景気けいき回復かいふく「戦後せんご最長さいちょう」の可能かのう性せい高たかまる

それによりますと、個人こじん消費しょうひを「持ち直もちなおしている」としたほか、企業きぎょうの設備せつび投資とうしも「増加ぞうかしている」という見方みかたを据え置すえおき、景気けいき全体ぜんたいについても「緩ゆるやかに回復かいふくしている」というこれまでの判断はんだんを維持いじしました。

景気けいきの回復かいふくや後退こうたいの時期じきは、正式せいしきには内閣ないかく府ふの有識者ゆうしきしゃによる研究けんきゅう会かいが十分じゅうぶんな統計とうけいデータがそろった段階だんかいで判定はんていします。

ただ、政府せいふが今月こんげつも景気けいき回復かいふくが続つづいているという見解けんかいを示しめしたことで、平成へいせい24年ねん12月つきから始はじまった今いまの景気けいき回復かいふくは６ろく年ねん２にか月かげつに達たっし、平成へいせい14年ねん２月にがつから平成へいせい20年ねん２月にがつまで続つづいた景気けいき回復かいふくを抜ぬいて戦後せんご最長さいちょうとなった可能かのう性せいが高たかまりました。

一方いっぽうで、今回こんかいの月例げつれい経済けいざい報告ほうこくでは、「輸出ゆしゅつ」について、中国ちゅうごく向むけの半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうちや電子でんし部品ぶひんなどを中心ちゅうしんに「このところ弱じゃく含ふくんでいる」と判断はんだんを下方かほう修正しゅうせいしました。

特とくに中国ちゅうごく経済けいざいについては、「緩ゆるやかに減速げんそくしている」と明記めいきしていて、米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつなどを背景はいけいに世界せかい経済けいざいの先行さきゆきに不透明ふとうめい感かんが増ます中なか、どこまで景気けいき回復かいふくが持続じぞくするかが焦点しょうてんとなります。

茂木もぎ経済けいざい再生さいせい相しょう「中国ちゅうごく 景気けいき下か振ふれリスクに留意りゅうい」

茂木もぎ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、月例げつれい経済けいざい報告ほうこくに関にかんする閣僚かくりょう会議かいぎのあと、記者きしゃ会見かいけんし、「今回こんかいの景気けいき回復かいふく期間きかんは今月こんげつで６ろく年ねん２にか月かげつとなり、戦後せんご最長さいちょうになったとみられる」と述のべました。

そのうえで、茂木もぎ大臣だいじんは景気けいき回復かいふくの実感じっかんがないという指摘してきに対にたいして「いざなぎ景気いざなぎけいきの頃ころは東京とうきょうオリンピックから大阪おおさか万博ばんぱくにかけての高度こうど成長せいちょう期きであり、バブル景気けいきの頃ころは株価かぶかや地価ちかが大おおきく上あがり、人口じんこうも増ふえている時代じだいだった。現在げんざいは人口じんこうが減少げんしょうする中なかでも雇用こよう者しゃ数すうがバブル期き並なみに増加ぞうかし、景況けいきょう感かんの地域ちいき間かん格差かくさも小ちいさくなっており、今回こんかいの景気けいき回復かいふくの優すぐれた特徴とくちょうではないかと考かんがえている」と述のべました。

さらに景気けいきの先行さきゆきについては「中国ちゅうごくの実質じっしつ成長せいちょう率りつが昨年さくねんから徐々じょじょに減速げんそくしており、米べい中ちゅうの通商つうしょう問題もんだいを背景はいけいに、輸出ゆしゅつ・輸入ゆにゅうの伸のびも低下ていかしている。中国ちゅうごく経済けいざいの景気けいき下か振ふれリスクに留意りゅういする必要ひつようがある」と述のべ、海外かいがい経済けいざいの動向どうこうが日本にっぽん経済けいざいに及およぼす影響えいきょうを注意深ちゅういぶかく見みていく考かんがえを示しめしました。

麻生あそう副ふく総理そうり兼けん財務ざいむ大臣だいじん「景気けいきは循環じゅんかんするもの」

麻生あそう副ふく総理そうり兼けん財務ざいむ大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、景気けいき回復かいふくが続つづいている要因よういんについて「アメリカが、経済けいざい戦争せんそうの相手あいてを中国ちゅうごくであって日本にっぽんではないという方向ほうこうに切り替きりかえたこと。そして国内こくない的てきに言いえば、いわゆるデフレ対策たいさくをこの５ご、６ろく年ねんやらせてもらったこと。この両方りょうほうが景気けいき回復かいふくが74か月かげつ続つづいている背景はいけいだと思おもう」と分析ぶんせきしました。

そのうえで麻生あそう副ふく総理そうりは、今後こんごの景気けいきの見通みとおしについて「景気けいきは循環じゅんかんするもので、よいときもあれば悪わるいときもある。アメリカと中国ちゅうごくの貿易ぼうえき摩擦まさつや中国ちゅうごくの景気けいき後退こうたいを見みていると結構けっこうな課題かだいになっており、よく状況じょうきょうを見みて対応たいおうできるような準備じゅんびをいろいろと考かんがえていかなければいけない」と述のべ、景気けいき回復かいふくを持続じぞくさせるため、世界せかい経済けいざいの動向どうこうを見みながら対応たいおうしていく考かんがえを示しめしました。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかん「確たしかなものにするために対策たいさく」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、「景気けいき回復かいふくが戦後せんご最長さいちょうとなった『可能かのう性せい』ということなので、これをさらに確たしかなものにするためにしっかり経済けいざい対策たいさくに取り組とりくんでいきたい」と述のべました。