香港ほんこん 保釈ほしゃくの周しゅう庭にわ氏し「日本にっぽんの皆みなさんからも応援おうえんいただいた」

周しゅう氏しは勾留こうりゅうされていた警察けいさつ署しょの前まえで取材しゅざいに応おうじ「日本にっぽんの皆みなさんからも応援おうえんをいただいたと弁護士べんごしから聞ききました」と日本語にほんごで述のべ、感謝かんしゃの意いを示しめしました。

警察けいさつの発表はっぴょうや香港ほんこんメディアによりますと、周あまね氏しは、同おなじ容疑ようぎで逮捕たいほされた男性だんせい2人にんとともに外国がいこくに対にたいし、中国ちゅうごくや香港ほんこん政府せいふに制裁せいさいを求もとめるＳＮＳ上じょうのグループに関係かんけいした疑うたがいが持もたれているということです。

警察けいさつはまた、おととい逮捕たいほし保釈ほしゃくを認みとめた、中国ちゅうごくに批判ひはん的てきな論調ろんちょうで知しられる「リンゴ日報にっぽう」の創業そうぎょう者しゃ、黎はじむ智英ともひで氏しらが外国がいこくの銀行ぎんこう口座こうざを使つかってこのグループに資金しきんを援助えんじょした疑うたがいがあるとして、起訴きそに向むけた捜査そうさを続つづけています。

これに対にたいして周あまね氏しは「いったいどういう理由りゆうでどんな形かたちで法律ほうりつに違反いはんするものに参加さんかしたとされたのか、聞きかされていない」と反論はんろんしたうえで、「国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうをまさに政治せいじ的てきな弾圧だんあつのために利用りようしたものだ」と述のべ、香港ほんこん政府せいふの対応たいおうを批判ひはんしています。

周しゅう氏し 拘留こうりゅう中ちゅう 欅けやき坂ざか46の曲きょくの歌詞かしがずっと頭あたまに浮うかぶ

周しゅう庭にわ氏しは日本にっぽん時間じかんの12日にち未明みめい、保釈ほしゃく金きんを納付のうふして保釈ほしゃくされました。

周しゅう氏しによりますと、保釈ほしゃく金きんの額がくは2万まん香港ドルほんこんどる（日本にっぽん円えんでおよそ27万まん円えん）で、パスポートは没収ぼっしゅうされたということです。

周しゅう氏しは勾留こうりゅうされていた警察けいさつ署しょを出でたあと、集あつまった日本にっぽんのメディアに対にたいし、日本にっぽん語ごで取材しゅざいに応おうじました。

この中なかで周しゅう氏しは「本当ほんとうにとても突然とつぜんで、心こころの準備じゅんびができていないまま逮捕たいほされました。民主みんしゅ化か運動うんどうに参加さんかして今いままで4回かい逮捕たいほされましたが、正直しょうじき今回こんかいが一番いちばん怖こわく、きつかったです」と話はなしました。

そのうえで「拘束こうそくされている間ま、たくさんの香港ほんこん市民しみん、日本にっぽんや世界せかいの皆みなさんから応援おうえんをいただき、また日本にっぽんの皆みなさんが私わたしのためにハッシュタグを作つくったことも弁護士べんごしから聞ききました。本当ほんとうにありがとうございます」と感謝かんしゃの思おもいを語かたりました。

一方いっぽう、逮捕たいほ容疑ようぎについては「理由りゆうや証拠しょうこを全まったく把握はあくしていないし、どういう形かたちで香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうに違反いはんしたのか、過去かこの24時間じかん、全まったく聞きいておらず、わかっていない部分ぶぶんがたくさんあります」とも指摘してきしました。

そして、香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうを政治せいじ的てきな弾圧だんあつをするために利用りようしたのではないかと批判ひはんしたうえで、「引き続ひきつづき、香港ほんこんの民主みんしゅ化か運動うんどう、民主みんしゅ主義しゅぎ、そして自由じゆうのため、戦たたかっていきます」と話はなしていました。

