東京とうきょうパラまで1年ねん 競技きょうぎ団体だんたい 新型しんがたコロナで協賛きょうさん金きん減げんなどの影響えいきょうも

新型しんがたコロナウイルスによる業績ぎょうせき悪化あっかなどを理由りゆうに26の競技きょうぎ団体だんたいのおよそ2割わりがスポンサー企業きぎょうから協賛きょうさん金きんを減額げんがくされるなどの影響えいきょうを受うけていることがわかりました。パラリンピックの競技きょうぎ団体だんたいの半数はんすう以上いじょうは、選手せんしゅの強化きょうかや競技きょうぎの普及ふきゅうに使つかう資金しきんの80％以上いじょうをスポンサーの協賛きょうさん金きんや国くにからの助成じょせい金きんで賄まかなっています。

今月こんげつ20日にちまでに国内こくない26の競技きょうぎ団体だんたいすべてに今年度こんねんどのスポンサーによる支援しえんの現状げんじょうを聞きいたところ、陸上りくじょうや自転車じてんしゃなど、全体ぜんたいのおよそ2割わりにあたる5つの団体だんたいが協賛きょうさん金きんの減額げんがくなどの影響えいきょうを受うけていることがわかりました。

具体ぐたい的てきには協賛きょうさん金きんを減額げんがくされたのが3団体だんたい、協賛きょうさん金きんの減額げんがくを打診だしんされたのが1団体だんたい、契約けいやくを打ち切うちきられたのが1団体だんたいとなっています。

こうしたスポンサー企業きぎょうの多おおくは旅行りょこうや衣料いりょう品ひん販売はんばいなどウイルスに伴ともなう自粛じしゅく要請ようせいの影響えいきょうが大おおきかった業種ぎょうしゅで今年度こんねんど、300万まん円えん余あまり減額げんがくされた団体だんたいもあったということです。

また、ウイルスの影響えいきょうで、スポンサーにとってＰＲぴ-あ-るの機会きかいとなる大会たいかいの中止ちゅうしが続つづいていて、競技きょうぎ団体だんたいではパラリンピックの本番ほんばんを迎むかえる来年らいねん度どまで今いまの契約けいやくを維持いじすることができるのか不安ふあんの声こえが依然いぜんとしてあがっています。

戦略せんりゃく的てきに動き出うごきだしている団体だんたいも

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで、スポンサーから協賛きょうさん金きんを減額げんがくされる競技きょうぎ団体だんたいがある中なかで新あらたな支援しえんを確保かくほしようと、戦略せんりゃく的てきに動き出うごきだしている団体だんたいもあります。

このうち、これまでパラリンピックで30個このメダルを獲得かくとくした柔道じゅうどうの競技きょうぎ団体だんたい、「日本にっぽん視覚しかく障害しょうがい者しゃ柔道じゅうどう連盟れんめい」はスポンサー契約けいやくを結むすんでいる15社しゃから今いまのところ、契約けいやくを打ち切うちきられたり協賛きょうさん金きんを減額げんがくされたりはしていないということです。

ただ、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうが続つづいていることから協賛きょうさん金きんの減額げんがくなどにも備そなえるため新あらたなスポンサーを確保かくほしようと先月せんげつからさまざまな取り組とりくみを始はじめました。

連盟れんめいの松下まつした邦彦くにひこ総務そうむ部長ぶちょうはさまざまな資料しりょうを読み込よみこんで新あらたなスポンサーになってくれる可能かのう性せいが高たかい企業きぎょうとして、コロナの影響えいきょうが続つづく中なかでも増収ぞうしゅうや増益ぞうえきが見込みこめること、社会しゃかい貢献こうけん活動かつどうに積極せっきょく的てきなこと、代表だいひょう候補こうほ選手せんしゅの地元じもとに本社ほんしゃがあることなどの条件じょうけんを満みたす150社しゃをリストアップしました。

150社しゃには支援しえんを依頼いらいする文書ぶんしょとともに、ゆかりのある選手せんしゅがいる場合ばあいには紹介しょうかいする記事きじを同封どうふうして郵送ゆうそうしましたが、これまでに返信へんしんがあった40社しゃのうち39社しゃからは「協賛きょうさんはできない」と回答かいとうされたということです。

