パリ ノートルダム大だい聖堂せいどうで火災かさい 中央ちゅうおう部分ぶぶんが崩落ほうらく 大おおきな被害ひがい

フランスのパリ中心ちゅうしん部ぶを流ながれるセーヌ川がわの中州なかす、シテ島とうにあるノートルダム大だい聖堂せいどうで現地げんち時間じかんの15日にち午後ごご７なな時じ前まえ、日本にっぽん時間じかんの16日にち午前ごぜん２に時じ前まえ、火災かさいが発生はっせいしました。

大だい聖堂せいどうの中央ちゅうおう部分ぶぶんが最もっとも激はげしく燃もえ、高たかさおよそ90メートルのせん塔せんとうや周辺しゅうへんの屋根やねが火災かさい発生はっせいからおよそ１いち時間じかん後ごに崩れ落くずれおちました。

その後そのご、火ひは正面しょうめんにそびえるふたつの塔とうのうち北側きたがわの塔とうにも燃え移もえうつり、現場げんばではいまもおよそ400人にんの消防しょうぼう隊員たいいんが消火しょうか活動かつどうを続つづけています。

消防しょうぼうによりますと、消火しょうか活動かつどう中ちゅうに隊員たいいんの１いち人にんが大だいけがをしたほか、これまでに大だい聖堂せいどうの屋根やねの３さん分ぶんの２にが崩れ落くずれおちましたが火ひの広ひろがりは抑おさえているとしています。

大だい聖堂せいどうは火ひが燃え広もえひろがったときには閉館へいかん後ごで、中なかに観光かんこう客きゃくはいなかったとみられ、内務省ないむしょうの高官こうかんは今いまのところ死者ししゃは出でていないと話はなしています。

消防しょうぼうは大だい聖堂せいどうの屋根裏やねうら付近ふきんから火ひが出でたとみていますが、詳くわしい原因げんいんはわかっておらず、地元じもとの検察けんさつ当局とうきょくは失火しっかの疑うたがいで捜査そうさを始はじめたことを明あきらかにしました。

大だい聖堂せいどうでは建物たてものの周まわりに足場あしばを組くんで修復しゅうふくなどの工事こうじが行おこなわれていました。

ノートルダム大だい聖堂せいどうは850年ねん余あまり前まえの1163年ねんに着工ちゃっこうしたゴシック建築けんちくを代表だいひょうする建物たてもので、1991年ねんには周辺しゅうへんの歴史れきし的てきな建築けんちく物ぶつなどとともにユネスコの世界せかい文化ぶんか遺産いさんに登録とうろくされました。

大だい聖堂せいどうには日本人にっぽんじんも含ふくめ世界中せかいじゅうから年間ねんかんおよそ1200万まん人にんの観光かんこう客きゃくが訪おとずれるということでパリ屈指くっしの観光かんこう名所めいしょとして知しられています。

約やく90メートルのせん塔せんとう 崩壊ほうかい

パリの中心ちゅうしん部ぶにある観光かんこう名所めいしょ、ノートルダム大だい聖堂せいどうは、火災かさい発生はっせいからおよそ１いち時間じかんがたった午後ごご８はち時じ、日本にっぽん時間じかんの16日にち午前ごぜん３さん時じ現在げんざいも赤あかい炎ほのおとともに激はげしく燃え上もえあがっています。

火ひは大だい聖堂せいどうの屋根やねづたいに、正面しょうめんに向むかって延焼えんしょうを続つづけ、事態じたいを見守みまもっていた大勢たいせいの人ひとたちの前まえで、大だい聖堂せいどうの後方こうほうにある高たかさおよそ90メートルの塔とうがガラガラと音おとを立たてて崩れ落くずれおちていました。

マクロン大統領だいとうりょう「恐おそろしい悲劇ひげき、最悪さいあくの事態じたい避さけられた」

フランスのマクロン大統領だいとうりょうは、火災かさい現場げんばで記者きしゃ団だんに対にたいして「ノートルダム大だい聖堂せいどうはすべてのフランス人じんにとっての大だい聖堂せいどうで、われわれの歴史れきしの一部いちぶだ。この火災かさいはまさに恐おそろしい悲劇ひげきといえる。消火しょうか活動かつどうは終おわっていないかもしれないが、最悪さいあくの事態じたいは避さけられた。必かならずこの大だい聖堂せいどうを再建さいけんする」と述のべ、大だい聖堂せいどうの再建さいけんに向むけて全力ぜんりょくを尽つくす考かんがえを示しめしました。

