Actualités japonaises: 東京オリンピック聖火リレー始まるギリシャアテネ

東京とうきょうオリンピックの聖火せいかの採火さいか式しきが、12日にち、ギリシャのオリンピアで行おこなわれ、東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーが始はじまりました。聖火せいかはギリシャ国内こくないをリレーしたあと、今月こんげつ20日にちに日本にっぽんに到着とうちゃくする予定よていです。

東京とうきょうオリンピックの聖火せいかの採火さいか式しきは、日本にっぽん時間じかんの12日にち午後ごご６ろく時半じはんごろ、現地げんち時間じかんの午前ごぜん11時半じはんごろからギリシャ南部なんぶにある古代こだいオリンピック発祥はっしょうの地ち、オリンピアで行おこなわれました。

採火さいか式しきには、ＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいのバッハ会長かいちょうや東京とうきょう大会たいかいの組織そしき委員いいん会かいの遠藤えんどう利明としあき会長かいちょう代行だいこうなどが出席しゅっせきし、ヘラ神殿しんでんの遺跡いせきで古代こだいの衣装いしょうに身みを包つつんだみこにふんした女性じょせいが凹面鏡おうめんきょうを使つかって太陽光たいようこうを集あつめ聖火せいかとなる火ひを採とりました。

そして、桜さくらをモチーフにしたデザインの東京とうきょうオリンピックのトーチに聖火せいかがともされ、第だい１いち走者そうしゃを務つとめるギリシャ人じんでリオデジャネイロオリンピック射撃しゃげきの金きんメダリスト、アンナ・コラカキ選手せんしゅが、古代こだいオリンピック競技きょうぎ場じょうをスタートして、東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーが始はじまりました。

リレーでは、アテネオリンピック女子じょしマラソンの金きんメダリスト、野口のぐちみずきさんが第だい２に走者そうしゃを務つとめました。

野口のぐちさんは、聖火せいかを引き継ひきつぐ「トーチキス」を行おこなったあと、日本人にっぽんじん最初さいしょの聖火せいかランナーとして、晴はれやかな表情ひょうじょうを見みせながらおよそ200メートルの距離きょりをゆっくりとしたペースで走はしっていました。

聖火せいかはギリシャ国内こくないを８はち日間にちかんリレーしたあと、今月こんげつ19日にちにアテネで開催かいさい都市としの東京とうきょうに引き継ひきつがれ、今月こんげつ20日にちに日本にっぽんに到着とうちゃくして、まずは、復興ふっこうの火ひとして東北とうほく３さん県けんで展示てんじされます。

そして、日本にっぽん国内こくないでの聖火せいかリレーは今月こんげつ26日にちに福島ふくしま県けんからスタートし、およそ４よんか月かげつをかけて全国ぜんこく各地かくちを巡めぐることになっています。

組織そしき委員いいん会かい遠藤えんどう会長かいちょう代行だいこう「希望きぼうがつながること願ねがう」

採火さいか式しきにあわせて行おこなわれたスピーチで、東京とうきょう大会たいかいの組織そしき委員いいん会かいの遠藤えんどう利明としあき　会長かいちょう代行だいこうは「現在げんざい、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが全ぜん世界せかいで拡大かくだいしている。そうしたなかでも、今回こんかいの採火さいか式しき・セレモニーなどについて万全ばんぜんの対応たいおうをとっていただいた関係かんけい者しゃに感謝かんしゃ申し上もうしあげる。東京とうきょう大会たいかいの組織そしき委員いいん会かいとしても、ＩＯＣあいお-し-、日本にっぽん政府せいふ、東京とうきょう都とと一体いったいとなり、大会たいかいを万全ばんぜんの体制たいせいで成功せいこうさせていく」と話はなしました。

