オリンピックでは、IOC=国際オリンピック委員会との取り決めで大会を描く公式映画が製作されることになっていて、1964年の東京オリンピックでは市川崑さんが、1972年冬の札幌オリンピックでは篠田正浩さんが監督を務めました。
2020年の東京オリンピックの公式映画は、世界3大映画祭の1つカンヌ映画祭で、「萌(もえ)の朱雀」で新人監督賞にあたるカメラドールを、「殯(もがり)の森」で審査員特別賞にあたるグランプリを受賞するなど、海外でも評価が高い河瀬直美さんが監督を務めることになりました。
組織委員会によりますと、映画の具体的な構想や撮影の手法や時期などは今後詰めることになっていて、映画の完成は、大会のよくとしの2021年春になる予定だということです。
河瀬監督 カンヌ映画祭で部門グランプリなど
映画監督の河瀬直美さんは、奈良県出身の49歳。
平成9年に劇場映画デビュー作「萌の朱雀」で、世界3大映画祭の1つカンヌ映画祭の新人監督賞にあたるカメラドールを日本人で初めて受賞しました。
そして、平成19年のカンヌ映画祭では、介護や出産の経験を元にみずから脚本を書いた「殯の森」がコンペティション部門で最高賞に次ぐグランプリを受賞しています。
河瀬監督はドキュメンタリーも撮り続けていて、生き別れた父親を探しながらみずからの出自を問う「につつまれて」や、出産をテーマにした「玄牝ーげんぴんー」など、数々の作品を発表しています。