パリ市民しみん 衝撃しょうげきと悲かなしみ広ひろがる

ノートルダム大だい聖堂せいどうで火災かさいが起おきたことについて、パリの市民しみんの間まに衝撃しょうげきと悲かなしみが広ひろがっています。

このうち、大だい聖堂せいどうの近ちかくに10年間ねんかん住すんでいるという会計かいけい士しの北谷きたや博道ひろみちさんは、「火災かさい発生はっせい当時とうじは自宅じたくにいて、悲鳴ひめいが聞きこえたので何なにかがあったのだと思おもった。長ながく住すんでいるが、このあたりは静しずかなエリアでこんな火災かさいは初はじめてだ。カトリックの信者しんじゃが多おおく、その総本山そうほんざんとも言いえる場所ばしょが火災かさいに見舞みまわれたことはフランス人じんにとって残念ざんねんなことだと思おもうし、外国がいこく人じんの私わたしも落ち着おちつかない気持きもちです」と話はなしていました。

また、火災かさいが発生はっせいした当時とうじ、近ちかくの飲食いんしょく店てんにいたという28歳さいの女性じょせいは「テレビのニュースで火災かさいが起おきたと聞きき、現場げんばを見みに来きました。歴史れきし的てきな建造けんぞう物ぶつであり、わたしたち市民しみんは皆みな、ショックを受うけています。炎ほのおが高たかく燃え上もえあがっているのを見みて消火しょうかは難むずかしいと感かんじました」と落胆らくたんした様子ようすで話はなしていました。

大だい聖堂せいどうの近ちかくに住すんでいるという75歳さいの男性だんせいは、「パリの象徴しょうちょうであり、重要じゅうような大だい聖堂せいどうなので、ニュースで火災かさいを知しり、すぐに駆かけつけました。ノートルダムはフランスで暮くらすキリスト教徒きりすときょうとにとって歴史れきしある重要じゅうような大だい聖堂せいどうです。修復しゅうふくには長ながい時間じかんがかかるはずで、とても悲かなしいです」と悲嘆ひたんに暮くれていました。

ユネスコ事務じむ局長きょくちょう「これほど激はげしい火災かさいは遺憾いかん」

ユネスコ＝国連こくれん教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかんのアズレ事務じむ局長きょくちょうは、ツイッターで「1991年ねんに世界せかい文化ぶんか遺産いさんに登録とうろくされた大だい聖堂せいどうでこれほど激はげしい火災かさいが起おきたことは遺憾いかんだ。ユネスコとして事態じたいを注視ちゅうしするとともに、貴重きちょうな遺産いさんを保護ほごし復元ふくげんするためフランスを支援しえんする準備じゅんびがある」とコメントしました。

ナポレオン１いち世せいの戴冠たいかん式しきも

ノートルダム大だい聖堂せいどうは、一時いちじ、ヨーロッパの大半たいはんを勢力せいりょく下かに置おいたフランスの皇帝こうていナポレオン１いち世せいの戴冠たいかん式しき（たいかんしき）が行おこなわれたことでも知しられています。

大だい聖堂せいどうは上空じょうくうから見みると十字じゅうじ型がたをしていて、縦たておよそ130メートル、横よこおよそ40メートル、屋根やねまでの高たかさがおよそ40メートルあります。

十字じゅうじ型がたの中央ちゅうおうには高たかさおよそ90メートルの針はりのような鋭するどい形かたちをしたせん塔せんとうがあったほか、正面しょうめんには大だい聖堂せいどうの象徴しょうちょうとも言いえる高たかさおよそ70メートルの２ふたつの塔とうが立たっています。

正面しょうめんの２ふたつの塔とうのうち北側きたがわの塔とうには８やっつ、南側みなみがわの塔とうには２ふたつの鐘かねがあって、このうち南側みなみがわの塔とうの鐘かねの１ひとつは300年ねん以上いじょう前まえに造つくられた重おもさおよそ13トンの「エマニュエル」と呼よばれる有名ゆうめいなものです。

大だい聖堂せいどうの中なかには、700年ねん以上いじょう前まえに設置せっちされたステンドグラスや400年ねん近ちかく前まえの絵画かいがなど貴重きちょうな芸術げいじゅつ品ひんが数多かずおおくあります。

火災かさいが起おきた当時とうじ、大だい聖堂せいどうでは修復しゅうふくなどの工事こうじが行おこなわれていて、中央ちゅうおう部分ぶぶんのせん塔せんとうの周まわりには足場あしばが組くまれていましたが、この塔とうは炎ほのおに包つつまれて倒壊とうかいし屋根やねのほとんどが焼け落やけおちています。

トランプ大統領だいとうりょう「人生じんせいの一部いちぶ」

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、フランスのパリにあるノートルダム大だい聖堂せいどうで大だい規模きぼな火災かさいが起おきたことについて中西部ちゅうせいぶミネソタ州しゅうで15日にち、「ひどい火災かさいだ。ノートルダム大だい聖堂せいどうは国くにを越こえ、われわれの成長せいちょう、文化ぶんか、そして人生じんせいの一部いちぶだ。私わたしも行おこなったことがあるが、本当ほんとうにすばらしい大だい聖堂せいどうだ」と述のべました。

そして、「まだよくはわからないが、彼かれらは、火災かさいが修復しゅうふくによって起おきたとみているようだ」と述のべ、出火しゅっかの原因げんいんにまで言及げんきゅうしました。