水星すいせいの謎なぞを探さぐる 日にち欧おうの２ふたつの探査たんさ機き 打ち上うちあげ成功せいこう

探査たんさ機きは７なな年ねん後ごの2025年ねん12月つきに水星すいせいに到着とうちゃくする予定よていです。

日本にっぽんの探査たんさ機き「みお」は、幅はばが１いちメートル80センチ、八角はっかく形がたの柱はしらの形かたちをしていて、強つよい太陽光たいようこうから機体きたいを守まもるため表面ひょうめんの一部いちぶに鏡かがみが貼はり付つけられています。

日本にっぽんの探査たんさ機きによる水星すいせい観測かんそくは初はじめてで、水星すいせいを周回しゅうかいしながら、およそ１いち年ねんかけて磁場じばや薄うすく存在そんざいする大気たいきなどを観測かんそくする計画けいかくです。

一方いっぽう、ヨーロッパの探査たんさ機きはセンサーなどを使つかって表面ひょうめんの地形ちけいや鉱物こうぶつの種類しゅるいなどを調しらべる予定よていです。

水星すいせいは接近せっきんすると探査たんさ機きが高温こうおんにさらされるため、機体きたいを守まもる特別とくべつな対策たいさくが必要ひつようになるほか、太陽たいようの強つよい引力いんりょくで引っ張ひっぱられるため、軌道きどう投入とうにゅうに高たかい技術ぎじゅつが求もとめられます。

こうしたことから、過去かこに水星すいせいを探査たんさしたのはアメリカの２に機きだけです。

水星すいせいは誕生たんじょうの過程かていなどわかっていないことも多おおく、今回こんかいの日にち欧おうの共同きょうどうプロジェクトでどこまで謎なぞの解明かいめいが進すすむのか、成果せいかが期待きたいされています。

日にち欧おうの探査たんさ機き それぞれの役割やくわりとは

ＪＡじぇいえいＸえっくすＡえい＝宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうが開発かいはつした探査たんさ機き「みお」。

日本にっぽんにとって初はじめてとなる水星すいせい探査たんさの主おもな観測かんそく対象たいしょうは、水星すいせいをとりまく磁場じばです。磁場じばを知しることで、水星すいせい内部ないぶの構造こうぞうなどが詳くわしくわかってくるということで、「みお」は水星すいせいを周回しゅうかいするだ円だえんの軌道きどうに入はいり、長ながさ５ごメートルのセンサーを使つかい、およそ１いち年間ねんかん、磁場じばのデータを集あつめる計画けいかくです。このほか薄うすく存在そんざいする大気たいきや、太陽たいようから届とどく衝撃波しょうげきはなども観測かんそくします。

一方いっぽう、ＥＳＡ＝欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんが開発かいはつした探査たんさ機きは、赤外線せきがいせんなどのセンサーを使つかって水星すいせい表面ひょうめんの地形ちけいや鉱物こうぶつの種類しゅるいなどを詳くわしく調しらべる予定よていです。

２に機きはつながった形かたちで打ち上うちあげられ、金星きんぼしや地球ちきゅうなどの重力じゅうりょくを利用りようする「スイングバイ」を９きゅう回かい行おこなって速度そくどやコースを調整ちょうせいし、７なな年ねん後ごの2025年ねん12月つきに水星すいせいに到着とうちゃくします。

そのあと２に機きは分離ぶんりし、それぞれが水星すいせいを回まわる別べつの軌道きどうに入はいり観測かんそくを行おこなう計画けいかくです。

アメリカに次ついで行おこなわれる日ひ欧おうの共同きょうどうプロジェクトでどこまで水星すいせいの謎なぞの解明かいめいが進すすむのか、成果せいかが期待きたいされています。

謎なぞ多おおい水星すいせい 条件じょうけん悪わるく探査たんさに遅おくれ

水星すいせいは太陽たいように最もっとも近ちかい軌道きどうを回まわっている惑星わくせいで、表面ひょうめんは月つきに似にていてクレーターに覆おおわれています。直径ちょっけいは4880キロで、地球ちきゅうのおよそ５ご分ぶんの２に、太陽たいよう系けいではもっとも小ちいさい惑星わくせいです。

地表ちひょうの温度おんどは強つよい太陽たいようの光ひかりでおよそ430度どまで上あがります。一方いっぽう、日ひがあたらない夜よるの部分ぶぶんは氷点下ひょうてんか170度ど前後ぜんごまで下さがり、その温度おんど差さは600度どにもなります。

地球ちきゅうと同おなじように岩石がんせきや金属きんぞくでできているとみられ、金星かなぼし、火星かせい、地球ちきゅうとともに水星すいせいは「地球ちきゅう型がた惑星わくせい」という種類しゅるいに分類ぶんるいされます。

水星すいせいと地球ちきゅうの共通きょうつう点てんはほかにもあります。磁場じばです。４よっつの「地球ちきゅう型がた惑星わくせい」の中なかで、今いまでも固有こゆうの磁場じばをもつのは水星すいせいと地球ちきゅうだけです。こうしたことから水星すいせいの成り立なりたちを知しることは、地球ちきゅうの成り立なりたちを知しることにもつながると期待きたいされています。

ただし、水星すいせいの探査たんさは火星かせいなどに比くらべると遅おくれています。それは太陽たいように近ちかいという条件じょうけんの悪わるさからです。

接近せっきんすると探査たんさ機きは高温こうおんにさらされるため、機体きたいを守まもる特別とくべつな対策たいさくが必要ひつようになるほか、太陽たいようの強つよい引力いんりょくに引っ張ひっぱられるため軌道きどう投入とうにゅうに高たかい技術ぎじゅつが求もとめられます。こうしたことから過去かこに水星すいせいを探査たんさしたのはアメリカの２に機きだけです。

このため、まだ謎なぞの多おおい水星すいせい。例たとえばその誕生たんじょうについても、太陽たいようから離はなれた別べつの場所ばしょでつくられ、何なんらかの原因げんいんで今いまの場所ばしょに移動いどうしてきたという説せつがあるなど、惑星わくせいの基本きほん的てきな成り立なりたちもわかっていないことが多おおくあります。

こうした疑問ぎもんにこたえようとアメリカの探査たんさ以来いらいとなる計画けいかくを共同きょうどうで立たち上あげた日本にっぽんとヨーロッパ。水星すいせいの素顔すがおがどこまで明あきらかになるか、成果せいかが期待きたいされています。