アメリカのFRB=
連邦準備制度理事会は
金融政策を
決める会合を
開き、18
日、
利下げを
見送り、
政策金利を
据え置くことを
決定したと
発表しました。
美国联邦储备委员会(FRB)召开了决定货币政策的会议,并于18日宣布,决定暂不降息,维持政策利率不变。
トランプ大統領は
繰り返し
利下げを
求めていますが、パウエル
議長は
記者会見で
利下げの
判断には「
インフレ率が
低下しているという
確信が
必要だ」
などと
述べ、
関税措置の
影響を
見極める考えを
改めて強調しました。
特朗普总统反复要求降息,但鲍威尔主席在记者会上表示,作出降息决定“需要确信通胀率正在下降”,并再次强调将密切关注关税措施的影响。
FRBは18日までの2日間、金融政策を決める会合を開きました。
美联储于18日为止的两天内召开了决定金融政策的会议。
発表した声明では、最近の指標は経済活動が底堅いペースで拡大していることを示しているなどとする一方、インフレ率はいくぶん高いままだと指摘しています。
在发表的声明中指出,最近的指标显示经济活动正在以坚实的步伐扩展,但同时也指出通胀率依然略高。
そして、今回の会合では利下げを見送り、4会合連続で政策金利を据え置くことを決定しました。
在这次会议上,决定不降息,连续第四次维持政策利率不变。
政策金利は4。
25%から4。
5%の
幅のままとなります。
また、今回の会合では参加者19人によるアメリカの経済や政策金利の見通しも示されました。
此外,这次会议还公布了19位与会者对美国经济和政策利率的展望。
それによりますと、ことし10月から12月のGDPの実質の伸び率は1。
4%と、
前回・ことし3
月の
発表から0。
3
ポイント引き下げられました。
一方で、物価については同じ期間でPCEの物価指数の上昇率が2。
另一方面,在同一时期内,PCE物价指数的上涨率为2。
7%から3。
0%へと
引き上げられました。
政策金利については、年内に想定される利下げの回数が前回と同じ2回のままでしたが、参加者のうち3分の1を超える7人が年内は利下げを行わないという見通しを示しました。
关于政策利率,年内预计的降息次数与上次一样仍为两次,但有超过三分之一的与会者(7人)表示,预计今年内不会降息。
FRBに対しトランプ大統領は繰り返し利下げを求めていますが、パウエル議長は会合終了後の記者会見で利下げの判断をめぐって「インフレ率が低下しているという確信が必要だ。
特朗普总统反复要求美联储降息,但鲍威尔主席在会后记者会上表示,关于降息的判断,“需要有通胀率正在下降的确信”。
関税がなければ
その確信は
強まっていただろう」と
述べ、インフレが
再加速しないか
など関税措置の
影響を
見極める考えを
改めて強調しました。
如果没有关税,这种信心本来会更加强烈,”他表示,并再次强调将密切关注关税措施的影响,例如是否会导致通胀再次加速。
《詳報》パウエル議長 会見での発言
「政策変更 経済への影響は依然不透明」
パウエル議長は会合後の記者会見で「貿易や移民、財政や規制に関する政策の変更は続いていて、経済への影響は依然として不透明だ」と述べ、利下げを急ぐ必要はないという認識を改めて示しました。
《详细报道》鲍威尔主席在记者会上表示:“政策变化对经济的影响依然不明朗。”鲍威尔主席在会后记者会上表示:“贸易、移民、财政及监管相关政策的变化仍在持续,对经济的影响依然不明朗。”他再次表明,目前没有必要急于降息的看法。
そのうえで、「関税の影響は最終的に引き上げられた水準によって左右される。
在此基础上,“关税的影响最终取决于提高后的水平”。
関税の
水準や
経済に
与える影響の
予測は4
月にピークに
達し、
その後は
低下している。
关税水平及其对经济影响的预测在四月份达到峰值,之后有所下降。
それでも、ことしの
関税の
引き上げは
物価を
押し上げ、
経済活動を
圧迫する
可能性が
高い」と
述べました。
尽管如此,他表示,今年的关税上调很可能会推高物价,并对经济活动造成压力。
「現在の金融政策 タイムリーに対応できる態勢」
パウエル議長は「現在の金融政策のスタンスは潜在的な経済動向にもタイムリーに対応できる態勢を整えていると考えている」と述べました。
