2段。
千葉県野田市で
小学4年生の
女の子が
自宅で
死亡し、
傷害の
疑いで
両親が
逮捕された
事件で、
女の子が「
お父さんに
叩かれたというのは
嘘です」
などと
書いたとする
内容の
文書を
父親が
児童相談所に
示していたことがわかりました。
この文書について
児童相談所は
父親に
書かされた
可能性が
高いと
認識していながら、
女の子を
両親のもとに
戻す決定をしたということです。
千葉県野田市の
小学4年生、
栗原心愛さん(10)が
自宅で
死亡しているのが
見つかった
事件では、
父親の
栗原勇一郎容疑者(41)が
先月、
傷害の
疑いで
逮捕されたのに
続き、
当時自宅にいた
母親のなぎさ
容疑者(31)も
暴行を
止めなかったとして
4日、
傷害の
疑いで
逮捕されました。
千葉県によりますと、心愛さんを一時保護した千葉県の柏児童相談所は、一時保護が解除されたあとの去年2月、親族の家で暮らしていた心愛さんを自宅に戻すかを判断するため、勇一郎容疑者と面会しました。
その際、勇一郎容疑者は心愛さんが書いたとする文書を示しました。
県などによりますとこのなかには「お父さんに叩かれたというのは嘘です。小学校の先生に聞かれて思わず言ってしまいました。お父さん、お母さん、妹、親族にたくさんの迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。ずっと前から早く4人で暮らしたいと思っていました。お父さんに早く会いたいです。児童相談所の人にはもう会いたくないので来ないでください。会うと嫌な気分になるので、今日でやめてください。お願いします」と書かれていたということです。
児童相談所は心愛さんにこの文書を自分の意思で書いたかどうかを確認しないまま、心愛さんを両親のもとに戻す決定をしたということです。
柏児童相談所の二瓶一嗣所長は「本人からの手紙ということで見せられたが、父親に書かされた可能性が高いと認識していた」と述べました。
「児相の対応は問題」
この事件で、逮捕された父親と児童相談所とのこれまでのやり取りの一部が明らかになり、専門家は、児童相談所の対応を厳しく批判しています。
磯谷文明弁護士は児童相談所に配置された弁護士として法律業務にあたっています。
父親が児童相談所に対し、女の子が書いたとする父親の暴力を否定するなどの文書を示したあと、児童相談所が、女の子を両親のもとに戻す決定をしたことについて、磯谷弁護士は「虐待している父親が子どもに暴力を否定させたいというのは容易に想像できる。にもかかわらず、暴力を否定した文書をうのみにするのはおかしい。さらに、女の子を自宅に戻すには状況を総合的に考えて判断する必要があったのにそれができておらず問題があった」と厳しく批判しています。