Actualités japonaises: “私を知って” “マークで知って”

「折おりたためない車くるまいすなのに畳たたんでといわれる」

「音楽おんがくを聴きくヘッドホンではないのに、音楽おんがくを聴きいていると言いわれる」

一見いっけんしただけでは分わかりづらい病気びょうきや障害しょうがいがある人ひとたちが、生活せいかつする中なかでの誤解ごかいを解とき、理解りかいを広ひろげようと、病気びょうきなどの特徴とくちょうが一目いちもくでわかるマークを作つくる動うごきが各地かくちで広ひろがっています。このうち札幌さっぽろ市しの団体だんたいは、重おもい病気びょうきや障害しょうがいで体からだの不自由ふじゆうな子こどもが利用りようする「子こども用よう車くるまいす」を示しめすマークを作つくって販売はんばいしています。

子こども用よう車くるまいすは、ベビーカーと間違まちがわれやすく、電車でんしゃやバスに乗のった時ときたたむように注意ちゅういされたり、スロープを出だしてもらえなかったりすることもあったということです。

マークには車くるまいす乗のった子こどもの絵えに「子供こども用よう車くるまいす」という文字もじがデザインされていて、母親ははおやたちが一ひとつ一ひとつミシンで手作てづくりしています。

「子こども用よう車くるまいす」示しめすマーク

このうち札幌さっぽろ市しの団体だんたいは、重おもい病気びょうきや障害しょうがいで体からだの不自由ふじゆうな子こどもが利用りようする「子こども用よう車くるまいす」を示しめすマークを作つくって販売はんばいしています。

マークを作つくった団体だんたいの運上うんじょう昌洋まさひろさんは「マークがあることで子こどもたちが外そとに出でる機会きかいが少すこしでも増ふえるとうれしい。またそうした機会きかいが増ふえる中なかで障害しょうがいのある子こどもたちが当たり前あたりまえに受け入うけいれられる社会しゃかいになっていってほしいと思おもいます」と話はなしていました。

子こども用よう車くるまいすを示しめすマークは大阪おおさかでも作つくられていて、東京とうきょう秋葉原あきはばらと茨城いばらき県けんつくば市しを結むすぶつくばエクスプレスの駅えきにはマークが載のった啓発けいはつポスターが掲示けいじされています。

また、札幌さっぽろ市しの団体だんたいの子こども用ようの車くるまいすのマークは、今月こんげつ10日にちから３さん日間にちかん東京とうきょう江東こうとう区くで開ひらかれた国際こくさい福祉ふくし機器きき展てんにも出品しゅっぴんされ、多おおくの人ひとたちがマークを手てに取とっていました。

４よん歳さいの脳性のうせいまひの女の子おんなのこを子こども用よう車くるまいすに乗のせて会場かいじょうを訪おとずれていた母親ははおやは「ベビーカーと間違まちがわれることはしょっちゅうで、そのたびに悲かなしい気持きもちになっていました。マークの認知にんち度どがあがり子こどもが少すこしでも生いきやすく、出でかけやすくなってくれたらありがたいです」と話はなしていました。

「聴覚ちょうかく過敏かびん」示しめすマーク

またふつうの音おとが耐たえられないほど大おおきく聞きこえたり、ひどい時ときには吐き気はきけをもよおしたりする「聴覚ちょうかく過敏かびん」を示しめすマークは、大阪おおさかにあるステッカーなどを作つくる会社かいしゃがデザインし、会社かいしゃのホームページから無料むりょうで利用りようすることができます。

聴覚ちょうかく過敏かびんの人ひとは音おとを和やわらげるため、「イヤーマフ」と呼よばれるヘッドホン型がたの耳みみ当あてをつけることがありますが音楽おんがくを聴きいていると誤解ごかいされ、レストランなどで注意ちゅういをされるケースがあるということです。

マークにはイヤーマフをつけたウサギの絵えと「苦手にがてな音おとを防ふせいでいます」などという文字もじがデザインされています。

「感覚かんかく過敏かびん」伝つたえるマーク

このほか先月せんげつには、聴覚ちょうかく過敏かびんだけでなく視覚しかく過敏かびんや触覚しょっかく過敏かびんなどさまざまな「感覚かんかく過敏かびん」の症状しょうじょうを伝つたえるマークがついたパスケースの販売はんばいをさいたま市しのＮＰＯえぬぴ-お-法人ほうじんが始はじめました。

