46人が
殺傷される
事件が
起きた
相模原市の
知的障害者施設「
津久井やまゆり
園」の
建て替えに
向けて、7
日から
本格的な
解体工事が
始まりました。
相模原市の
知的障害者施設「
津久井やまゆり
園」で、
おととし7月、
入所していた
障害の
ある人たちが
次々と
刃物で
刺され、
19人が
殺害され、
27人が
重軽傷を
負いました。
7日は、現場となった施設の本格的な解体工事が始まり、朝からトラックで資材が運びこまれ、安全確保のための仮囲いの設置作業が行われました。
神奈川県では同じ場所で施設を建て替えるとともに、横浜市にも新たな施設を整備して入所者を分散させる計画で、先月から建て替えに向けた準備を進めていました。
県などによりますと、今月中にも事件が起きた居住棟などの工事が始まり、来年3月にはすべての解体が終わる見通しだということです。
事件で入所していた45歳の息子が大けがをした尾野剛志さん(74)は「きょうで長くお世話になった施設が見納めかと思うと寂しいが、これから先、子どもたちがよい環境で暮らせる第一歩になればと思う」と話していました。
家族会会長「現実を受け止めて前を向いて」
施設の解体工事が始まったことについて「津久井やまゆり園」の入所者の家族でつくる家族会の大月和真会長が弁護士を通じてコメントを出しました。
この中で「かけがえのない、思い出の詰まった施設がなくなってしまうと考えると寂しさとやるせない気持ちでいっぱいですが、施設がこれから50年、100年必要だとの思いが導いた結論だからこそ、現実を受け止めて前を向いていけると思います」と記しています。
そのうえで「高い仮囲いは、絶望の壁ではなく、希望の扉と受け止め、1つ1つのプロセスを見守って行くことが、事件で亡くなった19人の方々への鎮魂につながると思います」としています。