去年9月の
台風21
号で、
流されたタンカーが
関西空港の
連絡橋に
衝突した
事故で、
海上保安庁は、
当時の
船長が
台風の
強風に対して
適切な
処置を
取らなかったことが
事故につながったとして、
業務上過失往来危険の
疑いで
書類送検しました。
去年9月4日、
台風21
号の
強風で
流されたタンカー「
宝運丸」が
関西空港の
連絡橋に
衝突して
橋桁が
大きく
壊れ、
空港は
一時、
孤立状態になりました。
橋が
完全に
復旧したのは
7か月後のことし
4月でした。
事故のあと、海上保安庁の関西空港海上保安航空基地が状況を調べた結果、宝運丸は当時、連絡橋から2キロほどしか離れていない位置に停泊していたうえ、2つのいかりのうち1つしか使わなかったため、いかりごと流される「走錨(そうびょう)」と呼ばれる状態になっていたことが分かったということです。
このため海上保安庁は台風の強風に対して適切な処置を取らなかったことが事故につながったとして、41歳の元船長を業務上過失往来危険の疑いで27日、書類送検しました。
宝運丸を所有していた福岡市の日之出海運は「適切な対応を取っていたと考えているが、想定を超える風で事故を起こしてしまった。書類送検されたのは残念だ」と話しています。
事故のあと、関西空港など海に面した重要施設周辺では台風の接近などが予想される際、船舶の航行を原則禁止する新たな規制が設けられました。