表側おもてがわには目めや耳みみの形かたちがデザインされていて、裏側うらがわの透明とうめいなケースに「強つよい光ひかりが苦手にがてです」などそれぞれの症状しょうじょうを紙かみに書かいて入いれることができます。

ＮＰＯえぬぴ-お-法人ほうじんでは「特とくに子こどもは苦手にがてな感覚かんかくをうまく説明せつめいできない。症状しょうじょうを周囲しゅういに知しってもらい誤解ごかいを解といたり生活せいかつしやすくするために活用かつようしてほしい」としています。

サポートお願おねがい！たすきで伝つたえる

視覚しかく障害しょうがい者しゃの間までは、外出がいしゅつした際さいなどに「手助てだすけしてほしい」という気持きもちを周まわりの人ひとに伝つたえる「たすき」が広ひろがり始はじめています。

このたすきは、視覚しかく障害しょうがい者しゃが駅えきのホームから転落てんらくする事故じこが相次あいつぐ中なか、周囲しゅういの人ひとに気軽きがるに声こえをかけてもらおうとことし神奈川かながわ県内けんないの女性じょせいが作つくりました。

見みた人ひとがすぐにわかるようたすきには、「声こえかけ２に、３さん分ふんサポートお願おねがい」というメッセージが書かかれ、900人にん以上いじょうの視覚しかく障害しょうがい者しゃに配くばられました。

千葉ちば県けん船橋ふなばし市しに住すむ視覚しかくに障害しょうがいがある松川まつかわ正則まさのりさんもことし７月しちがつからたすきを使つかい始はじめました。

松川まつかわさんは、白しろじょうを手しゅに、１いち人にんで通勤つうきんしていますが、交差点こうさてんを横断おうだんするときや駅えきのホーム、それに買い物かいものなど周囲しゅういのサポートが必要ひつようなときにたすきを使つかっています。

この日ひ、家電かでん量販りょうはん店てんでたすきを手てに持もつと、店員てんいんがたすきに気きづき、松川まつかわさんに「何なにかお探さがしですか」と声こえをかけていました。

松川まつかわさんは、「乾電池かんでんちを探さがしています」と伝つたえ、商品しょうひんのある場所ばしょまで案内あんないしてもらい、レジで会計かいけいを済すませていました。

松川まつかわさんは「たすきをつけると店員てんいんさんがすぐに声こえをかけてくれるようになり買い物かいものが楽たのしくなりました。コミュニケーションを取とるうえで役に立やくにたっています」と話はなしています。

また、声こえをかけた店員てんいんは「『声こえかけ』という文字もじが見みえたのですぐに声こえをかけられました。サポートが必要ひつようだとすぐ気付きづくことができるのでたすきがあるのとないのでは違ちがいます」と話はなしていました。

専門せんもん家か「意思いし表示ひょうじしやすく」

独自どくじのマークを作つくる動うごきが広ひろがっていることについてバリアフリー政策せいさくなどに詳くわしい近畿きんき大学だいがくの三星みつぼし昭宏あきひろ名誉めいよ教授きょうじゅは「障害しょうがい者しゃは、他人たにんに何なにかを頼たのむことに遠慮えんりょする傾向けいこうにある。かつて嫌いやな思おもいをしたり、厳きびしい言葉ことばを浴あびせられたりした経験けいけんがあると生涯しょうがいトラウマになる。マークをつけることで意思いし表示ひょうじをしやすくなるという点てんでいい取り組とりくみだ」と話はなしています。

そのうえで「多おおくの人ひとは困こまっている人ひとを手助てだすけしたいという気持きもちはあるものの、何なにをやっていいかわからない、そのマークが何なにか分わからないことも多おおく、まずは多おおくの人ひとに知しってもらうことが大切たいせつだ。さらに、こうしたマークがなくても障害しょうがい者しゃがお願おねがいしやすい社会しゃかいを作つくっていくことが大切たいせつだと思おもう」と話はなしています。