일본어 뉴스: 憲法改正“必要”35％ “必要ない”19％ NHK世論調査

3日にちは日本にっぽん国こく憲法けんぽうの施行しこうから75年ねんとなる憲法けんぽう記念きねん日びです。

NHKの世論せろん調査ちょうさで今いまの憲法けんぽうを改正かいせいする必要ひつようがあると思おもうかどうか聞きいたところ、「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」が35％、「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」が19％でした。

また、戦争せんそうの放棄ほうきを定さだめた憲法けんぽう9条じょうを改正かいせいする必要ひつようがあると思おもうかどうか聞きいたところ、「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」が31％、「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」が30％でした。

調査ちょうさ概要がいよう

NHKは、先月せんげつ15日にちから3日間にちかん、全国ぜんこくの18歳さい以上いじょうを対象たいしょうにコンピューターで無む作為さくいに発生はっせいさせた固定こてい電話でんわと携帯けいたい電話でんわの番号ばんごうに電話でんわをかけるRDDという方法ほうほうで世論せろん調査ちょうさを行おこないました。

調査ちょうさの対象たいしょうになったのは2978人にんで、50.6％にあたる1508人にんから回答かいとうを得えました。

憲法けんぽう改正かいせいの必要ひつよう性せい

今いまの憲法けんぽうを改正かいせいする必要ひつようがあると思おもうかどうか聞きいたところ、

▽「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」が35％

▽「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」が19％

▽「どちらともいえない」が42％でした。

去年きょねんの同おなじ時期じきに行いった調査ちょうさと比くらべると、「改正かいせいする必要ひつようがある」と「改正かいせいする必要ひつようはない」は、いずれもほぼ同おなじ割合わりあいでした。

“改正かいせいが必要ひつよう”の理由りゆう

憲法けんぽうを「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」と答こたえた人ひとに理由りゆうを聞きいたところ、

▽「日本にっぽんを取とりまく安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうの変化へんかに対応たいおうするため必要ひつようだから」が57％と最もっとも多おおく

▽「国くにの自衛じえい権けんや自衛隊じえいたいの存在そんざいを明確めいかくにすべきだから」が23％

▽「プライバシーの権利けんりや環境かんきょう権けんなど、新あらたな権利けんりを盛り込もりこむべきだから」が9％

▽「アメリカに押おしつけられた憲法けんぽうだから」が6％でした。

“改正かいせいは必要ひつようない”の理由りゆう

憲法けんぽうを「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」と答こたえた人ひとに理由りゆうを聞きいたところ、

▽「戦争せんそうの放棄ほうきを定さだめた憲法けんぽう9条じょうを守まもりたいから」が61％と最もっとも多おおく

▽「すでに国民こくみんの中なかに定着ていちゃくしているから」が16％

▽「基本きほん的てき人権じんけんが守まもられているから」が15％

▽「アジア各国かっこくなどとの国際こくさい関係かんけいを損そこなうから」が3％でした。

憲法けんぽう9条じょう改正かいせいの必要ひつよう性せい

憲法けんぽう9条じょうについて、改正かいせいする必要ひつようがあると思おもうかどうか聞きいたところ、

▽「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」が31％

▽「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」が30％

▽「どちらともいえない」が34％でした。

去年きょねんの同おなじ時期じきに行いった調査ちょうさでは「改正かいせいする必要ひつようはない」が「改正かいせいする必要ひつようがある」をやや上回うわまわっていましたが、今回こんかいは同どう程度ていどとなりました。

憲法けんぽう9条じょう“改正かいせいが必要ひつよう”の理由りゆう

憲法けんぽう9条じょうを「改正かいせいする必要ひつようがあると思おもう」と答こたえた人ひとに理由りゆうを聞きいたところ、

▽「自衛じえい力りょくを持もてることを憲法けんぽうにはっきりと書かくべきだから」が64％と最もっとも多おおく

▽「国連こくれんを中心ちゅうしんとする軍事ぐんじ活動かつどうにも参加さんかできるようにすべきだから」が20％

▽「自衛隊じえいたいも含ふくめた軍事ぐんじ力りょくを放棄ほうきすることを明確めいかくにすべきだから」が8％

▽「海外かいがいで武力ぶりょく行使こうしができるようにすべきだから」が4％でした。

憲法けんぽう9条じょう“改正かいせいは必要ひつようない”の理由りゆう

憲法けんぽう9条じょうを「改正かいせいする必要ひつようはないと思おもう」と答こたえた人ひとに理由りゆうを聞きいたところ、

▽「平和へいわ憲法けんぽうとしての最もっとも大事だいじな条文じょうぶんだから」が70％と最もっとも多おおく

▽「改正かいせいしなくても、憲法けんぽう解釈かいしゃくの変更へんこうで対応たいおうできるから」が15％

▽「海外かいがいでの武力ぶりょく行使こうしの歯止はどめがなくなるから」が9％

▽「アジア各国かっこくなどとの国際こくさい関係かんけいを損そこなうから」が4％でした。

※調査ちょうさ結果けっかは四捨五入ししゃごにゅうしているため合計ごうけいが100％にならないことがあります。

※複数ふくすうの選択肢せんたくしを合計ごうけいする場合ばあいは、実数じっすうを足たして％を再さい計算けいさんしているため％の合計ごうけい値ちとは一致いっちしないことがあります。

