日本に
最も多くの
技能実習生を
送り出しているベトナムでは、
円安が
続く中で
現地通貨ベースでの
収入が
実質的に
減ること
などから、
行き先を
日本から
別の
場所に
変更する
人や、
来日後にベトナムに
帰国する
人も
出始めています。
出入国在留管理庁によりますと、ことし6月末時点で、国内で働きながら技術を学ぶ外国人技能実習生の数は32万7000人余りにのぼり、出身国別ではベトナムがおよそ55%を占め、最も多くなっています。
ベトナム国内には、国外に出て働くことを目指す人たちに対して、ことばや生活習慣などを教える送り出し機関が数多くあります。
このうちハノイにある送り出し機関では、これまではおよそ8割の人が技能実習生として日本を目指してましたが、このところ、行き先を台湾などに変更する人が増えているということです。
送り出し機関によりますと、背景には、円がベトナムの通貨、ドンに対してもことし始めから最大20%ほど値下がりし、日本で得た収入を現地通貨にした際に実質的に目減りしてしまうほか、ベトナムからの距離が近い台湾は渡航にかかる費用が少なく済むこと、日本の入国制限の今後の動向が不透明だと感じる人がいることなどがあるということです。
この送り出し機関では、日本に行くことを希望する人が減り、十分な人数を集められないとして、日本にある受け入れ先の団体に対して採用面談の日程を延期するよう依頼するなど対応に追われていました。
行き先を日本から台湾に変更した男性は、「日本も調べたが円がかなり安くなっている。現地にいる友人などがお金がたまらないと言っていた」と話していました。
送り出し機関のブイ・スアン・クアン会長は、「実習生は日本に行くか非常に迷っている。私たちは円のレートがあがり実習生たちが安定した収入を得られるようになることを望んでいる」と話していました。
帰国選んだ元技能実習生も
35
歳のグエン・チュン・タイン
さんは、ベトナム
中部で
妻と7
歳の
娘、
それに3
歳の
娘の4
人で
暮らしています。
グエンさんは、新たな技能を学ぶとともに、子どもたちの教育費を賄いたいと技能実習生として日本へ行くことを決めました。
しかし、新型コロナの感染拡大で1年以上、入国できない状態が続き、水際対策が緩和されたことし5月末に来日して建設会社で働き始めました。
会社では、丁寧に仕事を教えてくれた上、職場環境もとてもよかったということです。
ところが家族への仕送りもしないといけない中、円安の影響で日本で得た収入がベトナムの現地通貨ベースで実質的に減ってしまう上、日本の物価が高くなり、生活費が想像していたよりもかかり、仕送りする金額を減らさざるを得なかったということです。
一方で、ベトナム国内では経済成長が続き、ことし7月には最低賃金がおよそ6%引き上げられるなど日本との差が徐々に縮まっていると感じたグエンさんは、来日してから3か月もたたないことし8月、ベトナムに帰国しました。
グエンさんは、帰国直後に3社からオファーを受けて、現在は地元の会社で働いています。
給料は日本にいたときと比べて4割ほど減ったということですが、家族と一緒に過ごせることや、今後の昇給が見込まれることなどから現在の生活に満足しているということです。
グエンさんは、「円の価値が非常に低くなる中で給与は期待していたほどではありませんでした。日本では勤務時間が非常に長く多くの時間を費やします。日本とベトナムの給料を比べると、3年間、妻や子どもと離れて暮らすだけの価値はないと思います」と話していました。
賃金未払いで県外へ移った実習生
先月、
愛媛県西予市の
縫製会社で
働くベトナム
人技能実習生に対する残業代の
不払いが
明らかになりました。
支援団体などが開いた会見によりますと、技能実習生11人について、多い月では残業時間が150時間を超えていましたが、縫製会社からは、その大半が最低賃金の半分ほどの時給350円から400円程度しか支払われていないということです。
おととし以降の11人分の不払いの総額は、 2700万円ほどに上るということです。
