この事件で、警察は別の事件で逮捕・起訴された上倉崇敬容疑者(44)と、知り合いの西谷真弓容疑者(59)を強盗傷害などの疑いで逮捕しました。
上倉容疑者は、おととし、島根県出雲市で高齢者の自宅に宅配業者を装い押し入ったなどとして、懲役5年の判決が確定し服役中で、捜査関係者によりますと、今回の事件にも関わっているという情報が寄せられ、防犯カメラの映像などから逮捕したということです。
警察によりますと、上倉容疑者は事件当時、自民党の二之湯智参議院議員の公設秘書を務めていました。
警察は西谷容疑者から被害者の家に多額の現金があるという情報を得て事件に及んだとみて、いきさつなどを調べることにしています。
警察は2人が容疑を認めているか明らかにしていません。
二之湯議員「任命者として反省」
自民党の二之湯智参議院議員は、国会内で記者団に対し、みずからの元公設秘書が逮捕されたことについて、「驚いている」と述べました。
そのうえで、「先輩議員から頼まれて雇った。最初の3年間くらいは真面目にやっていたが、後半は私生活の乱れがあった。京都の歓楽街で遊んでいるといううわさを聞いていたが、秘書の給料でできるわけがない。男前とか、いろいろ言われていたので、本人も調子に乗ったのだろうが、『人間は中身を充実させなければならない』と言っても、なかなか聞かないので、辞めてもらった」と説明しました。
そして、二之湯氏は「こんな事件が起きているとは全く知らなかったが、私も任命した者として大変反省している。申し訳ない」と陳謝しました。
私的理由で退職
二之湯智参議院議員の事務所によりますと、上倉容疑者は平成16年からアルバイトとして勤め始め、同じ年に議員が参議院選挙で初当選したあと、正式に秘書になったということです。
事件当時も勤務態度に変わった様子は見られず、平成23年に私的な理由で退職したということです。
事務所の秘書は、取材に対し「驚きと信じられないという思いに尽きます」と話しています。
画像公開で捜査
事件が起きたのは8年前、平成22年9月29日です。警察によりますと、京都市左京区下鴨北園町の会社社長の住宅に宅配業者を装った男が現れました。
男は玄関に出てきた社長の妻にナイフを突きつけて脅し、ひもで両手を縛りました。その際、妻は手首や背中などに軽いけがをしたということです。
さらに、男は「金庫の鍵はどこだ」と脅して鍵を出させ、金庫に保管されていた現金1億円を奪って逃げました。
玄関のカメラにはサングラスをかけて野球帽をかぶり、緑色のシャツを着て段ボール箱を抱える男の姿が写っていました。
警察はこの画像を公開して捜査を続けていました。