来年の
皇太子さまの
即位に
伴って
行われる「
大嘗祭」(だいじょうさい)の
関連儀式で、
宮内庁は、
宮中に
伝わるアオウミガメの
甲羅を
使った
占いを
行うことになり、
特別に
捕獲が
認められている
小笠原諸島から
甲羅を
調達する
方針を
固めました。
来年5月に
皇太子さまが
新しい天皇として
即位されると、
秋には、
一世に
一度の
伝統儀式「
大嘗祭」が
行われます。
この「
大嘗祭」で
使う米を
収穫する
地方を
選ぶ「
斎田点定の
儀」で、
宮内庁は、「
亀卜」(きぼく)と
呼ばれる
占いを
行うことになりました。
「亀卜」は、カメの甲羅を焼いてひびの入り具合で物事を決めるもので、宮中では、伝統的にアオウミガメの甲羅が使われています。
しかし、このカメは、絶滅のおそれがあり、捕獲や国際的な取り引きが禁止されていて、どのように調達するのかが課題になっていましたが、関係者によりますと、宮内庁は、東京の小笠原諸島から調達する方針を固めたということです。
小笠原諸島では、古くから食用としてアオウミガメの漁が行われていて、今でも特別に数を限定しての捕獲が認められています。
宮内庁は、ことしの春に捕獲されたカメの甲羅を、今後、東京に運んで、来年の儀式に向けた準備を進めることにしています。
「亀卜」とは
「亀卜」は、中国や朝鮮半島から日本に伝わり、6世紀ごろから、宮中をはじめ各地の神社などでも行われるようになりました。
宮中では、天皇の体調や天変地異の原因などを占うために行われましたが、その後、「大嘗祭」で使われる米を収穫する地域を選ぶ際にも行われるようになりました。
しかし、科学の発展につれて次第に衰退していき、明治以降になると、宮中以外で行われることはほとんどなくなります。