こうした状況で同じ職場では働くことができず、会社も破産に向けた準備を始めたことから実習生たちは支援団体の協力によって岐阜県の別の縫製会社で受け入れてもらうことになりました。
問題の発覚後、縫製会社に製造を委託していた衣料品大手のワコールは、実習生の生活資金にあててもらうためとして500万円を寄付しました。
縫製会社の代理人は国の立て替え制度を使ってなるべく支払いたいとしていますが、不払いの総額には届かない見通しです。ベトナムに2人の子どもがいるディン・ティ・ビック・タックさんは、「残業代の未払いで子どもに十分な教育を受けさせてあげられず非常に残念です。会社からは何も連絡はなく、憤りを感じています」と話していました。
支援団体には、こうした相談が連日のように寄せられ、コロナ禍で制限されていた外国人の入国が緩和されたことし春ごろからは特に多くなっているということで労働団体の「連合東京」とも協力して対応にあたっています。
NPO法人「日越ともいき支援会」の吉水慈豊代表理事は「一日10件以上の相談がありますが、これはまだ氷山の一角です。私たちのようなNPOが毎日支援に飛び回っている状況は本来あってはならないことで、国の支援体制を整えてもらいたいです」と話していました。
日本国際交流センター理事「世界標準で見直しを」
外国人の
労働問題に
詳しい日本国際交流センターの
毛受敏浩執行理事は、「
技能実習生が20
万、30
万と
増えてきた
中で、すべてを
今の
制度で
モニターするのは
不可能になってきている。
労働と
人権の
問題が
世界中でクローズアップされる
中で、
人権上の
問題は
最初にクリアすべきだ」と
指摘しています。
また、技能実習制度の見直しにあたっては、円安傾向もあって働き先としての日本の魅力が下がってきているとして、「日本でよりよい人材に活躍してもらうにはどうしたらよいのかという視点で制度を見直す必要がある。コロナ禍がある程度、落ち着き、世界中で人手不足が起きて人材獲得競争が起きている中で世界標準で考えて日本が本当に選ばれる国になっているのか、考える必要がある」と話していました。
タイ・カンボジア 合意した停戦が発効 緊張緩和が進むかが焦点
国境地帯で武力衝突を続けてきたタイとカンボジアが28日、マレーシアなどの仲介で無条件の停戦で合意したのを受けて、日本時間の29日午前2時に停戦が発効しました。その後、双方の衝突に関する情報は伝えられておらず、今後、緊張の緩和が進むのかが焦点となります。
N2
Source: NHK
936
Jul 29, 2025 05:07
日銀 金融政策決定会合 政策金利を据え置く方向で議論の見通し
日銀は31日、2日目の金融政策決定会合を開きます。日銀内では、トランプ政権の関税措置をめぐる日米交渉の合意で不確実性は低くなったという受け止めがある一方、企業収益などに与える影響を見極めたいという意見も多く、会合では政策金利を据え置く方向で議論が行われる見通しです。
N2
Source: NHK
442
Jul 31, 2025 06:07
米FRB 利下げを見送り 政策金利の据え置き決定 5会合連続
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は金融政策を決める会合を開き、30日、利下げを見送り、政策金利を据え置くことを決定したと発表しました。ただ、2人の理事が利下げを支持して反対する異例の状況にもなっていて、関税措置による影響が広がっているとの懸念も出る中、今後の利下げをめぐる判断が焦点となります。
N1
Source: NHK
245
Jul 31, 2025 07:07
自民党両院議員総会を来週後半にも開催の方向で調整
参議院選挙の敗北を受けて自民党は、来週後半にも両院議員総会を開く方向で調整を進めています。総会を通じてみずからへの辞任圧力を強めようとする動きもある中、石破総理大臣としては、丁寧に説明を続け、続投への理解を重ねて求めていく考えです。
N1
Source: NHK
141
Jul 30, 2025 05:07