また周あまね氏しは、日本にっぽんのアイドルグループ「欅けやき坂ざか46」のヒット曲きょくで、

同調どうちょう圧力あつりょくに負まけることなく、自身じしんの意志いしを貫つらぬく強つよさを歌うたった、「不協和音ふきょうわおん」の歌詞かしが、勾留こうりゅう中ちゅう、ずっと頭あたまに浮うかんでいたとも話はなしていました。

黎はじむ智英ともひで氏し 闘たたかう姿勢しせいを強調きょうちょう

中国ちゅうごくに批判ひはん的てきな論調ろんちょうで知しられる新聞しんぶん「リンゴ日報にっぽう」の創業そうぎょう者しゃで、10日にち、香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうに違反いはんした疑うたがいで逮捕たいほされた黎はじむ智英ともひで氏しは、12日にち未明みめいに保釈ほしゃくされ、午前ごぜん、新聞しんぶん社しゃに出社しゅっしゃし、社員しゃいんらに拍手はくしゅで出迎でむかえられると「支持しじしてくれる市民しみんを失望しつぼうさせないよう、引き続ひきつづきふんばろう」と呼よびかけ、闘たたかう姿勢しせいをつらぬくことを強調きょうちょうしました。

「リンゴ日報にっぽう」は10日にち、黎はじむ氏しの逮捕たいほに合あわせて警察けいさつが社内しゃないを捜索そうさくした際さい、新聞しんぶん社しゃが運営うんえいする基金ききんに関連かんれんした資料しりょうなどが押収おうしゅうされ、その中なかには関係かんけいのない取材しゅざいに関かかわる資料しりょうも含ふくまれていると明あきらかにしました。

これについて「リンゴ日報にっぽう」は、報道ほうどうの自由じゆうを脅おびやかすものだと批判ひはんしたうえで、警察けいさつが取材しゅざいに関連かんれんした資料しりょうを見みられなくするため、裁判所さいばんしょにこうした資料しりょうの閲覧えつらんを差し止さしとめるよう申し立もうしたてを行おこなうということです。

市民しみんの間までは、新聞しんぶんを買かって支持しじしようという呼よびかけが広ひろがっており、「リンゴ日報にっぽう」は11日にちに続つづき、12日にちも通常つうじょうの8倍ばい近ちかく発行はっこうしているということです。

中国ちゅうごく共産党きょうさんとう機関きかん紙し 周しゅう氏しを激はげしく非難ひなん

中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの機関きかん紙し「人民日報じんみんにっぽう」の海外かいがい版ばんは、香港ほんこんの民主みんしゅ活動かつどう家かの

周しゅう庭にわ氏しについて、「香港ほんこんの秩序ちつじょを乱みだす者ものたちからは民主みんしゅ化か運動うんどうの『女神めがみ』などと呼よばれていたが、その実態じったいは、日本にっぽんの反はん中国ちゅうごく的てきな政治せいじ家からにひざまずき、外国がいこくにこびる無能むのうで暴力ぼうりょく的てきな人物じんぶつだということは、香港ほんこんのインターネット上じょうの一致いっちした見解けんかいだ」などと激はげしく非難ひなんするとともに、厳きびしく罰ばっせられるべきだとしています。

流りゅうちょうな日本語にほんごを使つかい、香港ほんこんの民主みんしゅ化か運動うんどうへの支持しじを訴うったえる周あまね氏しについて、中国ちゅうごくの指導しどう部ぶは、日本にっぽんを巻き込まきこんで反はん中国ちゅうごく的てきな動うごきを引き起ひきおこそうとしているとして、強つよく警戒けいかいしているものとみられます。