そして遠藤えんどう会長かいちょう代行だいこうは「日本にっぽんは地震じしんや津波つなみなど大おおきな災害さいがいに幾度いくども見舞みまわれ、かけがえのない人ひとやものを失うしない、悲かなしみに打うちひしがれる人々ひとびとに胸むねが張り裂はりさけそうな思おもいをしたことも一いち度どや二に度どではない。しかし、われわれ人間にんげんには56年ねん前まえの聖火せいかが教おしえ励はげましてくれたように“希望きぼう”を持もつ力ちからがある。東京とうきょう2020オリンピック聖火せいかリレーのコンセプトは、『ＨｏｐｅＬｉｇｈｔｓＯｕｒＷａｙ希望きぼうの道みちを、つなごう。』だ。ギリシャ国内こくないでの聖火せいかリレーによって多おおくの物語ものがたりが生うまれ、希望きぼうがつながることを心こころから願ねがっている」と話はなしました。

ＩＯＣあいお-し- バッハ会長かいちょう　予定よていどおりの大会たいかい開催かいさいを強調きょうちょう

ＩＯＣあいお-し-のバッハ会長かいちょうは採火さいか式しきのあいさつの冒頭ぼうとうで「私わたしたちは3000年ねん以上いじょう前まえにオリンピックが生うまれた地ち、オリンピアに集あつまった。困難こんなんな状況じょうきょうにもかかわらず採火さいか式しきを開催かいさいしてくれたギリシャオリンピック委員いいん会かいの会長かいちょうとオリンピア市長しちょうに感謝かんしゃしたい」と話はなし、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが広ひろがる中なかでの開催かいさいに感謝かんしゃの気持きもちを話はなしました。

そしてバッハ会長かいちょうは「採火さいか式しきの実現じつげんは、東京とうきょうオリンピックの成功せいこうに向むけた私わたしたちの決意けついを改あらためて表あらわしている。開会かいかい式しきを19週間しゅうかん後ごに控ひかえる中なか、多おおくの組織そしきがウイルス拡散かくさんの封じ込ふうじこめに多おおくの対策たいさくを取とっていることが、決意けついをより強つよくさせている」と述のべて、改あらためて大会たいかいを予定よていどおりに開催かいさいする考かんがえを強調きょうちょうしました。

またバッハ会長かいちょうは「きょうは日本にっぽんへの聖火せいかの旅たびが始はじまる日ひだ。56年ねんの時ときを経へて日本にっぽんに聖火せいかが戻もどるとき、希望きぼうが国くに全体ぜんたいを照てらすだろう。2020年ねんの東京とうきょう大会たいかいは、すべての日本にっぽんの人々ひとびとにとって再ふたたび希望きぼうと自信じしんの象徴しょうちょうになる。特とくに、９きゅう年ねん前まえの災害さいがいで甚大じんだいな被害ひがいを受うけた地域ちいきにとってはそうだ」と述のべて、聖火せいかリレーが今こん大会たいかいで掲かかげる『復興ふっこう五輪ごりん』につながるという考かんがえを示しめしました。

あいさつの最後さいごにバッハ会長かいちょうは「今こん大会たいかい、私わたしたちはすべての多様たよう性せいとオリンピックの価値かちを守まもるという決意けついのもと団結だんけつする。どんな力ちからが分断ぶんだんしようとしても、私わたしたちの人間にんげん性せいの方ほうが強つよいことを世界せかいに示しめすだろう」と述のべ、改あらためて困難こんなんに立ち向たちむかう姿勢しせいを示しめしました。

そのうえで、日本にっぽん語ごで「日本にっぽんの皆様みなさま、ありがとうございます。大おおきな喜よろこびと感謝かんしゃとともにオリンピック精神せいしんを東京とうきょうで一緒いっしょにお祝おいわいしましょう」と話はなしてあいさつを締しめくくりました。

採火さいか式しきとは

採火さいか式しきは、オリンピックの発祥はっしょうの地ち、ギリシャ南部なんぶのオリンピアにある古代こだいオリンピア競技きょうぎ場じょうとヘラ神殿しんでんの遺跡いせきで行おこなわれます。

オリンピア市しは、オリンピックの発祥はっしょうの地ちで、首都しゅとアテネから西にしにおよそ300キロ離はなれたペロポネソス半島はんとうの西部せいぶに位置いちする、人口じんこうおよそ１いち万まん3500人にんの都市としです。紀元前きげんぜん776年ねん、全能ぜんのうの神かみゼウスをあがめる聖せいなる祭典さいてんとして古代こだいオリンピックが現在げんざいのオリンピア市しで始はじまったとされています。

