Actualités japonaises: プーチン大統領反転攻勢でウクライナに「深刻な損失」と主張

プーチン大統領だいとうりょう反転はんてん攻勢こうせいでウクライナに「深刻しんこくな損失そんしつ」と主張しゅちょう

Jun 14, 2023 08:06

Furigana

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、ウクライナ軍ぐんによる反転はんてん攻勢こうせいについて、ロシア軍ぐんが撃退げきたいし、ウクライナ側がわに「深刻しんこくな損失そんしつが出でている」と主張しゅちょうした上うえで、軍事ぐんじ侵攻しんこうを推し進おしすすめる姿勢しせいを改あらためて強調きょうちょうしました。ロシア軍ぐんが反撃はんげきを阻止そししているという主張しゅちょうを国内外こくないがいに誇示こじしたいねらいとみられます。

ロシアからの領土りょうど奪還だっかんを目指めざすウクライナの国防こくぼう省しょうは12日にち、東部とうぶドネツク州しゅうや南部なんぶザポリージャ州しゅうで7つの集落しゅうらくを奪還だっかんしたと発表はっぴょうし、反転はんてん攻勢こうせいを本格ほんかく化かさせています。

一方いっぽう、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは13日にち、首都しゅとモスクワのクレムリンでロシア軍ぐんに従軍じゅうぐんする記者きしゃを集あつめた会合かいごうを開ひらきました。

このなかで、プーチン大統領だいとうりょうは、ウクライナの反転はんてん攻勢こうせいが今月こんげつ4日にちから始はじまったとしたうえで「敵てきは成功せいこうせず、多大ただいな死傷ししょう者しゃを出だしている。われわれの損失そんしつは、ウクライナ軍ぐんの10分ぶんの1ほどだ」と述のべ、ロシア軍ぐんが撃退げきたいしていると強調きょうちょうしました。

また「ウクライナ軍ぐんは160両りょう以上いじょうの戦車せんしゃや、360台だい以上いじょうの装甲車そうこうしゃを失うしなった。これは外国がいこくから供与きょうよされた軍装ぐんそう備品びひんの25％、おそらく30％に相当そうとうする」と述のべ、ウクライナ軍ぐんや欧米おうべいから供与きょうよされた兵器へいきに「深刻しんこくな損失そんしつ」が出でていると主張しゅちょうしました。

そのうえで、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて「状況じょうきょうに応おうじて変かえているが、基本きほん的てきには何なにも変かわらない」と述のべ、推し進おしすすめる姿勢しせいを改あらためて強調きょうちょうしました。

さらに、ウクライナ南部なんぶでダムが決壊けっかいし発生はっせいした大だい規模きぼな洪水こうずいについて、ウクライナ側がわの攻撃こうげきによるものだとして、ロシアが破壊はかいしたとのウクライナ側がわの非難ひなんに反論はんろんしました。

ウクライナが反転はんてん攻勢こうせいを本格ほんかく的てきに進すすめる中なか、プーチン大統領だいとうりょうとしては、ロシア軍ぐんが反撃はんげきを阻止そししているという主張しゅちょうを国内外こくないがいに誇示こじしたいねらいとみられます。

新あらたな動員どういん「いまは必要ひつようない」も今後こんごに含ふくみ

記者きしゃから新あらたな動員どういんの可能かのう性せいについて質問しつもんを受うけたプーチン大統領だいとうりょうは、軍事ぐんじ侵攻しんこうの当初とうしょ、ロシア軍ぐんが首都しゅとキーウ周辺しゅうへんまで進軍しんぐんしたことに言及げんきゅうし「われわれは、そこに戻もどるべきか、戻もどらざるべきか。それに答こたえられるのは私わたしだけだ」と述のべたうえで「われわれが、どのような目標もくひょうを設定せっていするかしだいで、動員どういんの問題もんだいにも対処たいしょしなければならないが、いまはその必要ひつようはない」と述のべ現時点げんじてんでは追加ついかの動員どういんの必要ひつようはないとする考かんがえを示しめした一方いっぽうで、今後こんごの対応たいおうには含ふくみを持もたせました。

プーチン大統領だいとうりょうは、ことし2月つき以来いらい、およそ15万まん6000人にんが契約けいやく軍人ぐんじんとしてロシア軍ぐんに加くわわったと主張しゅちょうし「国防省こくぼうしょうは今いまのところ動員どういんの必要ひつよう性せいはないとしている」とも述のべました。

