アメリカの
トランプ大統領は、
北朝鮮のキム・ジョンウン(
金正恩)
朝鮮労働党委員長との
2回目の
米朝首脳会談について、
近くシンガポール
以外の
場所で
開催されるという
見通しを
明らかにしました。
トランプ大統領は
国連総会が
行われているニューヨークで
韓国のムン・ジェイン(
文在寅)
大統領と、24
日午後(
日本時間25
日朝早く)
会談しました。
会談の冒頭、トランプ大統領は2回目のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談について「そう遠くない時期に開催されることになる」と述べました。
そのうえで「場所は近く決定されるが、シンガポール以外の場所になる可能性が高い」と述べ、6月の米朝首脳会談が行われたシンガポールとは別の場所で開催されるという見通しを明らかにしました。
これに対し、ムン大統領は「キム委員長はトランプ大統領と早期に会って、ともに非核化の過程を速やかに終わらせたいという希望を明らかにした」と述べ、先週行われた南北首脳会談でキム委員長が2回目の米朝首脳会談に意欲を示したことを明らかにしました。
韓国大統領府は、ムン大統領がキム委員長からのメッセージをトランプ大統領に伝えたとしたものの、詳しい内容については明らかにしませんでした。
南北首脳会談で北朝鮮側は、アメリカが相応の措置を取ればニョンビョン(寧辺)にある核施設を閉鎖する用意があることなどを表明しており、トランプ大統領としては早期に2回目の米朝首脳会談を開催することで、非核化をめぐる交渉を進展させたい考えとみられます。
韓国大統領府「非核化の明るい未来示す」
韓国大統領府の報道官は、アメリカのトランプ大統領とムン・ジェイン大統領の首脳会談について、「ムン大統領が先週の南北首脳会談について説明し、トランプ大統領は会談の結果を歓迎した」と発表しました。
そのうえで報道官は「両首脳は北への制裁を継続していく一方、北が非核化を成し遂げた場合に得られる明るい未来を示すことで、北の完全な非核化の意思を持続させる方策についても模索していくことを確認した」と述べました。
また、韓国大統領府の関係者は記者団に対し、両首脳は会談で、北朝鮮が求めている朝鮮戦争の終戦宣言や、2回目の米朝首脳会談の場所や時期などについても深い議論を交わしたと明らかにしました。
河野外相「国連安保理決議の履行を期待」
河野外務大臣は訪問先のニューヨークで記者団に対し「アメリカのポンペイオ国務長官とはたびたびやり取りをしている。2回目の米朝首脳会談が行われるなら、北朝鮮の非核化のプロセスがきちんと進み、国連の安保理決議がしっかり履行されることになるよう期待したい」と述べました。
また記者団が、今回の国連総会にあわせて北朝鮮のリ・ヨンホ外相と接触する可能性を質問したのに対し、河野大臣は「あるかもしれないが、今の段階で会談など決まっているものはない」と述べました。
官房長官「首脳会談で北朝鮮問題の方針を綿密に」
菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「アメリカのトランプ大統領やポンペイオ国務長官の発言は承知している。日米の間では、先日の日米首脳による夕食会や先週の日米外相電話会談を含め、北朝鮮問題について緊密に連携し、政策のすり合わせを行ってきている。重要なことは朝鮮半島の完全な非核化に向けた北朝鮮のコミットメントを含む米朝首脳間の合意が完全、迅速に履行されることだ。わが国としては、あさって未明に予定されている日米首脳会談の機会も捉え、日米の間で北朝鮮問題に関する方針を一層、綿密に打ち合わせていきたい」と述べました。