「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」可能かのうにする法案ほうあん 閣議かくぎ決定けってい

そして感染かんせんが全国ぜんこく的てきに急速きゅうそくにまん延まんえんし、国民こくみん生活せいかつや経済けいざいに甚大じんだいな影響えいきょうを及およぼす場合ばあいなどに、総理そうり大臣だいじんが「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」を行おこない、緊急きんきゅう的てきな措置そちを取とる期間きかんや区域くいきを指定していするとしています。

そのうえで対象たいしょう地域ちいきの都道とどう府県ふけん知事ちじは住民じゅうみんに対にたいする外出がいしゅつの自粛じしゅく要請ようせいをはじめ、学校がっこうの休校きゅうこうや、多おおくの人ひとが集あつまる施設しせつの使用しよう制限せいげんなどの要請ようせいや指示しじができるほか、特とくに必要ひつようがある場合ばあいは臨時りんじの医療いりょう施設しせつを整備せいびするため、土地とちや建物たてものを所有しょゆう者しゃの同意どういを得えずに使用しようできるとしています。

法案ほうあんは11日にち、衆議しゅうぎ院いんで審議しんぎ入いりし、与野党よやとうの協議きょうぎの結果けっか、今週こんしゅう13日にちに成立せいりつする見通みとおしで、政府せいふは翌よく14日にちに施行しこうする方向ほうこうで調整ちょうせいを進すすめています。

官房かんぼう長官ちょうかん「直ただちに緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん出だす状況じょうきょうにない」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、政府せいふが閣議かくぎ決定けっていした「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」を可能かのうにする法案ほうあんについて「危機きき管理かんりの観点かんてんから常つねに最悪さいあくの事態じたいを想定そうていし、あらかじめ備そなえることが重要じゅうようであり、国民こくみん生活せいかつへの影響えいきょうを最小さいしょうとするために、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなど、もう一段いちだんの法的ほうてき枠組わくぐみの整備せいびが必要ひつようだと判断はんだんした」と述のべました。

一方いっぽうで「現時点げんじてんでは直ただちに緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だすような状況じょうきょうにないと認識にんしきしている。法案ほうあんでは宣言せんげんを行おこなった際さいには国会こっかいに報告ほうこくすることとされているが、宣言せんげんを行おこなうことについては国民こくみん生活せいかつに与あたえる影響えいきょうに鑑かんがみ、慎重しんちょうに判断はんだんすべきものと考かんがえている」と述のべました。

経済けいざい再生さいせい相しょう「影響えいきょう最小さいしょう限げんへ早期そうき成立せいりつを」

改正かいせい案あんを担当たんとうする西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「今いまがまさに、この感染かんせん症しょうを終息しゅうそくさせるうえで大変たいへん大事だいじな時期じきで、国民こくみん生活せいかつや経済けいざいに及およぼす影響えいきょうが最小さいしょう限げんとなるように、早期そうき成立せいりつを期きしていきたい。この法案ほうあんで緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だし、さまざまな措置そちが取とれることになっているが、いざというときに備そなえるものでそういう事態じたいにならず、まさに『伝家でんかの宝刀ほうとう』であり続つづけてほしい」と述のべました。

また私権しけんの制限せいげんに対にたいする懸念けねんがあることについて「国民こくみんの自由じゆうと権利けんりを尊重そんちょうする観点かんてんから、『私権しけんの制限せいげんは必要ひつよう最小さいしょう限げんのものでなければならない』という配慮はいりょ規定きていがある。緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの要件ようけんに該当がいとうするかどうかの判断はんだんに際にさいしては専門せんもん家かの意見いけんを聞きくことも含ふくめ、十分じゅうぶん配慮はいりょして、適切てきせつに判断はんだんが行おこなわれるようにしたい」と述のべました。

厚生こうせい労働ろうどう相しょう「宣言せんげんは専門せんもん家かの諮問しもん委いで判断はんだん」

加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、政府せいふが閣議かくぎ決定けっていした「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」を可能かのうにする法案ほうあんについて「宣言せんげんが必要ひつような事態じたいや、宣言せんげんを踏ふまえた対応たいおうが必要ひつような事態じたいの可能かのう性せいを想定そうていし、政府せいふとして法案ほうあんを出だした。宣言せんげんを行おこなうには、国内こくないや海外かいがいの状況じょうきょう、あるいはＷＨＯだぶりゅ-えいちお-がどう全体ぜんたいを判断はんだんしているのかも踏ふまえ、専門せんもん家かの会議かいぎである諮問しもん委員いいん会かいで判断はんだんいただくので、それに向むけて必要ひつような情報じょうほうをしっかり収集しゅうしゅうしていきたい」と述のべました。

自民じみん 二に階かい幹事かんじ長ちょう「緊急きんきゅう要ようする問題もんだい」

自民党じみんとうの二に階かい幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「緊急きんきゅうを要ようする問題もんだいだ。少すこし油断ゆだんすると大変たいへんな事態じたいになりかねず、大変たいへん適切てきせつな法案ほうあんだ」と述のべました。

立たつ民みん 安住あんじゅう国対こくたい委員いいん長ちょう「宣言せんげんを出だす前まえに国会こっかい意見いけん聴取ちょうしゅを」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの安住あんじゅう国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「『緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん』が強つよい権限けんげんを持もつ以上いじょう、何なんらかの形かたちで宣言せんげんを出だす前まえに国会こっかいに説明せつめいし意見いけんを聞きかなければならない。あすに採決さいけつを控ひかえている中なか、法案ほうあんの修正しゅうせいは難むずかしいかもしれないが、法案ほうあんに明記めいきせずとも担保たんぽする方法ほうほうはあるので、野党やとう側がわの意向いこうを取り入とりいれてもらいたい」と述のべました。

国民こくみん 玉木たまき代表だいひょう「国会こっかいへの事前じぜん承認しょうにんを求もとめる」

国民こくみん民主みんしゅ党とうの玉木たまき代表だいひょうは記者きしゃ団だんに対にたいし、「強力きょうりょくな権限けんげんで私権しけんを制限せいげんする条項じょうこうがあり、会派かいはでは国会こっかいへの事前じぜん承認しょうにんを求もとめることでまとまっている。政府せいふに法案ほうあんの修正しゅうせいを求もとめるが、スピード感かんも大事だいじであり、しっかり議論ぎろんしたい」と述のべました。