菅官房長官 地方議員とオンライン会談
菅官房長官を支持する細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派の5つの派閥と菅氏に近い無派閥の議員で作る陣営は、4日午後、東京都内のホテルに選挙対策本部を発足させました。
この中で、選挙対策本部長を務める小此木元国家公安委員長は「選挙の期間中も投票日も、菅氏は官房長官の公務をしながら臨むことになる。1人1人が菅氏に代わって、多くの支持をもらえるようにお願いしてもらいたい」と述べました。
そして、各都道府県連で予備選挙などを実施する動きが広がっていることを踏まえ、地方票の獲得に向けて、党員への働きかけを強めていくことを確認しました。
菅官房長官は、4日の日中、議員会館のみずからの事務所で、地方議員とオンラインで会談し、総裁選挙に向けた支援を呼びかけました。
菅官房長官は午後の記者会見で、自民党総裁選挙の期間中の定例記者会見について、「ほかのスケジュールでどうしても私が困難な場合は、官房副長官に代行をお願いしたいと思うが、基本的には私が行う」と述べました。
また、記者団が、政治家としての長所をどう自己分析しているか質問したのに対し、「こうした場で答えにくい質問だが、7年8か月、官房長官として、危機管理をはじめ内外の幅広い重要課題の調整、決定に携わってきた経験はあると言えるのではないか」と述べました。
そして、記者団から、立候補を表明する際、政治の師と仰ぐ梶山静六元官房長官も総裁選挙に挑戦したことが頭によぎったか質問されたのに対し、「自分自身で立候補を判断するに至っては、いろいろなことを考えながら判断した」と述べました。
菅官房長官と同じ法政大学出身の山本拓元農林水産副大臣や松下新平元総務副大臣ら5人の自民党の国会議員が、4日午後、菅氏と議員会館の事務所で面会し、激励しました。
法政大学出身の自民党の国会議員は現在8人で、菅氏は「母校の名誉のためにも一生懸命頑張りたい」と応じたということです。
このあと、秋本真利衆議院議員は、記者団に対し、「法政大学出身の総理大臣はおらず、大学の長い歴史の中で初の総理大臣にぜひなってもらいたい」と述べました。
岸田政調会長 福岡で県連幹部と面会
岸田政務調査会長は、東京都内で記者団に対し、今回の総裁選挙で党員投票を実施しないことについて、「国民は『何か特別な意図があるのではないか』という思いを持っている。『党則のとおりで問題ない』と突き放すのではなく、なぜこうなったのか、理由を丁寧に説明しないと、誤解を引きずり、党のイメージに関わることになる。執行部には適切に対応してもらいたい」と述べました。
また、衆議院の解散時期について、岸田氏は「インフルエンザの流行時期を前に、新型コロナウイルスへの対応をしっかりやるのは当然だが、政治は絶えず変化し、課題になるテーマも変化していくので、どういう動きになるかはわからない。必要があれば選挙を行うことは当然あり得る。その時の総理大臣の決断、判断だ」と述べました。
岸田政務調査会長は、4日午後、福岡市を訪れ、地元の県連幹部と面会しました。
この中で、岸田氏は「総裁選挙に強い思いで臨みたい。よろしくお願いします」と支援を呼びかけたのに対し、県連の幹部は「予備選挙の実施にあたっては公平公正に対応します。頑張ってください」と応じました。
このあと、岸田氏は記者団に対し、「新型コロナウイルス対策で活動は制限されるが、全国の党員の声は大変重要だ。限られた期間だが、できるだけ多くの県に足を運び、その地域の課題についてどう考えているか丁寧に発信したい」と述べました。
そのうえで岸田氏は、「各派閥の判断は、政策以外の要素もあると思うが、最後まで政策や政治姿勢をしっかり訴え、候補者の違いや個性を見てもらうことが大事だ。私に対する見方を変えられると信じて発信を続けたい」と述べました。
石破元幹事長 政策を発表
石破元幹事長は、4日午後、国会内で記者会見し、総裁選挙で訴える政策を発表しました。
この中で石破氏は「1人1人が幸せだと思える国を作っていきたい。国民に納得してもらう政治をしたい」と述べ、「納得と共感」というスローガンを強調しました。
そのうえで、地方の活性化を進めるため、新たに「東京一極集中是正担当大臣」を設け、農林水産業や中小企業の振興を図るなどして、今世紀中ごろまでにおよそ300万人の地方移住を実現させることを目指すとした構想を打ち出しました。
また、アベノミクスによって、企業の収益が増えた一方、所得格差が固定化されたとして、低所得者や子育て世代への支援を拡充するとしています。
一方、憲法改正については、平成24年にまとめた党の改正草案に沿って進めるべきだとして、「国民の理解を得つつ、真正面から向き合う」としています。
石破氏は、「それぞれの候補者が政策を申し述べ、よりよい党や国の在り方につながるよう、全身全霊を挙げて語っていきたい」と述べました。