抗議活動が
続く香港では、
市民の
直接投票で
決まる4日後の
区議会議員選挙の
実施が
焦点となっていますが、
香港政府は、19
日だけで700
人以上を
逮捕したと
明らかにし、
選挙の
実施に
向け
取締りを
強化する
姿勢を
強調しています。
香港では、
デモ隊と
警察との
激しい衝突が
相次ぐなか、
香港政府の
トップは、
今月24
日に
予定されている
区議会議員選挙の
実施には、
暴力の
即時停止や、
交通網への
妨害をやめること
などが
必要だとしていて、
実施できるかが
焦点となっています。
こうした中、香港政府で警察を管轄する保安局長は20日の記者会見で、若者たちが立てこもりを続けている香港理工大学の周辺など各地で、19日だけで、およそ730人を逮捕するなど、取締りを強化していることを明らかにしました。
理工大学では、これまでに立てこもりを続けていた多くの若者が大学の外に出てきていますが、依然として100人ほどの若者たちが構内にとどまっているとみられます。
また、大学のすぐそばを通る幹線道路は、デモ隊が障害物を置くなどして通行できなくなっていますが、香港政府の高官は、20日から復旧作業を始めたことを明らかにしました。
現場では、障害物の撤去が進められていて、香港政府は、区議会議員選挙の実施に向けて取り組む姿勢を強調しています。
一方、香港の主要な新聞の多くは、20日の1面で、「あなたの1票を使い香港が暴力で落ちぶれることがないようにさせよう」という広告を掲載しました。
広告は、親中派が掲載したとみられ、選挙を前に抗議活動をけん制するねらいがありそうです。
香港出張を見合わせる日本企業も
香港の激しい抗議活動の影響が現地に進出している日本企業にも広がっています。
香港への出張を見合わせたり、現地の事務所では社員に自宅での勤務を促したりするなどの対応を取っています。
このうち、りそな銀行は19日付けで、原則、香港への出張を見合わせるよう従業員に通知しました。
みずほ銀行は、20日付けで、急ぎではない場合は香港への出張を控えるようすべての従業員に対して文書を出し、注意の呼びかけをこれまでよりも強めました。
また三井物産は、社員に対して抗議活動が激しい場合などは、日本からの不要不急の出張は延期するよう呼びかけています。
さらに現地に事務所がある伊藤忠商事や東京海上日動、三井住友海上では、抗議活動の状況次第で自宅に待機させたり、就業時間を早めに切り上げたりしているということです。
このほか、NTTグループでは、香港に拠点をおくNTTコムアジアの社員が、先週1週間は原則として出勤せず自宅などからのリモートワークに切り替えたということです。
東芝も、調達などを行う現地法人で、交通機関の運行状況に応じて
自宅勤務にするなどの対応を取っていて、香港の激しい抗議活動の影響が日本企業にも広がっています。
菅官房長官「抗議活動の場所には近づかないで」
菅官房長官は20日午後の記者会見で、「17日に、香港理工大学の周辺で、現地当局に身柄を拘束された20代の男性旅行者1名が、日本時間の20日未明に釈放されたと確認している。総領事館の担当者が直接、本人から話を聞いており、健康状態は良好ということだ。引き続き邦人保護の観点から、必要な支援を行っていきたい」と述べました。
一方で、菅官房長官は、「この機会に改めて申し上げておきたいが、国民の皆さんには、目的のいかんにかかわらず、香港で抗議活動が行われている場所や、混乱が予想される場所には近づかないでいただきたい」と呼びかけました。