式典しきてんにはＩＯＣあいお-し-や開催かいさい都市とし、ギリシャオリンピック委員いいん会かいなどの関係かんけい者しゃが出席しゅっせきし、まず、古代こだいオリンピア競技きょうぎ場じょうでオリンピック賛歌さんかや開催かいさい国こくの国歌こっかの演奏えんそう、それにＩＯＣあいお-し-や大会たいかい組織そしき委員いいん会かいの代表だいひょう者しゃがあいさつします。その後そのご、一部いちぶの出席しゅっせき者しゃだけがヘラ神殿しんでんに移動いどうし、採火さいかの儀式ぎしきが行おこなわれます。

ヘラ神殿しんでんは、古代こだいギリシャの全能ぜんのうの神かみ、ゼウスの妻つまで最もっとも位くらいの高たかい女神めがみ、「ヘラ」をまつった神殿しんでんで、紀元前きげんぜん７なな世紀せいきに建造けんぞうされた、オリンピアで最もっとも古ふるい建物たてものと言いわれています。

採火さいか式しきでは、このヘラ神殿しんでんの遺跡いせきに古代こだいの衣装いしょうに身みを包つつんだみこにふんした女性じょせいたちが向むかい、神殿しんでんの前まえにある祭壇さいだん跡あとでギリシャ神話しんわに登場とうじょうする太陽たいよう神しん、アポロンに呼よびかけ、凹面鏡おうめんきょうを使つかって太陽光たいようこうを集あつめて聖火せいかを採とります。

そして、聖火せいかは古代こだいオリンピア競技きょうぎ場じょうに運はこばれます。

古代こだいオリンピア競技きょうぎ場じょうは、古代こだいオリンピックが始はじまった紀元前きげんぜん776年ねんに造つくられたもので、オリンピアの古代こだい遺跡いせきの中なかで有名ゆうめいな遺跡いせきの一ひとつです。長ながさおよそ192メートル、幅はばおよそ30メートルの広場ひろばを高たかい盛り土もりつちがスタンドのように囲かこんでいて、古代こだいオリンピックでは参加さんかした男性だんせいたちがこの場所ばしょで短距離たんきょり走はしなどを行おこない、大勢たいせいの観客かんきゃくたちが応援おうえんに駆かけつけたと言いわれています。古代こだいオリンピア競技きょうぎ場じょうではその後そのご、393年ねんまで11世紀せいき以上いじょうにわたって競技きょうぎが行おこなわれたとされています。

現在げんざいでは、オリンピックの採火さいか式しきの式典しきてん会場かいじょうとなっています。式典しきてんでは、ＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいの委員いいんや大会たいかい組織そしき委員いいん会かいの関係かんけい者しゃなどがこの競技きょうぎ場じょうで見守みまもる中なか、ヘラ神殿しんでんで集あつめられた聖火せいかがみこにふんした女性じょせいたちによって競技きょうぎ場じょうに運はこばれ、聖火せいかリレーが始はじまります。

近代きんだい五輪ごりん最初さいしょの採火さいか式しきは1936年ねんベルリン大会たいかい

近代きんだいオリンピックで最初さいしょに採火さいか式しきが行おこなわれたのは、聖火せいかリレーの始はじまりと同おなじ1936年ねんベルリンオリンピックで、当時とうじの組織そしき委員いいん会かいの事務じむ総長そうちょうだった人物じんぶつが発案はつあんしました。

それ以来いらい、聖火せいかリレーの出発しゅっぱつ点てんとしてオリンピアが選えらばれています。

これについて、ＩＯＣあいお-し-は、紀元前きげんぜん776年ねんから393年ねんまでの11世紀せいき以上いじょうにわたってこの場所ばしょで行おこなわれたとされる古代こだいオリンピックと、現在げんざいの形かたちの近代きんだいオリンピックのつながりを強調きょうちょうしているものだとしています。

