なぜ北海道ほっかいどうで感染かんせん増加ぞうか？気温きおんと湿度しつどの関係かんけいか

一方いっぽう、東京とうきょうでも2日にち連続れんぞくで感染かんせん確認かくにんが200人にんを超こえるなど感染かんせんの拡大かくだいが懸念けねんされています。

本格ほんかく的てきな冬ふゆを迎むかえるにあたり、専門せんもん家かは今後こんご、全国ぜんこくでも同様どうように感染かんせんが拡大かくだいするおそれもあるとして、改あらためてこまめに換気かんきを行おこなうなど感染かんせん対策たいさくの徹底てっていを呼よびかけています。

短たん期間きかんに感染かんせん者しゃ急増きゅうぞう

北海道ほっかいどうでは、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが解除かいじょされた5月つき25日にち以降いこう、1日にちに確認かくにんされる感染かんせん者しゃ数すうは、先月せんげつ初はじめまでは20人にんから30人にん前後ぜんごで推移すいいしていましたが、先月せんげつ23日にちには、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされていた4月つきより多おおい、51人にんの感染かんせんが確認かくにんされました。

それから2週間しゅうかん余あまりたった今月こんげつ2日にちには、ほぼ2倍ばいの96人にんと短期間たんきかんで急増きゅうぞうし、5日にちに初はじめて100人にんを超こえました。

一方いっぽう、東京とうきょう都とでも6日にち、新あらたに242人にんが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていることを確認かくにんされました。1日にちの感染かんせん確認かくにんが200人にんを超こえるのは2日にち連続れんぞくです。

感染かんせん症しょうの流行りゅうこう 気温きおんと湿度しつどの関係かんけいか

インフルエンザなどの呼吸こきゅう器きの感染かんせん症しょうは冬場ふゆばに流行りゅうこうすることが知しられていますが、新型しんがたコロナウイルスについても、気温きおんや湿度しつどが下さがる冬場ふゆばにさらに流行りゅうこうしやすくなる可能かのう性せいが指摘してきされています。

新型しんがたコロナウイルスと気温きおんや湿度しつどとの関係かんけいについては、これまでにも研究けんきゅう結果けっかが報告ほうこくされていて、たとえば、アメリカのメリーランド大学だいがくなどのグループは、ことし3月つき上旬じょうじゅんまでの世界せかいの50都市としについて、気温きおんや湿度しつどと新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこうの関係かんけいを分析ぶんせきしたところ、感染かんせん者しゃが多おおかったのは平均へいきん気温きおんが5℃から11℃で比較的ひかくてき、湿度しつどが低ひくい地域ちいきに集中しゅうちゅうしていたとしています。

その一方いっぽうで、ブラジルの大学だいがくのグループが、各国かっこくから発表はっぴょうされた新型しんがたコロナウイルスと気温きおんや湿度しつどについての17の研究けんきゅうを集あつめて詳くわしく解析かいせきしたところ、寒さむくて乾燥かんそうした状態じょうたいはウイルスの拡散かくさんを促うながす要因よういんとみられるとしたものの、それだけでは感染かんせんの広ひろがりをすべて説明せつめいできるわけではないと結論けつろんづけています。

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくにあたる政府せいふの分科ぶんか会かいの尾身おみ茂しげる会長かいちょうは、北海道ほっかいどうなどでクラスターの発生はっせいが相次あいついでいることについて、気温きおんが下さがってきて、屋内おくないで過すごす機会きかいが増ふえ、『3密みつ』の環境かんきょうにいることが多おおくなっていることや、換気かんきをしづらくなっていることが影響えいきょうしていると指摘してきしています。

北海道ほっかいどうは、2月つき下旬げじゅんに独自どくじの緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だすに至いたるなど、これまでも全国ぜんこくのほかの地域ちいきに先行せんこうして感染かんせんが広ひろがる傾向けいこうが見みられました。