超党派ちょうとうは議連ぎれん 中国ちゅうごく共産党きょうさんとうや香港ほんこん当局とうきょくに抗議こうぎの緊急きんきゅう声明せいめい

香港ほんこんで国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうに違反いはんした疑うたがいで民主みんしゅ活動かつどう家からが逮捕たいほされたことを受うけ、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいは、思想しそうや言論げんろんの自由じゆうなど基本きほん的てき人権じんけんをじゅうりんする行為こういは許ゆるされないとして、中国ちゅうごく共産党きょうさんとうや香港ほんこん当局とうきょくに抗議こうぎする緊急きんきゅう声明せいめいを取とりまとめました。

国会こっかい内ないで開ひらかれた議員ぎいん連盟れんめいの会合かいごうには、自民党じみんとうの中谷なかたに 元もと防衛ぼうえい大臣だいじんや国民こくみん民主みんしゅ党とうの山尾やまお志こころざし桜さくら里さと衆議院しゅうぎいん議員ぎいんらが出席しゅっせきしました。

日本にっぽんで暮くらしているという香港ほんこん市民しみんもマスクなどをつけて参加さんかし、民主みんしゅ活動かつどう家かの周しゅう庭にわ氏しらの逮捕たいほを受うけ、「国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうは威嚇いかくではなく人権じんけんと自由じゆうを奪い取うばいとる道具どうぐになった」などと訴うったえました。

そして、会合かいごうでは「思想しそうや言論げんろんの自由じゆうなど基本きほん的てき人権じんけんをじゅうりんする行為こういは許ゆるされない」として、中国ちゅうごく共産党きょうさんとうや香港ほんこん当局とうきょくに抗議こうぎする緊急きんきゅう声明せいめいを取とりまとめました。

また、日本にっぽん政府せいふに対にたいして、香港ほんこん当局とうきょくからの国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほう違反いはんを理由りゆうとした捜査そうさの協力きょうりょくに応おうじないことや、香港ほんこん市民しみんがビザなしで日本にっぽんに滞在たいざいできる期間きかんを延長えんちょうすることなどを求もとめました。

香港ほんこん 保釈ほしゃく制度せいどと国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほう違反いはんの事例じれい

香港ほんこんの警察けいさつの職務しょくむについて定さだめた「香港ほんこん警隊たい条例じょうれい」によりますと、警察けいさつが逮捕たいほした容疑ようぎ者しゃを勾留こうりゅうできるのは原則げんそくとして48時間じかんまでとされていて、それまでに保釈ほしゃくされるケースがほとんどです。

この48時間じかんに起訴きそされる場合ばあいと、保釈ほしゃくされ、在宅ざいたくで捜査そうさが続つづく場合ばあいがあります。

保釈ほしゃくされる際さいには、保釈ほしゃく金きんの支払しはらいやパスポートの差し押さしおさえなどの条件じょうけんが付つくことがあり、定期ていき的てきに警察けいさつ署しょに出向でむいて所在しょざいを報告ほうこくすることが求もとめられることがあります。

また、警察けいさつのその後そのごの捜査そうさで十分じゅうぶんな証拠しょうこが集あつまったと判断はんだんされれば、起訴きそされますが、起訴きそは数すうか月かげつ後ごや数すう年ねん後ごになるケースもあります。

香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうでは、この法律ほうりつに違反いはんした事件じけんについても原則げんそくとして香港ほんこんの当局とうきょくが捜査そうさし、香港ほんこんの裁判所さいばんしょで司法しほう手続てつづきがとられ、裁判さいばんは公開こうかいで行おこなわれるとしています。

しかし、香港ほんこんの当局とうきょくでは取り扱とりあつかうことが難むずかしいと判断はんだんされる重大じゅうだいな事案じあんでは、香港ほんこんにある中国ちゅうごくの治安ちあん機関きかんの出先でさきである国家こっか安全あんぜん維持いじ公おおやけ署しょが直接ちょくせつ捜査そうさし、中国ちゅうごくの裁判所さいばんしょに起訴きそすることもできるとしています。

香港ほんこんの警察けいさつによりますと、香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうに違反いはんしたとしてこれまでに逮捕たいほされたのは、周しゅう庭にわ氏しや新聞しんぶんの創業そうぎょう者しゃ、黎はじむ智英ともひで氏しなど、21人にんに上のぼります。

