日本の
探査機「はやぶさ
2」が
調査した
小惑星「リュウグウ」は、
以前、
太陽により
近い水星の
内側を
通る軌道を
回っていた
可能性があることがわかったと、
JAXA=
宇宙航空研究開発機構が
発表しました。
「リュウグウ」は主に地球と火星の間にあって太陽を回っている小惑星で、「はやぶさ2」は搭載したカメラで表面を詳細に撮影し、分析が行われていました。
その結果、表面にある砂や岩の多くは、現在の太陽との距離では想定できない600度以上の高温で熱せられて赤く変色していることがわかったということです。
その一方で、新しいクレーターでは高い温度になっていないため青い色の砂や岩が確認されていて、比較的最近になって太陽との距離が離れたと考えられるということです。
こうしたことから「リュウグウ」は、およそ800万年前から30万年前の間の一時期、太陽までの距離が現在の3分の1から5分の1程度で、太陽系で最も内側の惑星である水星よりもさらに内側を通る軌道を回り、その後、現在の軌道に変化した可能性があることがわかったということです。
軌道が変化した理由は、天体の重力の影響が考えられるが、詳しくはわからないとしています。
分析を行った東京大学の諸田智克准教授は「小惑星の軌道が変化することを初めて地質学的に検証できたと考えている。『はやぶさ2』が持ち帰る砂などの分析が楽しみだ」と話しています。