この中で、貴乃花親方は退職の理由については言及せず、25日午後5時から記者会見を開くということです。
また、貴乃花部屋に所属する力士、床山、世話人については所属先を変更する願いを相撲協会に提出したことも明らかにしました。
これについて相撲協会の幹部は、代理人が届けを持参したことを認めたうえで、退職届を受理するかどうかはこれから話し合うことだとしています。
貴乃花親方は、みずからの名前を冠した貴乃花一門を率いて、ことし1月に解任されるまで相撲協会の理事を務めていましたが、元横綱・日馬富士の傷害事件やことし2月に行われた理事候補選挙の対応など一連の問題の責任を取る形でみずからの一門から離脱し、無所属で活動していました。
相撲協会がことし7月の理事会で、すべての親方は現在ある5つの一門のいずれかに所属することが義務づけたことで、貴乃花親方の去就が注目されていました。
こうした中、貴乃花親方は24日、部屋の後援会のホームページで「皆様、長らく貴乃花を応援してくださりありがとうございました。厚くお礼を申し上げるとともに弟子たちを今後、末永く応援賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます」と掲載していました。
報道機関への文書の内容は
貴乃花親方は25日、報道機関に向けて「私、貴乃花光司は、本日、日本相撲協会に対し、年寄を退職させていただく旨の退職届、及び貴乃花部屋に所属する弟子、床山、世話人全員について所属先を変更させていただきたい旨の変更願いを提出いたしました」との文書を送り、退職届と弟子などの所属先変更願いを、日本相撲協会に提出したことを明らかにしました。
ネット上にさまざまな反応
大相撲の元横綱、貴乃花親方が日本相撲協会に退職届を提出したことについて、ネット上でもさまざまな反応が広がっています。
このうち、「貴乃花親方が辞職というのは、なかなかショッキングですよね。相撲界の事詳しくないのですが、とても残念な展開です」といった声や、「これからの巻き返しを期待していただけに…腐り切った相撲協会を立て直せるのは貴乃花親方しかいないと思ってたから残念」という声のほか、「貴乃花親方がいない大相撲なんて、ありえない。大相撲から心が離れそう」などと退職届を惜しむ声が相次いでいます。
一方、「いいんじゃないかな。合わないのに、合わせられないのにそんな職場にいたってしかたない。一度しかない人生なんだから思うように生きれば良いと思うよ」とか、「仲間からも弟子からも孤立した貴乃花親方は弟子の暴行事件を境に緊張の糸が切れてしまったんだな…」などと貴乃花親方の決断に理解を示す声もありました。
このほか、「相撲協会も時間の問題でこのままではダメになると思う」とか「おかしい、明らかにおかしいって。日本相撲協会。これが相撲道を極めた理事長や理事、役員がやる事か?」などと日本相撲協会への不信感を表す書き込みがあったほか、「ひとり善がりなんだろうな?これから先も険しい人生なんだろう」などという貴乃花親方に対して冷めた見方もありました。
渋谷では
貴乃花親方が日本相撲協会に退職届を提出したことについて、東京 渋谷ではさまざま意見が聞かれました。
都内に住む78歳の女性は「兄弟で相撲を取っていた現役時代から応援してきたので残念です。ずるをしない、まっすぐな人柄が印象的です」と話していました。
近くに住む69歳の男性は「親方になってから相撲協会の中でいろいろあったと思うが、自分を突き通していたと思う。それが受け入れられなかったため、こういう結果になったのではないか。お疲れ様でしたと伝えたい」と話していました。
都内の大学3年生の男性は「弟子たちは貴乃花親方に憧れて入門したと思うので、目標を失うことになる。少し無責任に感じる」と話していました。
貴乃花親方とは
元横綱 貴乃花の貴乃花親方は46歳。
元大関 貴ノ花の次男で、現役時代は兄の元横綱 若乃花とともに「若貴フィーバー」と呼ばれる空前の相撲人気をつくりました。
平成6年の九州場所後に65代の横綱に昇進し、史上6位となる22回の優勝を果たしました。平成15年初場所で引退したあと、大相撲の発展に大きく貢献したとして大鵬、北の湖に続いて現役のしこ名のまま親方になれる一代年寄を贈られました。
平成16年に父の二子山部屋を貴乃花部屋として継いだあと、師匠として貴ノ岩や貴景勝などの関取を育てました。
また平成22年には、それまで一門と呼ばれるグループ内で候補者を調整するのが慣例となっていた日本相撲協会の理事選挙に、貴乃花親方を支持する親方とともに二所ノ関一門を離脱して立候補し、他の一門の一部の親方の支持も受けて37歳で当選しました。
そして理事を4期連続で務め、この間に審判部長や総合企画部長などを歴任しました。おととし3月の理事長を選ぶ互選では八角理事長に敗れ、協会のナンバー3にあたる巡業部長を務めていました。
しかし、去年10月に起きた元横綱 日馬富士の傷害事件をめぐる対応が問題視され、ことし1月に理事を解任されたほか、ことし3月には弟子の貴公俊の暴行問題の責任を問われるなどして、親方として最も下の階級である「年寄」への降格処分を受けました。
3月末からは審判部に配属され、土俵下で審判を務め、ことし7月から全国各地で行われている夏巡業にも帯同していました。
大相撲の「一門」とは
大相撲の「一門」は親方どうしが師匠と弟子の関係にあるなど、ゆかりの深い相撲部屋でつくるグループの名称です。
現在は出羽海一門、二所ノ関一門、高砂一門、時津風一門、伊勢ヶ濱一門の5つがあります。
日本相撲協会はことし7月の理事会で、すべての親方はいずれかの一門に所属することを義務づけ、かつて貴乃花一門に所属していた阿武松親方などは二所ノ関一門に、立浪親方などは出羽海一門に所属する予定になっていましたが、貴乃花親方は今後について明らかにせず、去就が注目されていました。