ただ、残のこりの1社しゃについては交渉こうしょうした結果けっか、本社ほんしゃのある地域ちいき出身しゅっしんの選手せんしゅへの支援しえんなどについて、検討けんとうすると回答かいとうされたということです。

今回こんかいの取り組とりくみについて松下まつした総務そうむ部長ぶちょうは「待まっているだけでは支援しえんしていただける企業きぎょうがどんどん減へっていくので今いまがサポートしてくれる企業きぎょうを新あらたに探さがすチャンスだと考かんがえた」と話はなしています。

そのうえで「協賛きょうさんを検討けんとうしてくれる企業きぎょうがあったことがうれしい。支援しえんを断ことわられた企業きぎょうの中なかにも『もう少もうすこし時間じかんがたてば協賛きょうさんも考かんがえます』というメッセージを寄よせてくれたところがあった。今後こんごも支援しえんを呼よびかける取り組とりくみは続つづけたい」と話はなしていました。

感染かんせんリスク乗り越のりこえて 競泳きょうえい 木村きむら敬一けいいち選手せんしゅ

東京とうきょうパラリンピック、競泳きょうえいのエース、木村きむら敬一けいいち選手せんしゅ（29）は目めが見みえないため人ひとやものと頻繁ひんぱんに接触せっしょくせざるをえず、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんリスクに常つねに直面ちょくめんしながらも来年らいねんの本番ほんばんでの金メダルきんめだる獲得かくとくに向むけてトレーニングを本格ほんかく化かさせています。

2歳さいの時ときに病気びょうきで視力しりょくを失うしなった木村きむら選手せんしゅは前回ぜんかいリオデジャネイロ大会たいかいまで3大会たいかい連続れんぞくでパラリンピックに出場しゅつじょうし、銀ぎんと銅どう合あわせて6つのメダルを獲得かくとくしたパラ競泳きょうえいのエースで、すでに東京とうきょうパラリンピックの代表だいひょうに内定ないていしています。

木村きむら選手せんしゅはおととしからアメリカの大学だいがくを拠点きょてんに強化きょうかを続つづけてきましたが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいによってプールや滞在たいざい先さきの施設しせつが閉鎖へいさされ、ことし3月つきに途中とちゅうでの帰国きこくを余儀よぎなくされました。

さらに木村きむら選手せんしゅは全まったく目めが見みえないため、介助かいじょ者しゃの肩かたや腕うでに触ふれたり消毒しょうどく液えきの置き場おきば所しょやエレベーターのボタンを手探てさぐりで探さがしたりするなど人ひとやものに頻繁ひんぱんに接触せっしょくせざるをえず、常つねに感染かんせんのリスクにさらされています。

木村きむら選手せんしゅは手ての消毒しょうどくを徹底てっていするなど対策たいさくを行おこなっていますが、「触ふれなかったら感染かんせんしないかもしれないが、生活せいかつが成り立なりたたず、生いきていけない。触ふれることは目めが見みえる人ひとが呼吸こきゅうすることと同おなじで避さけられない」と対策たいさくの難むずかしさを語かたります。

それでも来年らいねんの東京とうきょうパラリンピックで悲願ひがんの金メダルきんめだる獲得かくとくを目指めざして7月つき下旬げじゅんには、酸素さんそ濃度のうどが低ひくい高地こうちの環境かんきょうを再現さいげんする特殊とくしゅなプールで、視覚しかく障害しょうがいのクラスでトップを争あらそうライバルの富田とみた宇宙うちゅう選手せんしゅと2人にんで合宿がっしゅくを行おこなうなど、トレーニングを本格ほんかく化かさせています。

木村きむら選手せんしゅは世界せかいが新型しんがたコロナウイルスの脅威きょういと闘たたかいつづける中なかだからこそ、パラリンピックを開催かいさいする意味いみがあると考かんがえています。

木村きむら選手せんしゅは「パラリンピックがやれる状況じょうきょうになったら、それは世界せかいが平和へいわへ向むけて歩あゆみ出だした瞬間しゅんかんだと思おもう。パラリンピックは人間にんげんの可能かのう性せいを示しめすもので、それを見みてもらうことが新型しんがたコロナウイルスで疲弊ひへいした社会しゃかいが立ち上たちあがっていけるきっかけの一いち歩ほになると思おもう」と話はなしていました。