“目前的金融政策能够及时应对”——鲍威尔主席表示:“我认为,目前的金融政策立场已经做好了能够及时应对潜在经济动向的准备。”
「関税の影響 非常に不確実だ」
パウエル議長は「多くの企業は関税の影響のすべて、またはその一部を、流通の連鎖の次の段階に、そして、最終的には消費者に転嫁することを見込んでいる。
“关税的影响非常不确定。”鲍威尔主席表示:“许多企业预计会将关税的全部或部分影响转嫁到流通链的下一个环节,并最终转嫁给消费者。”
現時点では、
関税の
影響の
大きさや
それが
いつまで
続くか
などは
いずれも
非常に
不確実だ」と
述べました。
目前,关税影响的程度以及会持续到何时等,都非常不确定。
トランプ大統領の批判 回答避ける
トランプ大統領が批判を強めていることについて問われたのに対し、「会合のメンバー全員が望んでいるのは力強い労働市場と物価の安定を伴う、良好で堅調なアメリカ経済だ。
当被问及特朗普总统加大批评一事时,他回避了回答,并表示:“所有会议成员都希望拥有强劲的劳动力市场和物价稳定的良好且稳健的美国经济。”
われわれの
政策は
重要な
経済の
動向に
対応できる態勢となっている。
それが、
私たちにとって
重要で、
ほぼすべてだ」と
述べるにとどめ、
直接の
回答を
避けました。
他只是表示:“那对我们来说很重要,几乎就是全部。”,并没有直接回答问题。
続いて、トランプ大統領から議長に再任されない場合、FRBの理事としてとどまるか問われたのに対し、「それについては考えていない」と述べました。
接着,当被问及如果未被特朗普总统再次任命为主席,是否会继续担任美联储理事时,他表示:“我没有考虑过这个问题。”
「中東で混乱 一般的にインフレに長期的影響ない」
イスラエルとイランの攻撃の応酬による経済への影響について問われ、「注視しているが、コメントはない。
“中东混乱一般对通胀没有长期影响”——被问及以色列和伊朗互相攻击对经济的影响时,他表示:“我们正在关注,但没有评论。”
エネルギー価格が
上昇する
可能性はある。
中東で
混乱が
起きると、
エネルギー価格が
急騰する
傾向が
あるが、
その後は
下がる傾向もあり、
一般的にインフレに
長期的な
影響を
与えることはない」と
述べました。
“当中东发生混乱时,能源价格往往会急剧上涨,但之后也有下降的趋势,一般来说不会对通货膨胀产生长期影响。”
そして、1970年代のオイルショックについて言及し、「当時は非常に大きなショックが相次ぎ長期的な影響があったが、今はそのようなことは起きていない。
并且提到了1970年代的石油危机,“当时接连发生了非常大的冲击,并产生了长期影响,但现在并没有发生那样的事情。”
また、
アメリカの
経済は1970
年代に
比べ、
外国産の
原油への
依存度がはるかに
下がっている」と
述べました。
此外,他表示,“与1970年代相比,美国经济对外国原油的依赖度已经大大降低了。”
参加者19人による経済や政策金利の見通し
FRBは今回の会合で参加者19人による経済や政策金利の見通しを発表しました。
美联储在本次会议上公布了由19名与会者对经济和政策利率的展望。
注目されたのが政策金利の見通しです。
参加者がそれぞれ適切だと考える金利を点=ドットで示しており、「ドット・チャート」と呼ばれ、市場ではその中央値がFRBが目指す金利水準だと受け止められています。
参与者用点(dot)表示他们认为合适的利率,这被称为“点阵图”,在市场上其中位数被认为是美联储所追求的利率水平。
今回の見通しでは、ことしの年末時点の金利水準の中央値は前回・ことし3月に示した見通しと同じ3。
在这次展望中,今年年底时的利率中值与上次今年3月公布的展望相同,都是3。
9%でした。
1回の利下げ幅を通常の0。
25%とした
場合、
年内の
利下げの
回数は2
回の
想定となります。
ただ、年内の利下げ回数をゼロと見ている参加者が前回・3月の4人から7人に増えています。
不过,预计年内不会降息的与会者人数,从上次3月的4人增加到了7人。
これは
全体の3
分の1
以上にあたります。
一方、ことし10月から12月のアメリカのGDP=国内総生産については去年の同じ時期と比べた実質の伸び率で1。
另一方面,今年10月至12月美国的GDP(国内生产总值)与去年同期相比,实际增长率为1。
4%と、
前回の
想定で
ある1。