一方いっぽう、採火さいか式しきの当日とうじつ、雨あめや曇くもりとなり、太陽光たいようこうで火ひを採とれない場合ばあいは、前日ぜんじつのリハーサルで採とった種たね火ひを聖火せいかに使用しようします。

最近さいきんでは、冬ふゆのピョンチャンオリンピックの採火さいか式しきが雨あめの中なかで行おこなわれ、リハーサルの種たね火ひから聖火せいかがともされました。

リハーサルも雨あめや曇くもりで太陽光たいようこうで火ひを採とれない場合ばあいは、さらに前まえの日ひまでに太陽光たいようこうから採とった種たね火ひを使用しようするということです。

聖火せいかリレー第だい１いち走者そうしゃは初はじめて女性じょせい

ギリシャ国内こくないで行おこなわれる東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレー第だい１いち走者そうしゃは、今回こんかい、史上しじょう初はじめて女性じょせいが務つとめました。

採火さいか式しきのあとに始はじまる聖火せいかリレーの第だい１いち走者そうしゃは、毎回まいかい、ギリシャ人じんが務つとめることになっています。

今回こんかいは2016年ねんのリオデジャネイロオリンピックの射撃しゃげきで金メダルきんめだるを獲得かくとくしたアンナ・コラカキ選手せんしゅが務つとめることになり、コラカキ選手せんしゅは「とても名誉めいよなことだ。きっと一生いっしょう心こころに刻きざまれる体験たいけんになるに違ちがいない」とコメントしていました。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで…

採火さいか式しきが行おこなわれるギリシャ南部なんぶのオリンピア市しは人口じんこう１いち万まん3500人にんほどですが、市しによりますと、２に年ねんに１いち回かい行おこなわれる夏なつと冬ふゆのオリンピックの採火さいか式しきの時期じきは、開催かいさい都市としからの観光かんこう客きゃくなど一いち日にち平均へいきんおよそ１いち万まん人にんが訪おとずれるということです。

しかし、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうでオリンピア市しでも博物館はくぶつかんなどが臨時りんじ休館きゅうかんとなっているほか、採火さいか式しき関連かんれんのイベントもすべて中止ちゅうしとなりました。

こうしたことから、オリンピア市しは採火さいか式しきを５月ごがつに延期えんきするよう求もとめる要望ようぼう書しょを出だしましたが、ＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいとギリシャオリンピック委員いいん会かいは日程にっていは変かえず、一般いっぱんの観客かんきゃくを入いれない形かたちで行おこなうことにしました。

このため、オリンピア市内しないの土産物みやげもの屋ややレストランが建ち並たちならぶメインストリートは閑散かんさんとしています。さらに、ギリシャ全土ぜんどでは今月こんげつ10日にちから公立こうりつ学校がっこうや大学だいがくが休校きゅうこうとなり、スポーツイベントも今月こんげつ９きゅう日にちから２に週間しゅうかん、原則げんそく禁止きんしされていて各地かくちに影響えいきょうが広ひろがっています。

19日にちギリシャで聖火せいかの引継ひきつぎ式しき

東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーは、採火さいか式しきが行おこなわれるギリシャのオリンピアからスタートし、ギリシャ国内こくないでは８はち日間にちかん行おこなわれます。

オリンピアやアテネを含ふくむ31の都市とし、15の古代こだい遺跡いせきを通とおるルートで、600人にんの聖火せいかランナーが聖火せいかをつなぎ、19日にちにアテネで行おこなわれる引継ひきつぎ式しきまで、およそ3500キロメートルの距離きょりを走はしる予定よていです。

最終さいしゅう日びの19日にちには、ギリシャオリンピック委員いいん会かいから開催かいさい都市としの東京とうきょうの組織そしき委員いいん会かいに聖火せいかを引き継ひきつぐ式典しきてんが行おこなわれ、この中なかで、いずれも金きむメダリストでレスリングの吉田よしだ沙いさご保里ほりさんから柔道じゅうどうの野村のむら忠宏ただひろさんへと聖火せいかがつながれ、野村のむらさんがギリシャの最後さいごのランナーにつないで、祭壇さいだんに聖火せいかがともされます。