専門せんもん家か「北海道ほっかいどうは今いまが正念場しょうねんば」

北海道ほっかいどうで感染かんせんが急速きゅうそくに拡大かくだいしていることについて、日本にっぽん感染かんせん症しょう学会がっかいの理事りじ長ちょうで、東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「5日にち初はじめて新規しんき感染かんせん者しゃが100人にんを超こえたが、現在げんざい明あきらかになっている感染かんせん者しゃは1週間しゅうかんほど前まえに感染かんせんした人ひとたちだと考かんがえられ、今後こんご1週間しゅうかんほどはさらに増ふえるおそれもある。適切てきせつに対処たいしょしなければ今後こんごさらに感染かんせんが拡大かくだいし、医療いりょう崩壊ほうかいが現実味げんじつみを帯おびてくるおそれもあるため、北海道ほっかいどうは今いまが正念場しょうねんばだと考かんがえられる」と指摘してきしています。

急増きゅうぞうの原因げんいんについては「寒さむくなって室内しつないにいることが増ふえて『3密みつ』の環境かんきょうで過すごすことが多おおくなったことや、感染かんせんが続つづく状況じょうきょうに慣なれて気きが緩ゆるんでいることなど、いくつかの理由りゆうが考かんがえられる。また、インフルエンザや通常つうじょうのかぜのコロナウイルスは気温きおんが低ひくいと流行りゅうこうするが、新型しんがたコロナウイルスについても同様どうようだとする研究けんきゅうもあり、冬場ふゆばに感染かんせんが広ひろがりやすいと考かんがえて改あらためて対策たいさくを意識いしきする必要ひつようがある」としています。

そのうえで、舘田たてだ教授きょうじゅは「北海道ほっかいどう以外いがいで、今いまは感染かんせん状況じょうきょうが落ち着おちついている地域ちいきでも、寒さむくなるにつれて感染かんせんが拡大かくだいする可能かのう性せいを考かんがえておかなければならない。改あらためて『3密みつ』を避さけることや、手洗てあらいやマスクの着用ちゃくようを徹底てっていすること、それに、一定いっていの時間じかんごとの換気かんきも重要じゅうようだ。ただ、寒冷かんれいな地域ちいきでは頻繁ひんぱんな換気かんきが実際じっさいには難むずかしいこともあるため、さまざまな対策たいさくをうまく組み合くみあわせて柔軟じゅうなんに対応たいおうしてほしい」と話はなしています。

冬場ふゆばの換気かんき 室温しつおん下さげない方法ほうほうは

寒さむい中なかでなるべく室温しつおんを下さげずに換気かんきするにはどうすればいいのか。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの機関きかんで換気かんきの方法ほうほうについて提言ていげんを策定さくていしてきた北海道ほっかいどう大学だいがくの林はやし基はじめ哉教授きょうじゅに聞ききました。

“廊下ろうかなどを活用かつよう 2段階だんかい方式ほうしきの換気かんきを”

換気かんきする際さいに、学校がっこうの教室きょうしつや自宅じたくの寝室しんしつなどの生活せいかつ空間くうかんに直接ちょくせつ冷つめたい空気くうきが流れ込ながれこむと寒さむさをより感かんじてしまいます。

まず、廊下ろうかや使つかわない部屋へやに外そとの空気くうきを取り入とりいれ建物たてもの全体ぜんたいの温度おんどで外気がいきを暖あたためたあとに、部屋へやの窓まどや扉とびらを開あけて生活せいかつ空間くうかんの空気くうきと入れ替いれかえる「2段階だんかい方式ほうしき」をとることで、寒さむさを和やわらげることができます。

“窓まどを少すこし開あけて常時じょうじ換気かんきを”

真冬まふゆの寒さむい時期じきや雪ゆきが降ふる状況じょうきょうで、1時間じかんに2回かい、窓まどを全開ぜんかいにして換気かんきすると室温しつおんが急激きゅうげきに下さがってしまいます。

暖房だんぼうをつけながら、窓まどを少すこし開あけて、常時じょうじ換気かんきしておくことで、室温しつおんを保たもちながら換気かんきすることができます。

また、24時間じかんの自動じどう換気かんきシステムがある建物たてものでは、窓まどを開あけずに建物たてもの内ないの空気くうきを入れ替いれかえることができるので有効ゆうこうです。