“憲法けんぽう改正かいせいに向むけた議論ぎろんを” 関西かんさい学院がくいん大学だいがく井上いのうえ武史たけし教授きょうじゅ

憲法けんぽう学がくが専門せんもんで、憲法けんぽう改正かいせいに向むけた議論ぎろんを進すすめるべきだという立場たちばの関西かんさい学院がくいん大学だいがくの井上いのうえ武史たけし教授きょうじゅは「ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうでもう少もうすこし顕著けんちょに9条じょうを改正かいせいしたほうがいいという人ひとが増ふえると思おもったが、いっときの事態じたいに流ながされず冷静れいせいに考かんがえていこうという姿勢しせいの表あらわれだと思おもう」と話はなしています。

そのうえで「実際じっさいの大国たいこくによる侵略しんりゃくを目めにしたことや、中国ちゅうごくの脅威きょういなどもある中なかで、75年ねん前まえの前提ぜんていとは変かわり、9条じょうをそのままの形かたちで保たもつのは無理むりな面めんもあるのではと、ある程度あるていどの国民こくみんが気きづいているとも言いえる。9条じょうの改憲かいけんについて賛否さんぴが均衡きんこうしているのは悪わるくない状態じょうたいで、両者りょうしゃで対話たいわをして、いい方向ほうこうを探さぐっていくべきだ」と指摘してきしています。

そして、施行しこうから75年ねんとなった憲法けんぽうへの向き合むきあい方かたについて「制定せいていから75年間ねんかん、1回かいも改正かいせいしていない憲法けんぽうは、知しるかぎり世界せかいでほかになく、時代じだいにあわせて価値かち観かんや考え方かんがえかたも変かわっている。困難こんなんな憲法けんぽう改正かいせいより、法律ほうりつ改正かいせいや憲法けんぽう解釈かいしゃくを変かえることで対処たいしょできるなら、そちらを選えらぼうという考え方かんがえかたは政治せいじ家かにも多おおいと思おもうが、それは本当ほんとうはよくない。自分じぶんたちの憲法けんぽうを常つねにチェックして見直みなおし、どんな事態じたいが来きてもうまく対処たいしょできるように、平時へいじから改憲かいけんの議論ぎろんをしておく必要ひつようがある」と話はなしています。

“今いまは憲法けんぽうを変かえるべきではない” 東京とうきょう大学だいがく石川いしかわ健治けんじ教授きょうじゅ

憲法けんぽう学がくが専門せんもんで、今いまは憲法けんぽうを変かえるべきではないという立場たちばの東京とうきょう大学だいがくの石川いしかわ健治けんじ教授きょうじゅは「ウクライナ侵攻しんこうによる現実げんじつ的てきな恐怖きょうふから、一挙いっきょに9条じょう改正かいせいへという流ながれができてしまうのではないかと思おもっていたが、データを見みるかぎり、非常ひじょうに皆みなさん冷静れいせいだという印象いんしょうを受うける」と話はなしています。

そのうえで「憲法けんぽう9条じょうは、安全あんぜん保障ほしょうの目的もくてきのための手段しゅだんとして用意よういされた条文じょうぶんではなく、軍事ぐんじ力りょくの統制とうせいという課題かだいに対応たいおうするために用意よういされ、究極きゅうきょく的てきには国民こくみんの自由じゆうを確保かくほするためにある。国防こくぼう目的もくてきの国家こっかにはしないという文明ぶんめい的てきな選択せんたくが、日本にっぽん国こく憲法けんぽうであり、とりわけ憲法けんぽう9条じょうなので、それを大事だいじに、その前提ぜんていで議論ぎろんする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

そして、施行しこうから75年ねんとなった憲法けんぽうへの向き合むきあい方かたについて「憲法けんぽうに関にかんする議論ぎろんは、目先めさきの問題もんだいに振り回ふりまわされず長ながいスパンで考かんがえていくことが非常ひじょうに大事だいじだ。コロナ対策たいさくやウクライナ侵攻しんこうに対にたいする手段しゅだんをいかにスピード感かんを持もって実現じつげんすべきかという考え方かんがえかたの延長えんちょう線せん上じょうに、専制せんせい主義しゅぎ的てきな統治とうちのほうが効率こうりつ的てきでいいのではないかという見通みとおしが出でてきてしまっている。75年ねんという節目ふしめに、自由じゆうを確保かくほするために立憲りっけん主義しゅぎ的てきな体制たいせいを維持いじするという選択せんたくをするかしないかが、実じつは問とわれていると思おもう」と話はなしています。