世界せかい初はつ 月つきの裏側うらがわへ 無人むじん探査たんさ機きの打ち上うちあげ成功せいこう 中国ちゅうごく

「嫦娥じょうが４よん号ごう」は世界せかいで初はじめて月つきの裏側うらがわに着陸ちゃくりくすることを目指めざしていて、成功せいこうすれば、搭載とうさいしている探査たんさ車しゃを走はしらせて、月つきの表面ひょうめんの地質ちしつや資源しげんなどを調しらべることにしています。

月つきの探査たんさは去年きょねん、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうが、国際こくさい宇宙うちゅうステーションとは別べつに、月つきの周回しゅうかい上じょうに宇宙うちゅう開発かいはつの拠点きょてんとなる施設しせつを新あらたに作つくるよう指示しじするなど、再ふたたび重要じゅうよう性せいが高たかまっていて、中国ちゅうごくも宇宙うちゅう開発かいはつの重要じゅうような柱はしらとしています。

一方いっぽうで月つきは、常つねに同おなじ面めんを地球ちきゅうに向むけていて、地球ちきゅうから見みえない裏側うらがわは、電波でんぱが直接ちょくせつ届とどかないため地球ちきゅうとの通信つうしんが難むずかしく、これまでどの国くにも探査たんさ機きを着陸ちゃくりくさせていません。

このため中国ちゅうごくは、今回こんかいの打ち上うちあげに先立さきだち、ことし５月ごがつに通信つうしんを中継ちゅうけいするための衛星えいせいを別べつに打ち上うちあげ、軌道きどうに乗のせることに成功せいこうしています。

月つきの裏側うらがわへの着陸ちゃくりくには少すくなくとも数すう週間しゅうかんはかかるとみられ、世界せかい初はつの試こころみが成功せいこうするか注目ちゅうもくされています。

中国ちゅうごくの月つき探査たんさ計画けいかく

中国ちゅうごくの月つきの探査たんさ計画けいかくは宇宙うちゅう開発かいはつの重要じゅうような柱はしらとして2003年ねんにスタートし、３みっつの段階だんかいに分わけて進すすめられています。

「第だい１いち段階だんかい」は、「月つきの周回しゅうかい軌道きどうから月つきの地形ちけいなどを調しらべる」というもので、2007年ねんと2010年ねんにそれぞれ探査たんさ衛星えいせいを打ち上うちあげ、月つきの立体りったい画像がぞうを撮影さつえいしました。

「第だい２に段階だんかい」は、「無人むじん探査たんさ機きを月面げつめんに着陸ちゃくりくさせて地質ちしつ構造こうぞうや資源しげんなどを調しらべる」というもので、2013年ねんに、無人むじんの探査たんさ車両しゃりょうを使つかって月面げつめんを調査ちょうさしました。今回こんかいの「嫦娥じょうが４よん号ごう」もこの「第だい２に段階だんかい」の１ひとつです。

そして「第だい３さん段階だんかい」は、「月つきの表面ひょうめんから岩石がんせきなどのサンプルを地球ちきゅうに持ち帰もちかえる」というもので、再さい来年らいねん・2020年ねんごろまでに無人むじん探査たんさ機きを２に回かい打ち上うちあげる計画けいかくです。このほか、中国ちゅうごくは月つきの有人ゆうじん探査たんさや月面げつめん基地きちの建設けんせつにも意欲いよくを示しめしています。

目標もくひょうは「宇宙うちゅう強国きょうこく」

中国ちゅうごく政府せいふは、2030年ねんまでに世界せかいの宇宙うちゅう開発かいはつをリードする「宇宙うちゅう強国きょうこく」の仲間入なかまいりを果はたすという目標もくひょうを掲かかげていて、月つきの探査たんさ以外いがいにもさまざまな宇宙うちゅう開発かいはつに力ちからを入いれています。

このうち、アメリカや日本にっぽんなどが参加さんかする国際こくさい宇宙うちゅうステーションとは別べつに、中国ちゅうごくが独自どくじに建設けんせつを計画けいかくしている宇宙うちゅうステーションについては2022年ねんごろの完成かんせいを目指めざし、開発かいはつを進すすめています。これまでに宇宙うちゅうステーションの実験じっけん機きに有人ゆうじん宇宙うちゅう船せんをドッキングさせて宇宙うちゅう飛行ひこう士しが実験じっけんを行おこなうなど、運用うんように向むけた技術ぎじゅつや経験けいけんの蓄積ちくせきを進すすめていて、有人ゆうじんの宇宙うちゅう活動かつどうを進すすめていく姿勢しせいを示しめしています。

また、中国ちゅうごくは、アメリカに対抗たいこうするように、宇宙うちゅうステーションだけでなく、火星かせい探査たんさ機きを2020年ねんに打ち上うちあげ、そのよくとし（2021年ねん）から火星かせいで探査たんさを始はじめる方針ほうしんを明あきらかにしています。

このほか、「中国ちゅうごく版ばんＧＰＳ」とも呼よばれる衛星えいせい測位そくいシステム、「北斗ほくと」も開発かいはつし、アジア太平洋たいへいようなどの地域ちいきで運用うんようを開始かいししているほか、2020年ねんまでに全ぜん世界せかいでサービスを提供ていきょうすることを目指めざしています。

一方いっぽう、中国ちゅうごくは宇宙うちゅう空間くうかんの利用りようを平和へいわ目的もくてきだと強調きょうちょうしていますが、宇宙うちゅう開発かいはつの計画けいかくには、軍ぐんが深ふかく関かかわっていて、国際こくさい社会しゃかいからは、宇宙うちゅう空間くうかんの軍事ぐんじ利用りようが盛さかんになるという懸念けねんの声こえも出でています。