7%から0。
3
ポイント引き下げられました。
また、失業率についても同じ時期の平均で前回の4。
4%より0。
1
ポイント高い、4。
5%とわずかながら
悪化する
想定を
示しています。
インフレの状況を見極めるための指標としてFRBが重視するPCE=個人消費支出の物価指数は、ことし10月から12月にかけての上昇率が、去年の同じ時期と比べ、3。
作为判断通胀状况的重要指标,美联储高度重视的PCE——个人消费支出物价指数,在今年10月至12月的涨幅与去年同期相比为3%。
0%と、
前回の2。
7%から
引き上げられました。
トランプ政権の関税措置などによる景気の減速やインフレの再加速を会合参加者が懸念したものとみられます。
与会成员似乎担心特朗普政府的关税措施等导致经济减速和通胀再次加速。
トランプ大統領「私が議長ならはるかにいい仕事できる」
トランプ大統領は18日、FRB=連邦準備制度理事会が金融政策を決める会合を開いているさなか記者団に対して、パウエル議長を痛烈に批判し、改めて利下げを求めました。
特朗普总统:“如果我是主席,我能做得更好” 特朗普总统18日在美联储(FRB)召开决定货币政策的会议期间,严厉批评了鲍威尔主席,并再次要求降息。
この中で、トランプ大統領は「私がFRBに行くべきなのかもしれない。
在这期间,特朗普总统表示:“也许我应该去美联储。”
自分をFRB
議長に
任命していいのかは
分からないが
私ならはるかにいい
仕事が
できる」と
述べました。
我不知道是否可以任命自己为美联储主席,但如果是我的话,我一定能做得更好。
また「パウエル議長がインフレを心配するのは理解できる」としたうえで2期目の政権発足以降、インフレは落ちつき今後も再加速することはないとしてFRBは金利を引き下げるべきだという考えを強調しました。
此外,他强调,虽然“可以理解鲍威尔主席担心通胀”,但自第二任期政府成立以来,通胀已经趋于平稳,今后也不会再次加速,因此美联储应该下调利率。
さらに「利下げを拒否する男がいる。
ただ、
拒否しているだけで
賢い人間ではない。
愚かな
人間だ」と
述べてパウエル
議長を
痛烈に
批判しました。
【解説】ワシントン支局・小田島拓也記者
Q。今回も利下げを見送ったが、関税による物価上昇への懸念はやはり根強いのか?
A。
这次也没有降息,但对于关税引发的物价上涨的担忧果然依然根深蒂固吗?
足元の
インフレ率は
落ち着いていますが、パウエル
議長はきょうの
会見でも、
関税措置による
今後の
影響は
非常に
不確実だと
述べ、リスクを
見極める考えを
強調しました。
目前的通胀率虽然趋于平稳,但鲍威尔主席在今天的记者会上也表示,由于关税措施带来的未来影响非常不确定,他强调了将继续评估相关风险的立场。
FRBには記録的なインフレを見誤った苦い経験があるだけに、加速するとなかなか抑え込めないインフレを絶対に再発させないという強い決意があると思います。
鉴于美联储曾有过误判创纪录通胀的惨痛教训,我认为他们有着绝不让加速后难以遏制的通胀再次发生的坚定决心。
トランプ大統領は今回の会合中にもパウエル議長を批判して改めて利下げを求めましたが、パウエル議長は「関税がなければインフレ率が低下する確信が強まっていた」と述べ、利下げに踏み切れないのは関税措置が理由だと痛烈にやり返したような形です。
在此次会谈中,特朗普总统再次批评了鲍威尔主席,并重申了降息的要求。然而,鲍威尔主席表示:“如果没有关税,我对通胀率会下降的信心会更强。”他强烈反驳称,无法采取降息措施的原因正是关税政策。
Q。対立した状況は今後も続くのか?
A。
パウエル
議長の
任期は
来年5
月までと1
年近くありますが、
トランプ大統領は
議長の
後任を
近く
明らかにする
考えを
示しています。
鲍威尔主席的任期还有将近一年,到明年五月结束,但特朗普总统表示很快会公布下一任主席人选。
異例の早期指名によって、言うことを聞かないパウエル議長をレームダック化させるという思惑があるとも指摘されています。
有观点指出,提前任命的非常规做法,意在让不听话的鲍威尔主席变成“跛脚鸭”。
今後は、関税措置の影響に加え、次の議長をめぐる発言についても注目が強まることになりそうです。
今后,除了关税措施的影响之外,围绕下一任主席的发言也将受到更多关注。