韓国かんこくムン大統領だいとうりょう 「徴用ちょうよう」めぐる裁判さいばんで「互たがいに知恵ちえ絞しぼるべき」

この中なかで、太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの「徴用ちょうよう」をめぐる裁判さいばんで、日本にっぽん企業きぎょうの資産しさんの差し押さしおさえを韓国かんこくの裁判所さいばんしょが認みとめ、日本にっぽん政府せいふが日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていに基もとづく協議きょうぎを韓国かんこく政府せいふに要請ようせいしたことに関にかんするＮＨＫえぬえいちけいの質問しつもんに対にたいし、ムン大統領だいとうりょうは協議きょうぎに応おうじるかどうか、直接ちょくせつは言及げんきゅうしませんでした。

一方いっぽうで、ムン大統領だいとうりょうは「これは、韓国かんこく政府せいふがつくり出だした問題もんだいではなく、不幸ふこうな歴史れきしによってつくられた問題もんだいだ。日本にっぽん政府せいふはもう少もうすこし謙虚けんきょな立場たちばをとり、政治せいじの争点そうてんとすることなく、解決かいけつのために互たがいが知恵ちえを絞しぼるべきだ」と述のべました。

そして「日本にっぽんも韓国かんこくも三権さんけん分立ぶんりつの国くにだ。韓国かんこく政府せいふは司法しほうの判決はんけつを尊重そんちょうしなければならない。日本にっぽん政府せいふも判決はんけつ内容ないように不満ふまんはあっても、『どうすることもできない』という認識にんしきを持もってもらう必要ひつようがある。政治せいじ的てきな攻防こうぼうのイシューとみなして未来みらい志向しこう的てきな関係かんけいまで損そこなうのは、非常ひじょうに望のぞましくない」として、日本にっぽん政府せいふに冷静れいせいな対応たいおうを求もとめました。

一方いっぽう、この裁判さいばんをめぐっては、原告げんこく側がわから日にち韓かん両りょう政府せいふと企業きぎょうによる財団ざいだんを設立せつりつし、一括いっかつして補償ほしょうを進すすめるべきだという主張しゅちょうが出でていて、ムン大統領だいとうりょうは会見かいけんの中なかで「新あらたな財団ざいだんや基金ききんについては状況じょうきょうが整理せいりされるのを見守みまもり判断はんだんしなければいけない」と触ふれました。

ムン大統領だいとうりょうが財団ざいだん設立せつりつという解決かいけつ方法ほうほうに言及げんきゅうしたのは初はじめてで、韓国かんこく政府せいふ内ないで選択せんたく肢しの１ひとつとして検討けんとう対象たいしょうになっていることを示唆しさしました。

北朝鮮きたちょうせんの非核ひかく化かについて

韓国かんこくのムン・ジェイン大統領だいとうりょうは、10日にちに開ひらいた年頭ねんとうの記者きしゃ会見かいけんで、非核ひかく化かをめぐるアメリカと北朝鮮きたちょうせんの立場たちばの違ちがいに関にかんする質問しつもんに対にたいし、「キム・ジョンウン委員いいん長ちょうの言いう非核ひかく化かが、アメリカが求もとめる『完全かんぜんかつ検証けんしょう可能かのうで不ふ可逆かぎゃく的てきな非核ひかく化か』とは違ちがうという意見いけんが多おおい」と述のべました。

そのうえで、ムン大統領だいとうりょうは「しかし、キム委員いいん長ちょうは、私わたしやトランプ大統領だいとうりょうなどに、『国際こくさい社会しゃかいが要求ようきゅうする完全かんぜんな非核ひかく化かと全まったく同おなじものだ』と明あきらかにしてきた」と述のべ、キム委員いいん長ちょうはアメリカの要求ようきゅうに応おうじる構かまえだという見方みかたを示しめしました。

また、「今回こんかいの非核ひかく化かの過程かていは、過去かこに失敗しっぱいしたものとは大おおいに違ちがい、両りょう首脳しゅのうが直接ちょくせつ合意ごういして国際こくさい社会しゃかいに発表はっぴょうしたものなので、重おもみが違ちがう」と述のべ、去年きょねんからの一連いちれんの動うごきは、非核ひかく化かが実現じつげんしなかった過去かこの協議きょうぎなどとは違ちがうと強調きょうちょうしました。

そして、２に回かい目めの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんで双方そうほうが歩み寄あゆみより、それが南北なんぼく間かんの経済けいざい協力きょうりょくにつながることに期待きたいを表あらわしました。

佐藤さとう外務がいむ副ふく大臣だいじん「事実じじつを見みない発言はつげん」

佐藤さとう外務がいむ副ふく大臣だいじんはみずからのツイッターで、ムン・ジェイン（文ぶん在ざい寅とら）大統領だいとうりょうが、「日本にっぽん政府せいふも判決はんけつ内容ないように不満ふまんはあっても、『どうすることもできない』という認識にんしきを持もってもらう必要ひつようがある」と述のべたことについて、「日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていの手続てつづきに基もとづき、協議きょうぎ要請ようせい中ちゅうなのに、その回答かいとうをしないばかりか、この発言はつげんとは。事実じじつを事実じじつとして見みない発言はつげんの繰り返くりかえしだ」と批判ひはんしました。