このうち起訴きそされたのは、スローガンが書かかれた旗はたを掲かかげてバイクで警察官けいさつかんの列れつに突っ込つっこんだ疑うたがいで逮捕たいほされた1人にんで、保釈ほしゃくが認みとめられず、勾留こうりゅうが続つづいています。

そのほかは、いずれも保釈ほしゃくされています。

周しゅう庭にわ氏しと同様どうよう、民主みんしゅ活動かつどう家かが逮捕たいほされたケースとして、先月せんげつ29日にちに国くにの分裂ぶんれつをあおったなどとして逮捕たいほされた、香港ほんこんの独立どくりつを主張しゅちょうする団体だんたい「学がく生動せいどう源げん」の19歳さいの元もと代表だいひょうは、逮捕たいほから2日にち後ごに保釈ほしゃくされています。

専門せんもん家か「中国ちゅうごく国内こくないの安定あんてい・安全あんぜんという政策せいさく順位じゅんいが明あきらかに」

中国ちゅうごく政治せいじが専門せんもんで、おととしまで２に年間ねんかん、香港ほんこんの日本にっぽん総領事館そうりょうじかんに勤務きんむしていた、慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがく総合そうごう政策せいさく学部がくぶの加茂かも具ぐ樹じゅ教授きょうじゅは、今回こんかいの逮捕たいほをめぐる背景はいけいについて、「中国ちゅうごくの経済けいざい発展はってんに安定あんていした国際こくさい関係かんけいの維持いじは極きわめて重要じゅうようだが、それ以上いじょうに重要じゅうようなのは国内こくないの安定あんてい・安全あんぜんだという政策せいさくの順位じゅんいが明あきらかになる出来事できごとだったと感かんじる。国際こくさい的てきな批判ひはんがあっても、この問題もんだいで譲歩じょうほせず、国内こくないには強つよい指導しどう部ぶだという姿勢しせいを示しめすメッセージ性せいがある」と分析ぶんせきしています。

また、周しゅう庭にわ氏しの今後こんごについては、「香港ほんこん国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうは、国家こっかの安全あんぜんが重大じゅうだいな脅威きょういに直面ちょくめんするなどした場合ばあいは、どこで裁判さいばんを開ひらくか決きめることができるとしているので、中国ちゅうごく政府せいふの判断はんだんになるが、中国ちゅうごく大陸たいりくで司法しほう手続てつづきが進すすむ可能かのう性せいも残のこされている」と指摘してきしました。

また、これまでも日本にっぽんに向むけて頻繁ひんぱんに情報じょうほうを発信はっしんしてきた周あまね氏しの逮捕たいほについては、「中国ちゅうごくの近隣きんりん諸国しょこくで、自由じゆうと民主みんしゅの価値かち観かんの枠わくで政治せいじ運動うんどうや活動かつどうをする空間くうかんが維持いじされているのは、おそらく日本にっぽんだ。周あまね氏しが日本にっぽんのメディアの取材しゅざいに応おうじたり、学術がくじゅつ的てきな交流こうりゅうをしたりして、香港ほんこんの民主みんしゅ活動かつどうが日本にっぽん社会しゃかいに浸透しんとうしていくのを、中国ちゅうごく政府せいふは見みていたのだろう」と述のべました。

そして、中国ちゅうごくや香港ほんこんのメディアには周あまね氏しと日本にっぽんとの関係かんけいを強つよく批判ひはんする記事きじがあることについて、政府せいふの考かんがえかメディアの考かんがえかは慎重しんちょうに検討けんとうする必要ひつようがあるとしたうえで、「中国ちゅうごく政府せいふが周しゅう氏しが日本語にほんごを使つかって日本にっぽんと緊密きんみつに交流こうりゅうするのに、大おおきな問題もんだいや関心かんしんを抱だいた可能かのう性せいもある」という見方みかたを示しめしました。