また、プーチン大統領だいとうりょうは、ロシア全土ぜんどで戒厳かいげん令れいを出だす必要ひつよう性せいはないという考かんがえを示しめし、国民こくみんの間までくすぶる不安ふあんの払拭ふっしょく(ふっしょく)を図はかるねらいもあるとみられます。

農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつ合意ごうい破棄はきする考かんがえも

ウクライナからの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつをめぐるロシアとウクライナの合意ごういについては「この合意ごういからの離脱りだつを検討けんとうしている」と述のべ、合意ごういを破棄はきする構かまえを示しめしました。

プーチン大統領だいとうりょうは「残念ざんねんながら、彼かれらは再ふたたびわれわれをだました。ロシアの穀物こくもつの外国がいこく市場しじょうへの供給きょうきゅうについて何なにもしなかった」と主張しゅちょうし、欧米おうべいなどの制裁せいさいによってロシア産さんの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつが滞とどこおっていることが理由りゆうだとして、ウクライナや欧米おうべい側がわをけん制けんせいしました。

そのうえで「第だい1に合意ごういへの参加さんかを中止ちゅうしし、第だい2に貧まずしい国々くにぐにに穀物こくもつを無償むしょうで提供ていきょうすることを検討けんとうしている」と主張しゅちょうし、農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつをめぐり、近ちかくアフリカ各国かっこくの首脳しゅのうをロシアに招まねき、協議きょうぎする考かんがえを示しめしました。

国境こっきょう強化きょうか示しめす一方いっぽうで兵器へいき不足ふそく認みとめる

また、ロシア西部せいぶベルゴロド州しゅうなどウクライナと国境こっきょうを接せっする地域ちいきで砲撃ほうげきや無人むじん機きによる攻撃こうげきが続つづいていることについて「国境こっきょうを強化きょうかする必要ひつようがある。この作業さぎょうは急速きゅうそくに進すすめられ、目標もくひょうは達成たっせいされるだろう」と述のべました。

そのうえで「ウクライナの領土りょうど内ないにロシアに到達とうたつできないように、ある種たねの『衛生えいせい地帯ちたい』を作つくることを検討けんとうする必要ひつようもあるだろう。きょう、あすの話はなしではなく、状況じょうきょうを見守みまもる必要ひつようがある」と述のべ、ウクライナからの砲撃ほうげきを防ふせぐためとして、国境こっきょう地域ちいきに何なんらかの緩衝かんしょう地帯ちたいをつくる考かんがえを示唆しさした可能かのう性せいがあります。

一方いっぽう、プーチン大統領だいとうりょうは「特別とくべつ軍事ぐんじ作戦さくせんの過程かていで、多おおくのものが不足ふそくしていることが明あきらかになった。精密せいみつ誘導ゆうどう兵器へいき、通信つうしんシステム、航空こうくう機き、無人むじん機きなどだ。最新さいしんの対たい戦車せんしゃシステムや、戦車せんしゃも必要ひつようだ」と述のべ、ロシア軍ぐんは兵器へいきが不足ふそくしていると認みとめました。

そのうえで「この1年間ねんかんで主要しゅような兵器へいきの製造せいぞう量りょうは2.7倍ばいに、最もっとも需要じゅようの高たかい分野ぶんやでは10倍ばいに増加ぞうかした」と述のべ、兵器へいきの増産ぞうさんに一層いっそう取り組とりくむ必要ひつようがあると強調きょうちょうしました。

また、欧米おうべいが戦車せんしゃの装甲そうこうを貫通かんつうする能力のうりょくが高たかい劣化れっかウラン弾だんをウクライナに供与きょうよしているとして「ウクライナが使用しようするのであれば、われわれもそれを使用しようする権利けんりをもっている」と述のべました。

そのうえで、プーチン大統領だいとうりょうは「アメリカは、ほぼ直接ちょくせつ、この紛争ふんそうに没頭ぼっとうし、国際こくさい安全あんぜん保障ほしょうの深刻しんこくな危機ききを引き起ひきおこしている」と主張しゅちょうし、ウクライナへの軍事ぐんじ支援しえんを強つよめる欧米おうべい側がわを批判ひはんしました。