ことしのノーベル
化学賞の
受賞者に、
有機触媒の
研究で
大きな貢献をしたドイツの
研究機関と
アメリカの
大学の
研究者2
人が
選ばれました。
スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の6日午後7時前、ことしのノーベル化学賞の受賞者を発表しました。
受賞が決まったのは、ドイツのマックス・プランク研究所のベンジャミン・リスト氏とアメリカのプリンストン大学のデビッド・マクミラン氏です。
2人は有機触媒の分野の研究で大きな貢献をしたことが評価され、選考委員会は、彼らが開発した有機触媒を利用することで新たな医薬品などを効率的に作り出せるようになったとしています。
有機触媒の研究に詳しく、2人とも交流のある学習院大学の秋山隆彦教授は「リスト氏とマクミラン氏は、2000年に化学反応を促す新たな有機触媒をそれぞれ同時に発表した。これまでの触媒はパラジウムなどの金属を使うことが一般的だったが、この触媒は金属を使わないことから、医薬品などを作る際にも、より安全に作ることができるし、安価に作れることも特徴だ」と話しています。
リスト氏は北海道大学の研究拠点にも所属
ノーベル
化学賞の
受賞が
決まった
アメリカのベンジャミン・リスト
氏は
北海道大学のICReDD=
化学反応創成研究拠点にも
主任研究者として
所属し、
研究活動を
行っています。
ICReDDの拠点長を務める前田理教授は「すばらしい業績を上げていて、いつかノーベル賞を受賞するのではないかと期待していました。その期待がことし、かなったということでうれしく思っています。リスト先生は金属を使わずに有機合成をするという分野の研究者で、金属を使わないことで薬を作るときに不純物が入らないといったメリットがある。受賞が決まった2人はこの分野を切り開いた存在だと思う」と述べました。
そして「私たちの研究拠点は、計算と情報と実験をうまく組み合わせて新たな化学反応を見つける研究を行っていて、リスト先生には大きな協力をいただいている。ノーベル賞を受賞されるということで忙しくなると思うが、引き続き一緒に研究を進めてほしい」と述べました。