくち的てきには非常ひじょうに激はげしく降ふるおそれがあります。

5日にち朝あさまでの24時間じかんに降ふる雨あめの量りょうは、いずれも多おおいところで

▽東海とうかいで250ミリ、

▽九州きゅうしゅうと関東かんとう甲信こうしんで180ミリ、

▽近畿きんきで150ミリ、

▽四国しこくで120ミリ、

▽北陸ほくりくと東北とうほくで80ミリと予想よそうされ、

6日にち朝あさまでの24時間じかんには

▽九州きゅうしゅうと東海とうかいで100ミリから200ミリ、

▽四国しこくで100ミリから150ミリ、

▽北陸ほくりくと関東かんとう甲信こうしんで50ミリから100ミリと予想よそうされています。

気象庁きしょうちょうは、広ひろい範囲はんいで土砂どしゃ災害さいがいや低ひくい土地とちの浸水しんすい、川かわの氾濫はんらんに警戒けいかいするとともに、落雷らくらいや、竜巻たつまきなどの激はげしい突風とっぷうにも十分じゅうぶん注意ちゅういするよう呼よびかけています。

特別とくべつ警棒けいぼうが発表はっぴょうされた市町村しちょうそん

大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされた地域ちいきは、

熊本くまもと県けんの八代やしろ市し、上天じょうてん草市くさいち、天草あまくさ市し、水俣みなまた市し、芦北あしきた町まち、津奈木つなぎ町まち、人吉ひとよし市し、錦にしき町まち、多良木たらぎ町まち、湯前ゆのまえ町まち、水上みずかみ村むら、相良さがら村むら、五木いつき村むら、山江やまえ村むら、球磨くま村むら、あさぎり町まちです。

さらに、鹿児島かごしま県けんの阿久根あくね市し、出水いずみ市し、伊佐いさ市し、長島ながしま町まちです。

大雨おおあめの特別とくべつ警報けいほうとは

大雨おおあめの特別とくべつ警報けいほうは、土砂どしゃ災害さいがいや浸水しんすいなど、重大じゅうだいな災害さいがいが発生はっせいしている危険きけん性せいが極きわめて高たかいときに発表はっぴょうされます。

5段階だんかいの警戒けいかいレベルのうち最もっとも高たかい「レベル5」にあたる情報じょうほうで、数すう十じゅう年ねんに1度どしかないような、いわば「緊急きんきゅう事態じたい」であることを示しめす最大さいだい級きゅうの警報けいほうです。

特別とくべつ警報けいほうが出でた地域ちいきの方ほうは、少すこしでも命いのちが助たすかる可能かのう性せいが高たかい行動こうどうをとってください。避難ひなん勧告かんこくや避難ひなん指示しじなど自治体じちたいが発表はっぴょうする情報じょうほうに注意ちゅういして周まわりの状況じょうきょうをよく確認かくにんし、安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんする必要ひつようがあります。

ただ、激はげしい雨あめが降り続ふりつづいているため、土砂どしゃ災害さいがいや川かわの氾濫はんらんが発生はっせいしていたり、浸水しんすいが広ひろがっていたりする地域ちいきでは、外そとに出でて避難ひなんすると、かえって危険きけんな場合ばあいがあります。

周まわりの状況じょうきょうをよく確認かくにんし、外そとに出でることが難むずかしい場合ばあいには無理むりに避難ひなんせず、建物たてものの2階かい以上いじょうに上あがったり、崩くずれるおそれがある斜面しゃめんから離はなれた部屋へやに移うつったりして、建物たてものの中なかのできるだけ安全あんぜんな場所ばしょで身みを守まもってください。

また、特別とくべつ警報けいほうが出でていない地域ちいきでも、すでに大雨おおあめや洪水こうずいの警報けいほうが出でている場合ばあいには、今後こんご、状況じょうきょうが悪化あっかして、重大じゅうだいな災害さいがいが発生はっせいするおそれもあります。

特別とくべつ警報けいほう以外いがいの警報けいほうが出でている地域ちいきの方ほうも、天候てんこうの変化へんかや、避難ひなん勧告かんこくや避難ひなん指示しじといった自治体じちたいからの情報じょうほうに注意ちゅういして安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんしておくなど、早はやめに安全あんぜんを確保かくほしてください。

過去かこの大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほう

特別とくべつ警報けいほうは、気象庁きしょうちょうが7年ねん前まえの平成へいせい25年ねん8月つきに導入どうにゅうしました。

初はじめて特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされたのは導入どうにゅうした翌月よくげつの平成へいせい25年ねん9月つきで、台風たいふうの影響えいきょうで記録きろく的てきな大雨おおあめとなった滋賀しが県けんと京都きょうと府ふ、それに福井ふくい県けんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが出だされました。

平成へいせい27年ねん9月つきの「関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう」では栃木とちぎ県けんと茨城いばらき県けん、それに宮城みやぎ県けんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが出でました。関東かんとうや東北とうほくに「線せん状じょう降水こうすい帯たい」と呼よばれる発達はったつした帯状おびじょうの積乱雲せきらんうんがかかり続つづけ、記録きろく的てきな大雨おおあめとなって、茨城いばらき県けんの鬼怒きぬ川がわの堤防ていぼうが決壊けっかいするなどの大だい規模きぼな浸水しんすい被害ひがいが出でました。

平成へいせい29年ねん7月つきの「九州きゅうしゅう北部ほくぶ豪雨ごうう」では福岡ふくおか県けんと大分おおいた県けんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされ、猛烈もうれつな雨あめによって中小ちゅうしょう河川かせんの氾濫はんらんや土砂崩どしゃくずれなどの被害ひがいが出でました。

そして、おととし7月つきの「西日本にしにほん豪雨ごうう」では、停滞ていたいした前線ぜんせんの影響えいきょうで長時間ちょうじかん雨あめが降り続ふりつづき、全国ぜんこくの合あわせて11の府県ふけんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされました。

また、去年きょねん10月つき、東日本ひがしにっぽんや東北とうほくに甚大じんだいな被害ひがいをもたらした台風たいふう19号ごうでは一連いちれんの大雨おおあめとしては最もっとも多おおい、合あわせて13の都とと県けんに発表はっぴょうされました。

そして、今回こんかい熊本くまもと県けんと鹿児島かごしま県けんに大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされました。この2つの県けんに発表はっぴょうされたのは初はじめてです。

政府せいふ「官邸かんてい対策たいさく室しつ」で情報じょうほう収集しゅうしゅう

政府せいふは大雨おおあめへの対応たいおうを強化きょうかするため総理そうり大臣だいじん官邸かんていの危機きき管理かんりセンターに設置せっちした「官邸かんてい連絡れんらく室しつ」を、午前ごぜん7時じ15分ふんに「官邸かんてい対策たいさく室しつ」に切り替きりかえて情報じょうほう収集しゅうしゅうと警戒けいかいにあたっています。