内戦が
続くシリアでは、
反政府勢力の
最後の
拠点に対しアサド
政権が
攻勢を
強め、
激しい戦闘が
続いています。
国連は、
家を
追われた
国内避難民が80
万人を
超え、
厳しい寒さのもと
過酷な
状況に
置かれ
命の
危険にさらされていると
警鐘を
鳴らしています。シリアでは、
反政府勢力の
最後の
拠点、
北西部のイドリブ
県や
隣のアレッポ
県に対し、アサド
政権と
後ろ盾のロシアが
攻勢を
強めていて、
反政府勢力や、
支援する
隣国のトルコ
軍との
間で
激しい戦闘が
続いています。
国連は、戦闘が激化した去年12月からの2か月半で、家を追われた国内避難民が80万人を超えたとしています。
しかし、支援体制が追いつかず、木の下など屋外での避難を余儀なくされている人は、避難民の10人に1人にあたるおよそ8万2000人に上るとしています。
現地では夜になると気温はマイナス10度近くまで下がり、先週末には雪が降るなど厳しい寒さに見舞われ、命を落とす子どもも出ています。
国連は早急な停戦を求めていますが、戦闘は激しくなる一方で、事態が収束できる見通しは立っておらず、厳しい寒さのもと国内避難民は過酷な状況に置かれ命の危険にさらされていると警鐘を鳴らしています。
厳しい寒さで命落とす子も
シリアの内戦の激化で避難したものの、厳しい寒さに耐えられず子どもたちの命が奪われています。
ムハンマド・ヤシーンさんは、今月9日、息子のアフマドくんを亡くしました。3歳でした。
一家は去年11月末、戦闘の激化で家を追われ、10日ほどかけてトルコとの国境付近にあるアレッポ県北部のトルコ政府が運営する避難民キャンプにたどり着きました。
しかし、キャンプにすでに多くの人たちが避難していて、十分な食べ物や飲み水はなく、一家に与えられたのは古いテントだけでした。
こうした中、アフマドくんが体調を崩したためヤシーンさんは暖をとるためまきストーブを手に入れて看病しましたが、気温はマイナス8度まで下がり、テント内は暖まらず容体が悪化して息を引き取りました。
医師からは寒さが死因だったと説明を受けたということです。ヤシーンさんは、「とても賢く素晴らしい息子を失って言葉もありません。自宅に戻るのが今の私の望みです。シリアでこんな状況が続いて9年になりますが、誰も、何もしてくれない」と話していました。